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東京・中野の坊主バーに行ったらマスターが本物のお坊さんで笑った / マスターの包容力がハンパなくてちょっと泣いた
みなさんは「VOW’S BAR(ボウズバー)」と呼ばれるバーご存知だろうか。ボウズというのはお坊さんの坊主。つまりお坊さんがいるバーのことである。そんなバーが東京・中野にある。
それにしても「仏教×BAR」コンセプトとは、なんか怪しい。ビルを見ると……どう見ても昭和! 年代モノであるせいか妙なオーラを放っていてなんとなく怪しいッ。うーん、しかし物は試し。実際に入ってみたぞ。
■マスターが本物のお坊さんだった
店の中に入るとカウンターの中にいたのは坊主頭に作務衣姿の男性。こちらがマスターで浄土真宗大谷派の僧侶・釈源光(しゃく げんこう)さんだ。
坊主バーの発祥は大阪平野にある瑞興寺である。マスターのお話によると昔のコミュニティの中心であり、誰でも気軽に仏教の教えと触れ合うことができた。しかし、現在では仏教に用事があると言えば葬式くらいで、庶民との間に距離ができてしまったのだという。
そこで誰でも気軽に門を叩ける場所として「バー」という形をとったそうだ。いわば現代の「寺」である。実際に「駆け込み寺」として悩みを相談にくる人も多いという。瑞興寺系の坊主バーだけでも大阪・京都・東京に数店舗展開。他宗派もあわせると全国で20店舗ほどあるそうだ。
■マスターの包容力がハンパない
記者(私)も葬式以外でお坊さんと接したことがなく、少し緊張してしまったのだが、マスターはとても気さくな人だった。聞けば、マスターも元々は普通のサラリーマン。バブル崩壊と阪神大震災のあおりを受けリストラに遭い、それが契機となり仏門に入ったそうだ。いわゆる “世俗” の経験も豊富であるせいか、マスターの話は話し方も内容もとても身近に感じられる。
そんなマスターに、記者(私)はついつい悩みを全力で相談してしまった。マスターは話を聞いた上で、いくつか例をあげて笑顔で「諸行無常です。“こうでなければならない”という考えにとらわれているから悩むんですよ」と話してくれた。
「ふおおおお」と心の荷が下りた思いだ。初対面にもかかわらず相談者に与える安心感がハンパない。ほんまマスターの包容力は天井知らずやで!
■オリジナルカクテルが面白い
中野坊主バーには「極楽浄土」「色即是空」「涅槃寂静」サンスクリット語で阿弥陀仏の意味「アミターバ」など、仏教用語のオリジナルカクテルがズラリ。
その有難いネーミングのなかで異色のオーラをはなつのは「空即是色」と「エロ坊主」だ。ちなみに女子に人気なのはこのエロ坊主である。メロン・リキュール、ココナッツ・クリーム・リキュールの甘さが際立つエロ坊主は確かに女子が好みそうな味、またネタとしても最強だ。
また、坊主バーでは不定期でイベントも行っている。もちろん仏教系の講座などもあるのだが、仏教以外のイベントも盛んだ。たとえば寄席や読書会、「坊主シアター」と銘打った映画上映会などだ。気さくなマスター、オリジナルカクテル、積極的なイベントと、この「現代の寺」はかなり敷居が低いのではないだろうか。
堅苦しさがなく居心地が良い。建物としての寺は大きく荘厳で、これほどほどアットホームという言葉は似合わない。だが、坊主バーは「アットホーム」という言葉が最も似合うバーであり「寺」である。
・今回ご紹介したお店のデータ
店名 中野・坊主バー~カオスモース・ヴァージョン~
住所 東京都中野区中野5丁目55-6 ワールド会館2F
時間 19:00~2:30(月~土)、18:00~23:30(日・祝)
photo:Rocketnews24.
参考リンク:中野・坊主バー
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オリジナル記事: 東京・中野の坊主バーに行ったらマスターが本物のお坊さんで笑った / マスターの包容力がハンパなくてちょっと泣いた
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