かつや姉妹店『東京とろろそば』の半分はきっと優しさでできている。立ち食いそば放浪記:第247回 五反田
【2020年まとめ】俺たちの「かつや」、その魂の疾走を振り返る
【考察】「かつや」が今年最後(?)の期間限定メニューに『コクうま味噌カツ』を選んだ本当のワケ
【リマインド】本日12月4日は「かつや」のお客様感謝祭! 激安だけどメニューが4品しかないから気を付けろ!! 3日間限定
かつや史上屈指の問題作『どっさりベーコンとチキンカツの合い盛り丼』に感じたチキンカツの成長、そしてベーコンの “コミュ力” について
かつや姉妹店の天丼屋「はま田」が密かに熱い! 山盛りの揚げたて天ぷらがサクふわで駅から離れていても大人気だった / 西大宮
何でも揚げるかつや。かつ丼チェーンの覇者でありながら、コーンフレークやラーメンを揚げていく攻めの姿勢は全くもって天晴だ。その背中は戦場の最前線を突っ走っていくかのようである。彼方にこそ栄えあり。
そんな征服王かつやが、密かに天丼チェーンの姉妹店を展開しているのをご存知だろうか。その名も江戸前天丼『はま田』である。現在2店舗が展開されているこの天丼チェーン。その全貌は謎に包まれている。私(中澤)は調査のために埼玉県西大宮へと飛んだ。
・私は見た
JR西大宮駅のロータリーから辺りを見渡してもそれらしい気配は感じられない。グーグルマップを頼りに北に進むと太い道路にぶつかった。川のような道路の周りに建物は少なく、久しぶりにこんなに広い空を見た気がする。だが、今だ『はま田』の影すら見えない。
……と、その時!
突然姿を現す『はま田』!!
広大なる空の下、雄大な駐車場に佇む『はま田』。空と大地と『はま田』。そんな圧巻の光景に一瞬言葉を失った。これが埼玉……。
・地元民の人気スポット
とは言え、広い駐車場は車でいっぱいだ。同じ場所に大きいカフェもあり、駅からは少し離れているが、地元民の人気スポットとなっているのかもしれない。店外メニューを見てみると、価格帯は税抜き1000円から1500円くらい。
天丼チェーンの覇者『てんや』の価格を考えると少し高めにも感じるが、その分、メニュー写真からも分かる通り非常にボリューミーだ。1500円の「江戸前天丼」なんて、天ぷらが丼からあふれ出すようではないか。
・あえての天丼
だが、私はあえて1000円の天丼を注文する。なぜなら、「もう一度来たい」と思えるかどうかは基本のレベルが高いかどうかだと思うからだ。江戸前天丼が豪華なことはメニューを見たら分かったが、写真が載っていない最安の天丼はどうなのか? 入店して注文したところ……
あふれそうなのが来た。
・味は
しかも、ナス、エビ、イカのかき揚げ、しし唐までは分かるとして、卵の天ぷらが入っているのはポイントが高い。さすが1000円。普通の天丼でも十分豪華。試しに海老天丼を食べてみたところ……
フハッ! やりおるわ!!
海老は開いて天ぷらにされており幅広なのだが、それでもふわふわの肉感を存分に感じられるくらい厚い。そんな海老が揚げたてのサクサクな衣と共に口いっぱいに広がる。卵の天ぷらも半熟で、白身がトロッとしており黄身の甘みが天つゆとご飯に混じってコク深い。ウンメ~!
さらに、地味にポイントが高いのは、天つゆが自由に使える形で席に用意されていること。お高めの天丼屋ではないことも多い、好みの味の調整がきかせられるところに、チェーン店の考え方のようなものが見え隠れする。さすがかつやの姉妹店だ。1000円でも十分満足な味と庶民が居心地の良い温度感を併せ持っていると言えるだろう。
・近所に欲しい
その証拠に、昼時には満員御礼となる『はま田』。揚げたてを提供しているため速攻で出てくるわけではないのだが、それも納得であることは、その賑わいっぷりが証明している。
なお、『はま田』は2020年10月30日現在、東京の練馬関町店と埼玉のさいたま西大宮店の2店舗のみ。ぜひ広まって近所にできて欲しい店である。
・今回紹介した店舗の情報
店名 江戸前天丼 はま田 さいたま西大宮店
住所 埼玉県さいたま市西区西大宮2-1-4
営業時間 10:30~ラストオーダー22:00
定休日 無休
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
かつや『豚すき煮肉うどんチキンカツ』はもっと王道として評価されて良い / うどんと豚と鶏のトリニティ
昨今ではどうも、妙に荒ぶった新メニューの印象が強い「かつや」。当サイトでもそれなりの頻度で「かつや」の新作を紹介しているが、基本的にはトガったコンセプトに対するツッコミ的な内容が多いと思う。
2020年10月2日から登場した『豚すき煮肉うどんチキンカツ』もまた、その情報量や欲張り感にツッコミ待ちな雰囲気を感じさせる。しかし、実際に食べてみたところ、あらゆる方面で丁度良く、そして王道的に美味いことが発覚。これだよ、こういうので良いんだよ。
・ヤバそうな雰囲気だが
情報だけ見ると、うどんと豚すきとチキンカツが入っていることによる頭の悪い欲張りセットじみた感じは……確かにある。実際に、ネットではその点ばかりが注目されているように見受けられる。しかし冷静に考えれば、すき焼き風の肉うどんにカツが入っているというのは、そう突拍子のないものではない気もする。
すき煮にうどんを入れるのは割と普通だと思うし、チキンカツだって、カツ煮というものがある。であれば、うどん入りの豚すき煮とカツ煮を混ぜたに過ぎない。味の方向性は元からどちらも似たようなもの。これは、ネタではなく普通にウマいんじゃなかろうか。
とは言え食べてみないことには何とも言えない。ちなみに丼バージョンと定食バージョンがあり、丼は税込み649円で、定食は税込み759円。どちらか迷ったが、定食にはとん汁がつくということで定食をチョイス。
・圧倒的親和性
程なくして出てきた『豚すき煮肉うどんチキンカツ』。やはりそうだ。入っている要素だけを書き並べるとイロモノ感が出るが、見た目には全く違和感がない。上に乗った白髪ネギがより親和性を増している。
試しにネギをどかしてみたところ、そこには綺麗に円を三分割するように配置された、うどん、豚、鶏が。
なんとなく、うどん、豚、チキンカツの中で最もイレギュラー感があるのはチキンカツだと思うが、煮汁がたっぷりしみ込んでいて、味的にも見た目的にも果てしなく馴染んでいる。
うどんや豚については言わずもがなだ。むしろ、この三者はもとから一緒に混ぜ合わせられてしかるべき存在だったのではないか。そんな思いすらも出てくるほどに親和性が高い。まさに三位一体。ウマさのトリニティ。
商品名では全く触れられておらず、筆者もなんとなくどかしてしまった白髪ネギも、実にいい仕事をしている。ラー油によって程よい辛さのネギが、やや甘めな煮汁がしみ込んだうどん、豚肉、チキンカツの全てをピリッと締め上げる。
・王道
そのウマさは驚きや斬新さを伴うものではなく、まるでホームに帰ってきたかのような安心感のあるものだ。『豚すき煮肉うどんチキンカツ』は、邪道を往(い)くかのように見せつつも、味はどこまでも王道だったのだ。
また、「かつや」は時折狂ったかのようなボリュームで胃袋を破壊しようとするムーヴを見せることがあり、今回も商品名はその可能性を感じさせる。しかし実際の分量は割と程よく、万人向けでいい感じに満足できるサイズとなっている。
邪道感ある組み合わせを全面的にプッシュしてヤバさを漂わせつつも、背後にあるのはストレートなウマさと安心で安全な分量。『豚すき煮肉うどんチキンカツ』は名前や雰囲気のヤバさに注目するだけではなく、その王道的な実態がもっと評価されるべきではなかろうか。普通に完成度が高く、大食漢でなくとも安心な分量だ。是非とも実際に食べてみて欲しい。
【ブチギレ】かつやの新商品『牛生姜焼きカレー』を取り巻く状況に感じた激しい怒りについて
俺たちの「かつや」が新商品を発売する──。“かつや者” にとってそれは祭りに他ならない。もはや「かつや」フェスである。なのに……まさかこんなにも激しい怒りを感じることになるとは自分でも思わなかった。私(あひるねこ)、ブチギレています。
本日2020年9月11日より期間限定で販売が始まった『牛生姜焼きカレー(税抜590円)』は、「かつや」史上初となるカツなしの商品だそうだ。「かつや」自ら “あえてカツなし” と大々的に宣伝し、多くのメディアがそれに乗っかる形で「カツなし!」「あえてカツなし!」と騒ぎ立てている。
しかし、私はこの状況については断固NOの姿勢を貫きたいと思う。あのなぁ……ふざけてんじゃねーよ。お前ら、牛生姜焼きさんの気持ち考えたことあんのかよ?
・かつやの新商品
毎度毎度、珍妙なのにしっかりウマい新商品を発表して我々を楽しませてくれる「かつや」。今回は定番メニューのカレーを “あえてカツなし” にすることで、「かつや」らしいエッジの効いた一品に仕上げることに成功している。さすがのコンセプトだ。
しかし私はこう思う。みんな、“あえてカツなし” の方に目を奪われすぎていやしないか? もう一度よく見ろ。『牛生姜焼きカレー』だぞ? 生姜焼きとカレーの組み合わせってだけでもけっこうパンチ効いてんのに、その生姜焼きは牛だぞ? 牛なんだぞ? もっとそこに触れてやれよ!
・不遇
生姜焼きと言ったら一般的には豚である。ネットで検索すると牛を使うこともあるにはあるようだが、かなり珍しいケースと言えるだろう。
にもかかわらず、メディアを含む世間の牛に対する圧倒的なまでの塩反応。みんな “あえてカツなし” ばっか。せっかくハロウィンで気合いを入れて仮装してきたのに、誰にも何も言われないので一人で帰った牛さんの気持ちを考えろと言いたい。お前らの血は何色だ?
・初体験
私自身、牛の生姜焼きは初めてなので、まずはカレーにつけず生姜焼き単体で食べてみることにした。すると……うお! 味付けはいつもの生姜焼きだけど、肉がとても甘く感じられるぞ。これはきっと牛の脂の旨みによるものだろう。生姜醤油によって、肉の味が豚以上に鮮烈に口の中に広がる。牛生姜焼き、ウマいじゃないか……!
正直これならカレーに頼らずとも、牛生姜焼きの力のみで新メニューとして戦えたんじゃないかと思うし、カレーと一緒に食べても味で負けることは決してなかったのだが、どうしてもカレーのバーター出演みたいな感じになってしまっているのが気の毒と言えば気の毒である。しかし、生姜焼きの受難はまだ続く。
散々 “あえてカツなし” と謳っておきながら、なんと「かつや」は『チキンカツのせ牛生姜焼きカレー(税抜690円)』なる別バージョンの商品もしっかり用意していたのだ。ええええええええ!? いや、もはやチキンカツが主役みたいになってるじゃねーか! “やっぱりカツあり” じゃないよ!! 牛生姜焼きの心もてあそぶやん!
・もっと牛を見ろ
発表前はきっと「今回は僕が主役だ……」とドキドキしていただろう牛生姜焼き。その気持ちを考えるたび、私は今回の『牛生姜焼きカレー』を取り巻く状況に深い怒りを感じずにはいられない。カツなし? カツあり? やかましいわ。みんな、牛生姜焼きさんの心ともっと向き合え。単体でもウマいんだぞ……!
参考リンク:かつや
Report:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.
★「かつや」関連の記事はこちら → シリーズ「かつや激闘集」
【困惑】かつやの新商品『鶏ちゃん焼き』を注文してみたらデフォルトでバグみたいな仕様になっていて笑った
お盆明けの本日2020年8月17日、俺たちの心のとんかつチェーン「かつや」が恒例の新メニューを期間限定で発売した。中にはこの休みで仕事のやり方をすべて忘却してしまった人もいるかもしれないが、とりあえず今日のところは忘却したままこの新商品を食らうがヨロシ。そう、嘆くのは明日だ。
今回新たに登場したのは、岐阜県の郷土料理「鶏ちゃん焼き」。「鶏ちゃん」と書いて「けいちゃん」と読む。この料理をもし「かつや」で食べたらどうなるのか? というのが基本コンセプトらしいのだが……実際に注文してみたところ、デフォルトでバグみたいな仕様になっていたためぜひお伝えしたい。
・かつや新商品
「かつや」のご当地メニューアレンジ企画第2弾となる本作。「鶏ちゃん焼き」初体験なのでオリジナルをそもそも知らないのだが、俺たちの「かつや」のことだ。きっと間違いないものを出してくれるに違いない。
価格は丼だと590円、定食だと690円、単品だと490円(すべて税抜)になっており、もちろんテイクアウトにも対応しているとのこと。しばし待つと、いよいよ私(あひるねこ)が注文した丼がテーブルへと運ばれる。
・さっそく異変
ほう! なんともボリューミーなルックスだ。タレとよく絡んだ鶏から揚げがゴロゴロ入っているではないか。なるほど、これが「鶏ちゃん焼き」なんだな!
ん?
え?
いや……
なんかいるんだが。
・珍入者
「鶏ちゃん焼き」の奥にひっそりと佇む怪しく茶色い影……そう、まさかのチキンカツである。「鶏ちゃん焼き」の裏でチキンカツである。鶏の裏番組が鶏! 鶏の二乗! 誰も鶏から逃・げ・ら・れ・な・い!!
まあ商品名に『鶏ちゃん焼きチキンカツ』とハッキリ書いてあるので何も間違ってはいないのだが、よくよく考えると極めて意味不明な組み合わせだ。「鶏ちゃん焼き」を頼んだらデフォでチキンカツが付いてくるとか、もはやバグではないか。これには岐阜県民もビックリ不可避。
・味は最高
そんな安定の「かつや」節に逆に安心しつつ、気を取り直して初めての「鶏ちゃん焼き」を頬張ると、驚くことにこれが激ウマ! 特に味噌・醤油・にんにくが効いた濃厚ダレがちょうどいい具合にパンチが効いており、鶏肉とベストマッチでハチャメチャに美味である。ご飯も果てしなく進むぞ! ウマウマぁぁぁぁぁあああ!!
その一方で、「鶏ちゃん焼き」と1ミリたりとも絡もうとしないチキンカツの孤高ぶりには改めて笑いを禁じ得ない。合い盛りであるにもかかわらず、たまたまそこに居合わせただけというか、お互いがお互いにあまりにも無関心なのだ。まるで現代社会のような丼である。
・クールすぎる関係性
そもそも鶏から揚げとキャベツを焼いた「鶏ちゃん焼き」の隣に、千切りキャベツを大量に引き連れて来ている時点でまともな神経の持ち主ではないだろう。サクサク衣をソースでいただけるのは純粋に嬉しいが、「鶏ちゃん焼き」とチキンカツはそれぞれ別の人生を生きていることを、我々食べ得る側も十分理解する必要があるのではないか。
圧倒的なウマさを秘めながら、足並みを揃えることを知らない2羽の鶏たち。彼らの間にぬるいケミストリーなどは存在しない。合い盛りにされてなお “個” の強さを主張し合う超実力主義。それが「かつや」の新商品『鶏ちゃん焼きチキンカツ』なのだ。何を言っているのか分からないと思うし、自分でもよく分からないが、それでも食え──。現場からは以上である。
参考リンク:かつや
Report:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.
★「かつや」関連の記事はこちら → シリーズ「かつや激闘集」
【逆にありがとう】俺たちの「かつや」、超お得な『お客様感謝祭』を開催へ! 人気メニュー4品が150円引きに / 今年もっとも優しいニュースか
最強&最狂とんかつチェーン「かつや」から来週始まる新キャンペーンについての詳細が届いたぞ。おう、今度はサンダルでも揚げんのか? 上等だ、やってやんよ……!
しかし、そんなエクストリームな予想とは裏腹に、実際のキャンペーン内容は実に平和なものだった。なんでも日頃の感謝の気持ちを込めて、6日間限定の『お客様感謝祭』を開催するというのだ。バッキャロウ! 感謝するのは、こっちの方だってんだよ……!! 逆にありがとう。
・「かつや」が感謝祭
2020年8月11日から8月16日まで開催される「かつや」の『お客様感謝祭』。対象は一部店舗を除く国内の「かつや」全店で、期間中は人気の定番メニュー4品が、通常価格のなんと150円引きで販売される。
・お得なセール
「かつや」と言えば、脱出不能の強制無限プレゼントことエンドレス100円割引券が有名だが、今回はそれを上回る150円値引き。否が応でも胸が高鳴るというものだ。さあ、それでは対象となる4品のメニューを順にご紹介しよう。まずはカツ丼(竹)!
通常価格650円(税抜)が500円(税抜)に!!
続いてロースカツ定食!
690円(税抜)が540円(税抜)に!!
おろしカツ定食!
790円(税抜)が640円(税抜)に!!
最後はカツカレー(竹)!
790円(税抜)が640円(税抜)に!!
もう一度言おう。逆にありがとうと。特にカツ丼の “竹” が500円ってのはかなりインパクト大な価格ではないか。普段は “梅” オンリーでも今回ばかりは “竹” らざるを得ないというか、これには感謝の正拳突き1日1万回もやむなしである。
ただし注意点もあって、上記4品に限っては期間中、割引券の併用はできなくなっている。また、デリバリーは割引対象外なので十分注意してくれ。
・現実なのか?
……何だろう、この「かつや」とは思えない平和なニュースは。「かつや」とは思えない優しげなニュースは。そろそろカツ丼にピザやハンバーガーをぶち込むとか言い出してもおかしくない頃合いだが……どうもおかしい。もしかしたら我々は、幻を見ているのかもしれない。
★「かつや」関連の記事はこちら → シリーズ「かつや激闘集」