英国で、難病におかされたある女性のドキュメンタリー番組が放映された。病に屈しないその生き方、明るさが多くの人に感銘を与えている。
ファッション雑誌の撮影機材に囲まれて微笑む美女、ルイーズ・ウェダーバーンさん。その表情からは、不治の病と闘っている事実をうかがい知ることはできない。しかし彼女は、身体中の関節が固まり、やがて立ち姿のまま動けなくなるという難病を抱えているのだ。
ルイーズさんの病気は、進行性骨化性線維異形成症(FOP)という遺伝子疾患。発症率は200万人に1人と言われる難病である。筋肉や腱、靭帯が骨のように硬化し、関節が動かなくなり、最終的には歩行や食事、呼吸も自力でできなくなる。患者の平均寿命は41歳、現在の医学では治療が不可能とされている。
ルイーズさんは3歳の時にFOPと診断され、19歳になった現在、背骨は固まり、肘や手首の関節も曲がってしまっている。そんなルイーズさんが夢中になっているものは「おしゃれ」だ。
幼い頃から服が大好きだったルイーズさん。流行のファッションは常にチェックし、買った服のアレンジや組み合わせ法を考え抜くなど研究に余念がない。「様々なトレンドを取り入れて自分の体型に合った服を考えるのは楽しいし、きれいな服を着ていると幸せ。将来は、コーディネート術やメイク術などファッション関係の在宅ネットビジネスをしたいと思います」と語る。
そんな彼女が最近、職業体験プログラムでファッションモデルを経験し、服飾業界に携わりたいという夢を叶えた。その様子を追ったドキュメンタリー番組が大きな反響を呼んでいる。
ファッションショー『ロンドン・ファッション・ウィーク』、雑誌『ELLE』でモデルを体験したルイーズさんは、「私の病気は珍しく、人に会う度に説明して理解を得なければいけません。活動を通して、FOPという病気を多くの人に知ってもらいたいと思います」と述べている。
「家族は私に、病気だからあれはだめ、これは出来ないなどと言わず、やりたいことを応援してくれます。私を見てさまざまなリアクションを取る人がいますが、気にして外出できないなんてまっぴら。私は病気なんかで自分のやりたいことを諦めません」
研究者らによると、3~5年以内にFOPの進行を止める薬が実用化される可能性があるというが、ルイーズさんは「本当だったら素晴らしいけれど、可能性はあくまで可能性だから、過度な期待はしてないわ」と言う。「死ぬことは別に怖くありません。そうなったらなったで仕方ないし、それを今から怖れる必要はないと思っています」
ドキュメンタリー番組『The Human Mannequin(人間マネキン)』が放映されると、病に負けず、自分の夢を諦めないルイーズさんの姿勢が大きな反響を呼んだ。ネット上でも「できないと決めつけて夢を諦めた自分が恥ずかしい」「自信を持って夢に向かう姿が美しい」などの声が上がっている。
治療薬の開発が進むことを祈りつつ、ルイーズさんの今後の活躍を応援したい。
参照元:DailyMail,ルイーズさんのブログ(英文)、YouTube channel4
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