葛飾北斎「冨嶽三十六景」が描かれた新パスポートが美しすぎる、という記事を過去に出したが、浮世絵は日本が誇るグラフィックアートだ。現実にはありえない大胆な構図や、マンガにも通じる動きの表現、現代人もびっくりの色彩感覚。
冨嶽三十六景は、各地から見た “いろんな富士山” を浮世絵にしたシリーズ。そして富士山のお膝元といえば静岡だ。
静岡県静岡市のお土産に、まるでチロルチョコみたいな四角いようかんを発見。手のひらサイズのミニミニようかんに、冨嶽三十六景がデザインされている。芸術的な逸品にちょっと感動したのでご紹介。
・望月茶飴本舗「富士山ようかん」(参考価格:8個入り税込1339円)
ようかんは4cm×4cmほどのミニサイズ。手のひらにちょこんと載る大きさだ。味は全8種で、パッケージも同じく全8種ということになる。それぞれ冨嶽三十六景から切り取ったワンシーンがプリントされている。
ただでさえ緻密な浮世絵が、小さい中にぎゅっと縮小印刷されているので余計に細かい! これはお土産に買った外国人は嬉しいんじゃないだろうか。全部の味は手元にないのだけれど、一部をお見せしたい。
駿河湾の粗塩を練り込んだという「塩ようかん」。図柄は『甲州石班沢』で、塩だけに海をイメージしたのかもしれない。なお、すべての商品は「富士山地下深層水」を使用し、直火釜炊きしているそう。
伊豆のさくら葉を練り込んだ「桜ようかん」。図柄は春の桜が描かれた『東海道品川御殿山ノ不二』。品川御殿山は花見の名所だったのだそう。
「栗ようかん」は『尾州不二見原』。これは一見すると富士山がどこにもないように思うのだけれど、樽の向こうの遠景に小さく見えている。丸い樽が額縁のようになっているのが印象的。
モカブレンド珈琲を練り込んだ「珈琲ようかん」は『東都浅草本願寺』だ。浅草だけにモダンなイメージ?
国産黒ごまを練り込んだという「黒胡麻ようかん」。図柄はパッケージには『相州梅沢庄』とあったのだけれど、これはたぶんミスプリント。正しくは『東海道程ヶ谷』だと思う。
食べてみよう。外側のパッケージを外すと、よくある内袋が現れる。筆者が旅人だったら、外した包装紙を旅ノートに貼ること確定だ。
うん、もっちりした食感に、濃厚な味わいで美味しい。
・贈答用にもどうぞ
商品はこのほかに「大納言」「茶ようかん」「和紅茶」があって全8種類となる。味のバラエティは豊富だ。たくさん並べると、絵柄がこちゃこちゃとカラフルで楽しい。15個入り、30個入りなどいろいろな詰め合わせがある模様。
なお、製造の望月茶飴本舗は、静岡で創業90余年の老舗だという。地域に根ざした和菓子店で、久能山東照宮などに出店しているそう。商品はAmazon、楽天市場のほか、地元・城南静岡高等学校が運営する通販サイト「まなびや」でも取り扱っている。お土産として現地で求めるのはもちろん、贈答用にもどうぞ!