若者の生き血は若返りの妙薬だった!? 若い血を体内に取り入れると老化防止作用があるという研究結果

若者の生き血は若返りの妙薬だった!? 若い血を体内に取り入れると老化防止作用があるという研究結果

人類の若さへの憧れは尽きるところを知らない。吸血鬼のモデルとなったハンガリーのバートリ・エルジェーベト(エリーザベト・バートリ)は、その美貌のために多くの乙女を殺し、その生き血を浴びていたと言われている。

他人の血で若さを取り戻すなど非科学的な話だと思われていたが……どうやら本当だったようだ。最近の研究によると、若い血を体内に取り入れると若返り作用があることがわかったというのである。

この研究を行っているのは、スタンフォード大学のSaul Villeda氏だ。すると老いたラットは記憶力や学習力が大幅に向上、大脳の若返りが見られたというのだ。

Villeda氏は実験で、老いたラットと若いラットの間に血液循環システムを構築。つまり、老いたラットの体には若いラットの血が混入し、若いラットには老いたラットの血が混入するということだ。この状態で数日間観察をしたところ、老いたラットの大脳の幹細胞数に増加が見られた。そして衰えると記憶や学習能力の低下につながるという細胞間の情報伝達は20パーセントも増加していたそうだ。

さらに実験では、生後2カ月のラットから5パーセントの血漿を抽出し、生後18カ月のラットに1カ月間に8回注入した。すると、18カ月のラットは生後4~6カ月のラットと同水準のパフォーマンスを見せたのである。つまり1年以上も若返えらせたのだ

これらの結果から、脳の老化の鍵は血漿の中にある物質が握っていると考えられるとのことだ。その物質は老化とともに減少するが、老いた個体でもその物質を補うことができれば老化を食い止める、さらに若返りさえも可能であるというのである。
Villeda氏はこの技術が人間に応用できれば、脳の老化防止、特に老年性痴呆症などの抑制につながるとしている。

しかし、この血液や血漿を注入するという方法には疑問の声も多い。イギリスの神経生理学の専門家であるAndrew Randall氏は、「研究結果は一見非常に魅力的だが、輸血という方法はあまりにも暴力的。小さな子どもに自分の祖父や祖母の若返りのために輸血をさせようというのか?」と批判的だ。

確かに、大人の若返りのために子どもから血を抜くというのは、あまりにも残虐で非現実的だ。まずは老化防止効果がある物質を特定し、輸血以外での物質の減少の抑制、もしくは増加させるようなアプローチの方が現実的なのかもしれない。

参照元: THE GuardianGizmodo(英語)
photo: flickr Jo Naylor


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