お茶づけ海苔と言えば永谷園。手軽に作れてサラサラーッと流し込める味は、食欲が減退するこの時期の強い味方である。私(中澤)は、そんな永谷園のお茶づけが大好きなのだが、ある日、ディスカウントスーパー・オーケーストアでお茶づけ海苔を買おうとしたところ「たらこ茶づけ」なるものを発見した。
何コレ初めて見たぞ!? 梅好きの私は、これまで梅干茶づけ信者だったのだが、まだ見ぬ永谷園のお茶づけがあるかもしれない。そうと分かればこうしちゃいられない! レギュラーシリーズ全部揃えて永谷園お茶づけ-1グランプリ開催や!!
・全5種類
まず、永谷園のサイトの商品情報を確認してみると、レギュラーシリーズには「さけ」「梅干」「たらこ」「わさび」そして「お茶づけ海苔」の5種類が掲載されていた。
見たことのない味は たらこ だけだったのだが、考えたら わさび は食べたことがないし、さけ やただのお茶づけ海苔も大分長いこと食べていない気がする。大人の舌になった今、改めて同じリングで殴り合ったらどれが勝つのだろうか? 想像もつかない。
・初めてコスパ目線で向き合う
幸いにして、全てオーケーストアに売っていたため全種を購入した。まずは、皿に中身を出して乾燥した状態を確認してみると、さけ茶づけの具の大きさが目立つ。
ゴロゴロした鮭が食べごたえがありそうだ。子供の頃、家にはさけ茶づけが常備されていたが、こういったコスパ目線で見たことがないため新鮮に感じる。こんなに身が大きかったのか。
ところで、あなたはお茶づけ海苔を使う時、ご飯に何をかけるだろうか。私はお茶を上からふりかける。しかも麦茶だ。冷え冷えの香ばしい風味とお茶づけ海苔のハーモニーが、この時期に最高なのである。しかし、今回はお茶づけ海苔単体の味をより知るためお湯で行いたい。
・ただのお茶づけ海苔
まずは、基本中の基本お茶づけ海苔の味を確認してみた。渋みのある味に緑茶っぽさを感じる。しかし、ただの緑茶ではなく、旨みが抜群なのが永谷園のお茶づけ海苔の良いところ。
そこに豊かな海苔の風味が花を添える。特徴としては、唯一、あられが棒状になっていることか。そのため、ただのお茶づけ海苔とは言え食べごたえは十分である。
・さけ茶づけ
基本的には、この味にそれぞれの特性が加算されていくはずだ。続いてさけ茶づけを食べてみると、鮭の肉感が感じられる。とは言え、具が主張しすぎていなくて味が溶け合っている印象だ。さすが定番。
・梅干茶づけ
それに比べ、梅干茶づけは梅干の味が勝ちすぎている気もする。お茶づけ海苔自体の味が梅干しに乗っ取られている感じがするのだ。
まあ、梅干しなので余裕でご飯にマッチするし、前述の通り個人的には好きな味なのだが、お茶づけ海苔として見た時にバランスが良いのはさけ茶づけかもしれない。
・異端児たらこ
と、食べ比べだからこそ分かる細かな違いに感動していたのだが、次に食べたたらこ茶づけは明らかに異質だった。なんとたらこ茶づけは……
醤油味。
そう、永谷園のお茶づけにお馴染みのあの緑の粉が入っていないのである。そのため、味的にもレギュラーシリーズの他のものとは一線を画す内容だった。たらこの風味がしっかりしつつも、口に広がるつゆはまろやかさがある。まるで、たらこで出汁茶漬けを作ったような味は永谷園の異端児と言えるだろう。
しかしながら、これはこれで多いにアリだ。出汁茶漬けを食べたいが、お茶づけのために出汁を作るのが面倒くさい時とか便利だと思う。
・とんでもないヤツがいた
それにしても、さすが永谷園。どの味もよくまとまっている。68年の歴史を感じるぜ。今回初めて全種類を食べるわけだが、私の中には早くも信頼のようなものが築かれつつあった。永谷園に間違いなし。
──だが、そんな信頼は、砂で作った城のようなものだったことを、わさび茶づけを食べた時に思い知る。
辛ッッッッ!!!
え? 辛ッ!! 舌に突き刺さる辛み。何コレ? ハリセンボン味? その辛みは、ちょっとつゆをすすっただけで鼻がツーンとして目にくるほどの強烈さ。
塗り絵で言うならクレヨンで力一杯塗り尽くしたレベルでお茶づけ海苔の味をわさびが塗りつぶしている。私はわさびが好きで、練りわさびだけでお茶づけをしたりもするが正直これはやりすぎだ。
・攻めまくっている
っていうか、市販のチューブ練りわさびをそのまま食べてもこんなに辛くない気がする。さすが本わさび使用……言うとる場合か! 子供が食べたら多分泣くからコレ!! 一体どうしたと言うんだ永谷園。わさびだけブレーキ壊れちゃってるぞ。
しかし、裏を返せばこれは攻めまくっていると言える。チキンレースだったら壁ぶち破ってるレベル。なぜ、わさび味だけこんなにとんがっているのかは謎だが購入の際は注意してくれ。
・総括
というわけで、それぞれに個性が光りまくった「永谷園お茶づけ-1グランプリ」。誠に激闘だったと言えるだろう。それだけにどれが1番かは迷うところだが、個人的に優勝を決めるなら……
ただの「お茶づけ海苔」だ。
決め手は、全て食べた後、純粋にもう1度食べたいと思ったのがコレだったから。食べ比べると分かるのだが、味つけと海苔の風味やアラレのバランスがとても良いのである。その雑味のないシンプルさは飽きない味となっている。
ただし、これはお茶づけとしての完成度の話で、他のお茶づけ海苔も味が劣るという意味ではないことを追記しておきたい。それこそ、私は全て食べた今でも梅干茶づけを買うだろうし。
何より、手軽に作れて、暑くともサラサラーッと食べられるのがお茶づけ海苔の良いところ。まだまだ暑い日は続くと思われるので、何も食べる気がしない時は、あなたも「永谷園お茶づけ-1グランプリ」を開催し、自分の優勝茶づけを見つけてみてはいかがだろうか。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.