嘴を失い安楽死決定のワシを救え! 専門家らが3Dプリンタで嘴を作成、自分でエサが食べられるまで回復する

嘴を失い安楽死決定のワシを救え! 専門家らが3Dプリンタで嘴を作成、自分でエサが食べられるまで回復する

アメリカで一羽のハクトウワシが密猟者の襲撃に遭った。命は取り留めたものの上嘴のほぼ全てを失ってしまったそうだ。保護されたものの自分でエサを食べることができず、安楽死が決まっていたそうだ。

「そんなことは許さない!」安楽死を阻止するために専門家らが立ち上がった。彼らは3Dプリンタで嘴を作り負傷したハクトウワシに移植。ハクトウワシはなんと自分でエサが食べられるまで回復したのである。

密猟者に撃たれ、嘴が破壊されてしまったハクトウワシの「ビューティ」。自分でエサを食べることができず餓死寸前だったところ動物の救護隊に発見されたそうだ。ボランティア組織Birds of Prey Northwestに保護され、一命はとりとめたものの嘴がない限りエサは食べられない。栄養はチューブや人の手で得るしかなかった。

一度破損した嘴は二度と元には戻らない。ビューティは二度と自然界で一人で生きることができなくなったのである。安楽死の準備が進められたそうだ。

そんななか猛禽類の専門家Jane Fink Cantwell氏はビューティの安楽死に反対。彼女はエンジニアのNate Calvin氏の研究チームと合流。さらに歯科医師らも加わってビューティーのための嘴作りが始まったのだ。

Calvin氏は3Dモデリングソフトで嘴をデザインし、3Dプリンタで打ち出した。そして取り付け手術の末、ビューティは自分でエサを食べられるようになっただけでなく、新しい嘴で毛づくろいまでしてみせた。 

ビューティは新しい嘴で自然界で生き抜いていける保証はない。やはりまだCantwell氏の世話が必要だ。だが、チューブでしか栄養がとれなかった頃と比べるとビューティの生活はより自立したものになったと言える。ビューティの症例は動物の整形手術の基礎になるだろう。しかし、一番の願いは人間の手で命が奪われる動物が減ることなのではないだろうか。

参照元:Grist(英語)

追記:タイトル及び本文の内容に誤りがあるとご指摘頂き、「ハゲタカ」を「ハクトウワシ」と修正いたしました。深くお詫び申し上げます。(9月18日11時00分)


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