あの「黒板を爪でギィ〜ってやる音」を不快に感じる理由が科学的に解明される

あの「黒板を爪でギィ〜ってやる音」を不快に感じる理由が科学的に解明される

想像するだけで「ひぃっ」と背筋が寒くなる、あの黒板を爪で引っ掻く音。あれ、なんであんなに嫌なんでしょう? 他にもフォークでお皿を引っ掻く音や発泡スチロールがこすれる音、マーカー・ペンの立てるキュッキュッという音が大の苦手なんて人もいます。

ああいう音を不快に感じるわけを研究している方々は、世界中にけっこういるみたいです。研究するってことはあれを何回も……と考えただけでまた「ひぃっ」てなっちゃいますが、今回発表された研究結果が興味深い内容なのでご紹介します!

今までの研究から、「黒板を爪で引っ掻くなどの不快な音は、鋭い叫び声や赤ちゃんの泣き声などと同じ、人間が最も敏感に反応する特定の高い周波数域」ということは分かっていました。でも気になるのは「いったいなぜ不快なの?」ということ。

そこで英ニューキャッスル大学の神経科学研究チームは、音と脳の関係を観察するためにある実験を行いました。被験者にあらかじめ用意した様々な音を聞かせて、不快と思う順にランクをつけてもらい、その間に彼らの脳をスキャンするという実験です。

まず気になるその順位は以下のとおり。
 
1位 瓶をナイフで引っ掻く音
2位 コップをフォークで引っ掻く音
3位 黒板にチョークで書く音
4位 瓶を定規で引っ掻く音
5位 黒板を爪で引っ掻く音
 
お国の違いか、ちょっと分かりにくいものも含まれますが、とにかく金属やガラスがこすれるような音が不快と感じることは同じようです。「黒板に爪」はやはり万国共通!

そして脳をスキャンして分かったのが、「不快と感じていればいるほど、扁桃体と呼ばれる脳の特定の器官が強く反応している」という事実。このアーモンド形の小さな大脳周縁系器官は、人間の情動反応や記憶の処理に関わっている部分なのだとか。

つまりこれらの音を不快と感じるのは、「扁桃体が発する危険信号であり、人間の生存本能に関わっているのではないか」と研究者たちは見ています。まだ推論の域を出ないようですが、今後さらなる研究立を進めるということです。

日常のどうでもよさそうな問題から出発して、人間の脳や生存本能の解明につながっていくなんて、なんだかとっても面白い!

寄稿:Pouch
参照元:dailymail.co.uk(英文)


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