【次世代のからあげ】1袋125kcalの健康食「罪なきからあげ」を食べてみたら、摩訶不思議な味がした

筆者を含む全国津々浦々のからあげ愛好者にとって、健康問題はかなりの関心事である。からあげをこってり山ほど食べたいが、健康も保ちたい。「からあげを食べない」という選択肢はない。たとえ天地がひっくり返ろうとも、地球が正十二面体になろうともありえない。

しかし、そんな脂ぎったわがままマインドに適した「健康に優しいからあげ」など、どこを探しても見つけるのは相当に困難なはず……だったのだが、見つけた。コンビニにあった。

詳しく説明すると、筆者が発見したのは湖池屋から販売されている「罪なきからあげ」という商品だ。ポテトチップスで有名な、あの湖池屋である。

本商品はもともと2019年9月に一部店舗で限定発売されていたのだが、2020年6月8日より全国のコンビニなどで売られるようになり、今回目に留まった次第だ。

最大の特徴は、1袋26gあたり125kcalまでカロリーが抑えられている点。そしてそんな驚くべきヘルシーさの秘訣は、このからあげが大豆たんぱく質で作られていることにある。

パッケージの記述によれば、大豆たんぱく質製でありながら「からあげのような味わいと、サクサクでジューシーな食感」が楽しめるという。加えて公式HPには、健康志向の高まりを受けた「次世代のからあげ」とも書かれている。

商品名の通り、罪悪感を抱かずにスナック感覚で食べられるものらしい。実際、見つけた時はスナック菓子の棚に並んでいた。値段はオープン価格とのことだが、近場のコンビニでは170円ほどとお手頃だった。

低カロリーでヘルシー、かつ美味しいからあげ。もし本当にメーカー側が謳っているような商品ならば、あまりに画期的だし夢のような食べ物だ。もはやSFじみている。このからあげの存在を消すために未来から刺客が送り込まれてもおかしくない。

実物のクオリティはいかほどなのか。しかと検証するべく、実際に商品を購入し、封を開けた。途端、香ばしい香りが鼻先をくすぐる。からあげだ。からあげの匂いだ。

続いて中身を取り出したなら、からあげ愛好者にとっての永遠のトレンドカラー、こんがり揚がった茶色がお目見えした。見た目も完全にからあげだ。

が、角度を変えて見てみると、かなり厚みが薄いことが判明。一気にスナック菓子の様相が濃くなり、事態が複雑化してきた。こうなると、俄然味が気になってくる。

高まる好奇心に押されるがままに、一口かじった。これは美味しい。刺激的な味わいに、たまらず舌が喜んでいる。脳味噌が衝撃に震えている。この味を一言で表すなら……

からあげ

と、鶏皮揚げと、チキンナゲットと、せんべいを足して4で割った味

である。一言が長くなりすぎて申し訳ないが、残念ながら筆者にはこの商品をすっぱり「からあげ」と断じることはできない。

確かに口に含んだ瞬間の第一印象はからあげだ。しかし時間が経つにつれ、薄いサクサク具合と甘めの醤油ダレに鶏皮揚げを連想し、ライトな鶏肉の風味にチキンナゲットを見出し、パキッとした歯切れの良さにせんべい感を覚えるようになってくる。

自分でも「何だこの食べ物は」と思う。「からあげそのもの」という一品ではない。別物だ。とはいえ、決して受け入れがたくはない。前述したように、むしろ美味しい。刺激的で衝撃的だ。摩訶不思議な新感覚に浮かされ、ホイホイと口の中に放り込んでしまう。

大豆の味もそこまで気にならない。それどころか大豆たんぱく質製であることを忘れるくらいに何だかんだでジューシーだし、にもかかわらず良い意味でパンチが控えめで食べやすい。

スナック菓子として売り出されているのも頷ける仕上がりである一方、からあげ好きなら間違いなく気に入るクオリティにもなっている。だがあえて高望みさせてもらうなら、もう少し「本物っぽさ」があってほしかったというのも正直なところだ。 

そういうわけで結論としては、「罪なきからあげ」は夢のような食べ物とまでは行かないものの、からあげ好きには自信を持ってお勧めできるスナック菓子ということになる。僭越ではあるが、湖池屋の挑戦に惜しみない拍手を送りたい。

これからまた技術が進歩すれば、よりいっそう質の高い商品が出てくることだろう。完全なる「罪なきからあげ」への飽くなき追求に期待したい。

参照元:湖池屋公式HP
Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.



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