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【コラム】出産祝いに母から届いた “あるもの” に感動した話 / それは30年以上も前の…
【応援コラム】育児が鬼ハードなのは3歳までである理由
【断言】生まれて初めて「育休」を取ってみて分かったこと → 母親1人の育児はマジで無理ゲー
私事で大変恐縮だが、先日とうとう父親になりました。そう、あひるねこジュニアの誕生である(女の子だけど)。そこで約1カ月半、編集部をお休みして育休、つまり育児休業を取得させてもらうことに。生まれて初めての子供、そして生まれて初めての育休だ。
現在は仕事に復帰しているが、結論から言うと育休を取って本当によかったと思う。……いや、それだとなんかニュアンスが違う気がするな。「育休を取らなかったら詰んでいた」、が正しい表現だろうか? それとも「1人の育児は無理ゲー」? いずれにせよ、子育てに男性の育休取得は必須であることを痛感した1カ月半であった。
・男だけど育休取ってみた
以前の記事でも書いたように、妻の妊娠が発覚したのが今年上旬。ちょうど世間が新型コロナ問題でザワつき始める時期である。その後、感染拡大によって里帰り出産がちょっと微妙な空気になったこともあり、妻は都内の病院での出産を決意。私がまとまった育休の取得を決めたのも そのためだ。
さて、ここから本格的に育休の話に入っていくワケだが、もしかしたら男性諸君の中には育休のことを、「仕事をせずに育児とその手伝いだけしていればいい休暇期間」と考えている人がいるかもしれない。正直、私も似たようなイメージを多少は抱いていた。ところがだ。
退院した我が子が家にやって来た途端、すぐに悟ったね。それが大きな間違いだったということに。まず私が震えたというか二度見したのが、ジュニアの大まかな授乳スケジュールである。ん? んんん?
8時、11時、14時、17時、20時、23時、2時、5時……(最初に戻る)
・ミルク飲みすぎ
いや何だよこれ! コンビニのシフトかよ!! ヤバイって店長死んじゃうよ! どうやら新生児には約3時間ごとに母乳かミルク、もしくはその両方を飲ませないといけないらしい(ウチは病院の指示により両方)。え? 深夜もやんの!? マジかよ、どんな鬼シフトなんだ……。
妻にはそんなことも把握していないのかと軽くキレられたし、世のママ達からも分かりきったことを書くなと大いにキレられそうだが、ここから先は私同様、よく分かっていない男性のためにあえて詳しく書いていくぞ。例えばミルクといっても、冷蔵庫からただ出してレンチンすればいいというワケでは当然ない。
授乳時間のたびにスプーンで粉を計量し、一度沸騰したお湯に溶かしてからそれを人肌程度に冷ましてやる必要があるのだ。そしてその際、哺乳瓶は赤ちゃん用の洗剤で大人とは分けて洗い、しかも洗った後は煮沸消毒までしないといけない。この赤子は一体、どこの国のVIPなのか?
赤ちゃんだと、ミルクを飲み切るのにけっこうな時間がかかる。もし途中で寝てしまったら起こして飲ませるのも一苦労だ。じゃないとお腹が空いたと予定よりも早く泣き出してしまうからな。こちらとしては少しでも長く寝ていてもらわなければ。で、それが終わったら今度はおむつ交換ね。
・最初の難関
実は当初、私がもっとも抵抗があったのがこの作業だった。百歩譲っておしっこはまだいい。が、いくら我が子とは言え、他人のウンチの処理などできればしたくないと考えるのが人情ではないか。赤ちゃんと言えども、そこにあるのはガチの人糞である。ユルいし、普通にめっちゃ臭いぞ。
まあ今でこそ何とも思わなくなったものの(臭いは臭いけど)、初期の段階で父親がこの作業に慣れておくことは、夫婦で育児をしていく上で非常に重要であるように思う。それは授乳に関しても同様で、ミルクを作る・飲ませる・片付ける・買い足す、までがセットで自然にできないと、十分な戦力にはなり得ないと思うのだ。
・消耗戦
さて、母乳とミルクをあげて、沐浴をして(赤ちゃんのお風呂)、おむつもキレイに交換したのに、それでもちゃんと寝てくれないのが赤ちゃんという生き物である。原因不明のギャン泣きの末にようやく寝息を立てたと思っても、気付いたら次の授乳タイムまであと少しということが最初はかなりあった。これにより、睡眠時間がガッツリ削られるのが本ッ当~にしんどい。
ウチは夫婦で交代制ではなく、例えば妻が母乳をあげている間に私がミルクを準備するなど、常に2人で同時に作業をしていたので、睡眠は空いた時間に仮眠を数回取るという形が主だった。精神的にも肉体的にもキツイ上、加えて何度も母乳を出さなければいけない妻の苦労は男の私でも想像に難くない。
さらにここに買い物や掃除、洗濯、食事といった日々の生活が加わってくるのだから、1日が過ぎ去るのがもうあっという間だ。初めての育児を体験した私は、その過酷さをスマホのメモに以下のように書き残している。
「新しいバイト先で、初日に店長から『じゃあ今日から週7の24時間勤務ね! 大丈夫、暇な時間はいつでも裏で寝てていいから!!』と言われているような感じ」
恐ろしいことに、これでもまだまだ氷山の一角に過ぎないのだが、最近ふと思うようになった。もし私が育休を取っていなかったら、出産直後の妻はほぼ1人でこれらの膨大な作業をこなすことになったのだろうか? 付きっきりで? 誰のサポートもなく? いや……どう考えても無理だろ。
・難易度S
赤ちゃんは文字通りまったく目が離せないので、1人だとトイレにも行きにくくなるし、ギャン泣きが止まらないので抱っこをしていると食事もままならない。そうこうしている内に次の授乳の時間になり、おむつを交換して、ベッドに寝かせるも再びのギャオーン泣き。そう、完全に詰みである。
もちろん常時そういう状態というワケではないし、ベビーグッズによって改善するケースもあるにはあるのだが、精神的に参ってしまうお母さんがいるというのも十分理解できる話だ。こう言っちゃなんだが、育児とはほとんど子供の奴隷みたいなものだからな。
むしろ個人的には、退院直後から母親が1人で面倒を見ている家庭があるというのがちょっと信じられない。冷静に考えて、母ちゃん強すぎじゃね? 近くに住む両親が手伝ってくれるとかならまだしも、ウチのように離れて暮らすソロプレイヤーの場合、物理的に不可能な気がしてしまうのだが。
・まだ取りづらい?
男性の育休取得率は昔と比べて上昇傾向にある、なんて話を最近よく見聞きするようになった。しかし一方で、今年同じく父親になった私の友人は、たった2日しか取れなかったと嘆いていたりする。そもそも申請できるような雰囲気ではないという会社もいまだ多いはずだ。1カ月以上も取得できる人は、実はかなり少ないのかもしれない。
・変化が必要
だからこそ、私のようにガッツリ育休を取得した男性は、育休取得の重要性を声を大にして訴える必要があるのではないか。いや、そういった記事やツイートは確かに増えてきてはいる。が、それでも全然足りていないのである。世間、特に世の男性には、育児という超絶ミッションの難易度がしっかりハッキリとは伝わりきっていない。
育休中のある日、知り合いの女性に「育休取るなんて偉いね!」と言われた。彼女は純粋に私を労ってくれたのだろうが、やはりそれではダメだと思うのだ。「育休取るなんて偉いね!」ではなく、「子供が産まれるのに育休取らなくて大丈夫なの?」という空気に社会全体がなっていく必要があると私は強く思う。
・男性も育休を
過去に育休を体験した男性たちは、今こそ声を上げて皆に知ってもらうべきだろう。母親1人の育児がいかに無理ゲーかということを。夫婦2人がかりで挑んでも引くほど大変ということを。それでも子供の可愛い顔を見ると、すべてが救われるということを。これから父親になる方は、どうか真剣に育休取得をご検討いただきたい。私もまだまだ頑張る。
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
【ガチ検証】父親になってみた
今から約2年前、「結婚してみた」というシンプルかつショッキングなタイトルの記事が公開された。それまで独身キャラを貫き続けてきた当サイトの副編集長・和才が突如として結婚を発表したのだ。これには驚いた人も多かったはず。
私(あひるねこ)としても、いつかああいった記事を書いてみたいと常々思っているのだが、だからといって同じような内容をただ繰り返すワケにもいかないだろう。やるならば結婚と同等か、それ以上のインパクトがなくてはならない。そこで今回、思いきって父親になってみることにした。
・コロナ禍の出産
これまで特に誰にも言っていないなかったが、実は私は昨年結婚している。まあそれはどうでもいいとして、その後、妻の妊娠が発覚したのが今年の上旬。そう、ちょうど世間が本格的に新型コロナ問題でザワつき始める時期だ。今にして思えば、なかなかに厳しいタイミングだった。
結論から言ってしまうと、コロナの影響で私は出産には立ち会えなかったし、そもそも産科病棟に立ち入ったのは妻の退院日が最初で最後である。担当の先生や看護師さんには一度も会っていないどころか顔すら知らない。基本的に、母親以外は病院に入れない状況だったのだ。
・孤独
そんなこんなで出産予定日の当日。私は妻が入院する病院……にはもちろんいられないので、自宅で一人待機していた。「予定通りにいけば〇〇時くらいに産まれそう」という妻からのフワフワした情報だけが頼りであるが、その時間を過ぎても、待てど暮らせど妻からLINEは来ない。
この時の私はというと……ええ。それはもう、ハチャメチャに不安でござんした。果たして子供は無事に産まれたのか? ていうか妻の体は大丈夫なのか? もしも何かあった場合、病院から私にちゃんと連絡はあるのか? 誰か……誰か教えてくれーーーーー!!
とその時!
スマホが光っていることに気付いた。そう、妻からのLINEである。ゴクリ……ついに来たか。震える手でタップすると、そこには一言だけ、こう書いてある。
「19時18分うまれました」
【速報】父親になった
・第一子誕生
2700グラムの元気な女の子、つまりあひるねこジュニアの誕生である。産まれた直後の娘の写真を見て「ガッツ石松やん! リトルガッツやん!! ガッツガッツ!」と思わないこともなくはなかったが、同時に不思議と写真から目を離せない自分もいる。そうか、私は本当にこの子の父親になったのだ。
とはいえ、まだそれを十分リアルに感じられなかったことも事実。なにせ私はジュニアを腕に抱くどころか、実際にこの目で見てもいないのである。「すべては夢現(うつつ)だったでござるの巻」という可能性もワンチャンあるではないか。そして、この状態はなんと5日間も続くことになる。いや長ッ!
・生殺し
そう、依然として病院には入れないので、妻が退院するまでの5日間は子供に会うことができなかったのだ。え、ホントに産まれてる? この世界に確かに存在しているの? 自らの正気を疑いつつも、私は自宅で赤ちゃん用のベッドを準備したり、家中を掃除したりして過ごした。そしてついに来た退院当日……。
まだ少しお腹が大きな妻と再会し、いよいよ新生児室へ。私は外の通路で待機する。窓ごしに赤ちゃんのベッドがたくさん並んでいるのが見えるが、カーテンが激しく邪魔をするせいで中の様子がイマイチ分からない。「そう簡単には会わせませんよ」という、新生児室側からの強い意志を感じる。
・不安
さて、ここで正直に告白しておくと、実はこの時……いやそのしばらく前から、私は子供と対面するのが少し怖かった。自分は100パーセントの気持ちで我が子を可愛がれるだろうか? という不安を完璧に拭い去ることができなかったからである。
お腹を痛めて産んだワケじゃない。昔から特別に子供が好きだったというワケでもない。頭では理解していても、どこか冷めた感情を我が子に抱いてしまったらどうしよう? 自分の中でとっくに折り合いはつけているつもりだったが、いざこれから会うとなった途端、そんな気持ちが再び頭をもたげ始めた。
しかし。
出てきた妻から娘を手渡された瞬間……
_人人人人人人_
> 天使!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
・ガチで杞憂
あひるねこジュニアちゃん、ただの天使でした。本当にありがとうございました。そう、抱き上げるや否や、私はスイッチがパチッと切り替わったかのようにジュニアLOVE人間へと変貌を遂げてしまったのである。ラブ! ラブ! ラブずっきゅん!! ああ、出会って5秒でもう食べちゃいたい。つーか食う。ガマンできへん。
そんなワケでこの記事を書いている今、ジュニアは生後2カ月弱くらいになっております。今日も今日とてギャン&ギャン泣きからの元気に大暴れです。で、一方の私はといいますと、実はガッツリ育休を取っていたのですが……その話はまた今度。別の記事でお伝えしようかと思います。
・初めての感情
ようやくスヤスヤしてくれたジュニアの寝顔を眺めていると、文字通り命がけで産んでくれた妻への感謝を超えた畏敬の念がとめどなく溢れてくる。妻、スゴイ。人間、スゴイ。生命、スゴイ。そして嬉しい。この子を心の底から愛しく思えることがたまらなく嬉しい。私たちの元に生まれてきてくれたことが本当に本当に嬉しい。
・検証結果
残念ながらコロナの影響を思いきり受けてしまった今回の検証だが、結論として、私に子供が産まれると重度のジュニアLOVE人間になることが分かった。といっても、もちろんこれで終わるワケではない。検証はこの先もずっとずっと続いていくだろう。私は、今からそれが楽しみでならない。
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:LINE(iOS)