1939年から1945年にかけて文字通り世界中で戦闘があった第二次世界大戦。世界各国で多くの兵士や市民が犠牲となり、日本も多くの戦死者を出した。末期には多くの若者が戦死していった。そのなかで特に知られているのが戦死前提の攻撃を行う「特別攻撃隊」。略して特攻隊である。
特攻隊というと飛行機で突撃をするようなイメージがあるが、他にも戦車での突撃などの攻撃方法があった。そのなかでも特に悲壮だといわれているのが、特攻潜水服『伏龍』だ。
『伏龍』は着用後して水中に潜伏、敵の上陸用舟艇が頭上を通過する際に、水中から竹やり爆弾で突いて攻撃する特攻兵器だ。終戦により実際に運用こそされなかったものの、訓練中だけでも少なくとも10人以上の死者も出すなど、兵器としてはあまりにお粗末すぎる代物だった。
なぜ『伏龍』は「お粗末」とまで言われる代物だったのだろうか!? その理由としては、現在確認できるものだけでも以下のような欠陥があったためだとされている。
<伏龍のヤバすぎる欠陥>
・上にいる船を攻撃しなければならないのに潜水兜についているガラス窓は足下しか見えない
・潜水服の重量だけで68kgもありメチャメチャ重い
・陸上の隊員と通信するのが不可能で、海底に敷かれた縄をつたってしか移動する手段が無い
・呼気に含まれている二酸化炭素を苛性ソーダを使った吸収缶で除去し酸素を再利用する形の酸素供給機が使用されていたが、3~4回呼吸すると炭酸ガス中毒で失神した
・吸収缶が破れやすく、破れて海水が缶に流れ込むと吸収缶に入っている水酸化ナトリウムと海水が激しく反応し沸騰した強アルカリが潜水兜に充満し死亡(これで訓練中に10人殉職)
・竹やりに付いた機雷をを船底に直撃させないと沈没させられないが、海流が激しすぎて狙うのが不可能
・しかもたまたま自分の上を船が通過しないと槍を当てられないので、完全に運任せ
・万が一当たって船を沈没させても周りの隊員の機雷が誘爆し全滅
・そもそも準備砲撃の衝撃で潜伏中の隊員が死亡する可能性あり
ちなみに『伏龍』は実戦に投入されることなく終戦を迎えたのだが、これが実際に運用されていたらより多くの死者が出たことが予想される。戦争末期における日本の焦りが目に見える、まさに破れかぶれの作戦だったのだろう。
参考リンク:伏龍特別攻撃隊
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オリジナル記事: 第二次世界大戦の日本の特攻潜水服『伏龍』がヤバイ! 潜る→呼吸する→炭酸ガス中毒→訓練中に死亡
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