「ロックンロール」が口癖のその男、内田裕也氏(72歳)はこの日、ステージ上にアディダスのジャージで姿をあらわした。上着を羽織ってバンダナを首に巻いているとはいえ、ジャージはジャージ。なのに、なぜ尋常ではないほどの存在感をかもしているのだろう。そんな内田裕也氏のロックンロールな画像をご紹介したい。
2012年9月22日、青森県の夜越山スキー場で「青森ロックフェスティバル – 夏の魔物 -」が開催された。このイベントは新旧織り交ぜたアーティストが出演する音楽イベントだ。いや音楽イベントのはずが、プロレスありトークショーありコスプレ撮影会あり、とにかく何でもありの異色なイベント。他のロックフェスとは一線を画し、「ごちゃまぜ」というに相応しいお祭りなのである。
出演者や音楽媒体に定評があり、マニアックなファンが集まるイベントとしても知られているようだ。計70組を越す出演者のなかで、もっとも注目を集めたのが、内田裕也氏ではなかっただろうか。音楽プロデューサーや俳優として活躍しているのを、ご存知の人も多いかもしれない。しかしロックンローラーとしての活動を目の当たりにしている人は少なかったからだ。
69の歳に音楽活動を再開したとはいえ、ステージに立つ姿を見た人は、あまりいない。特に若いイベント来場者であれば、なおさらのこと。メインステージ(ストロングステージ)での出演を待つ間、来場者はさまざまな思いを頭にめぐらせていたはずである。
そしていよいよ、主催者の成田大致氏の呼び声と共に、「内田裕也&トルーマン・カポーティ R&RBAND」ステージに。入場の楽曲はなんとモーニング娘。の「LOVEマシーン」だった。さらに彼はジャージ姿ではないか。しかしながら、静かにステージに立った内田氏からは、オーラとも呼べるただならぬ存在感が漂っている。
もう、立っているだけで十分なパフォーマンスではなかろうか。そして歌い始めると、72歳とは思えないほど通る声。その場の空気は一瞬にして、内田氏の歌声に包まれ、時に来場者は水を打ったように静まり返って、ステージを見入っていた。記者(私)がもっとも印象的だったのは、即興で歌われた『ホタテのロックンロール』である。
この曲は、フジテレビの人気番組『オレたちひょうきん族』で、故安岡力也氏が出演していたときのテーマソングだった。作詞を務めたのは内田氏である。その歌詞をもじって「言いたいこと言うぜ やりたいことやるぜ これが力也の これが力也の 力也のロックンロール」と歌ったのだ。安岡氏の葬儀のときに披露した歌詞を、青森でも聞かせてくれた。
それにしても、ジャージを着ているとは思えないほど、ジャージがよく似合っている。それはまるで、「ロックは形を選ばない」とでも言いたげな雰囲気。いやもしかしたら、内田氏がまとっているものがすでにロックであって、着るものでは覆い隠せないほど、ロックがにじみ出ているからなのかもしれない。
レポート:フードクイーン・佐藤
取材協力:青森ロックフェスティバル
Photo:Rocketnews24
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オリジナル記事: ジャージなのに存在感が尋常ではない「内田裕也」ロックンロール画像集
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