IKEAがサウジアラビア版カタログから全ての女性を消し、大論争を呼んでいた

IKEAがサウジアラビア版カタログから全ての女性を消し、大論争を呼んでいた

スウェーデンの大手家具製造・販売会社のIKEA(イケア)。世界中に出店し、おしゃれなデザインの北欧家具が人気である。そのIKEAが出したあるカタログが問題となり、本社が正式な謝罪を行う騒動となっている。

物議を醸しているのは同社のサウジアラビア版商品カタログだ。家族が集うリビング風景、照明家具の紹介ページ……他の国で出ているカタログと変わらないラインナップだが、何か違和感を感じる――アレッ? 女性が一人もいないぞ!

このカタログからは、成人女性と、ほとんどの女児が消し去られているのだ。すべてのページから女性が忽然と姿を消した異様な誌面、なぜIKEAはこのようなものを作成したのだろうか。

サウジアラビアでは女性に関する戒律が非常に厳しい。女性は原則「ニカーブ」「ブルカ」と呼ばれる布に全身を包み、男性に肌を見せてはならない。未婚の女性は家族以外の男性と同じ空間にいることさえ許されず、結婚相手も親が決め、結婚当日まで顔さえ見られないのが普通だ。

これまでIKEAのカタログ写真は全世界共通だったが、そんなサウジアラビアの「お国柄」に合わせ、同社は女性や女児をデジタル加工で丁寧に消去し、サウジアラビア版の「女性抜き」カタログとホームページを作成したのである。すると世界中から「女性差別だ」との非難の声が上がったのだ。

これを受けIKEAは、「家族の集いを心地よいものにするというのが当社の理念です。女性の姿を消すのがそれに反する行為であることを、認識するべきでした」と述べ、謝罪の意を表明した。

またスウェーデンの貿易担当大臣ビョーリング氏は、「女性が公共の場に出られないままでは、国の知的財産の半分が埋もれたまま終わる」と、サウジアラビアの現状懸念を示している。

ネット上では「あるまじき性差別」と憤る声が上がり、サウジ女性の社会的地位の低さや一夫多妻制などを取り上げて「国際社会が彼女たちの人権を守るべき」との発言が出るなど、人権論争への発展も見せている。一方で「人の国の文化や宗教なんだから、ほっとけよ」という意見も多く、この問題はまだまだ論争を呼びそうな気配である。

参照元:DailyMail(英文)、YouTube TheYoungTurks


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