理想の睡眠時間は7~8時間と言われることが多いが、もしもあなたが身体のどこかに痛みを感じているのならば、たとえ8時間寝ても十分ではないらしい。最新の研究によると、身体的痛みを和らげるには8時間睡眠よりも10時間睡眠のほうが適しているという。しかも、その効果は鎮痛剤を服用するよりも大きなものだというのだ。
米ミシガン州ヘンリー・フォード病院のティモシー・ローズ医師が、健康的な18人の男女を対象に実験を行った。被験者たちには、8時間もしくは10時間睡眠のどちらかを4日間繰り返してもらう。
その後、日中の眠気や集中力を調べるため、彼らの脳波や目の動き、筋肉の緊張状態などを測定した。また、熱いものにどれだけ触っていられるか挑戦してもらい、痛覚の敏感度も調べた。
結果、10時間睡眠をとった被験者たちは8時間睡眠の人たちよりも日中の集中力が高いことが判明。さらに、彼らが熱いものに触っていられる時間は、8時間睡眠の被験者たちよりも25パーセント長かった。
ローズ医師は、「通常理想とされる8時間睡眠よりもあと2時間多く寝ることで日中の眠気と痛みの感じ方に大きな違いが表れることがわかりました。10時間眠るだけで痛覚の敏感度が緩和され痛みを感じにくくなるというだけでも驚きですが、さらにその効果は鎮痛剤による影響よりも大きいことがわかったのです」と語っている。
また、「人は疲れているときほど身体の痛みをより強く感じるものですが、これは睡眠時間が足りていないことが原因のひとつだと考えられます」とのこと。
とはいえ、そもそも8時間睡眠だってとれないほど忙しいのに10時間なんて寝ていられるかっ! という方も少なくないと思われる。そんなに長時間寝続けられないという人もいるかもしれない。実践するのはなかなか難しい結果ではあるが、特に鎮痛剤に頼りたくないという人は、もしものときのために覚えておいても損はないだろう。
参照元:Mail Online(英文)
photo: flickr quinn.anya
●関連記事
- 週末にまとめて寝ても平日にとれなかった睡眠を取り戻すことはできない / 専門家「むしろ月曜が辛くなるだけ」
- コーヒー好きに朗報! 「朝一杯のコーヒーが肩コリなどの身体的痛みを和らげてくれる」研究で明らかに
- 試験前夜の詰め込み派は要注意! 睡眠時間を削って勉強すると試験の成績は下がるらしい
- パパママ必見! 「我が子の睡眠と健康のためには子ども部屋に電子機器を置くべきではない」専門家が警告
- 他人が身体を掻いているのを見るだけで「かゆみ」は伝染する / 神経質でマイナス思考の人ほどうつりやすい
オリジナル記事: 8時間睡眠ではダメ! 「身体的痛みの回復には10時間睡眠がベスト」だと判明 / 鎮痛剤より効果大
Copyright© ロケットニュース24 / ソシオコーポレーション. All rights reserved.