アルコールが脳組織に悪影響を与えるのに対して、マリファナは脳に無害という研究結果

アルコールが脳組織に悪影響を与えるのに対して、マリファナは脳に無害という研究結果

2012年12月初旬に、ワシントン州で嗜好用のマリファナが合法となったばかりのアメリカ。今もマリファナ合法化をめぐる議論が熱く繰り広げられている。

そんな折にまたしてもマリファナ摂取に関する新しい研究結果が発表された。それは「ティーンエイジャーがアルコールを継続的に摂取すると脳組織に悪影響を受けるのに対して、マリファナの使用は脳組織に悪影響を与えない」というもの。この研究を紹介した米メディアのハフィントンポスト上でも議論が大加熱中だ。

今回の研究はカリフォルニア大学サンディエゴ校の脳科学研究者たちが行った。研究対象は16歳から20歳の92名で、半数は以前からアルコールとマリファナを使用しており、研究期間の一年半の間もアルコールとマリファナをそれぞれ継続して摂取した。もう半数の被験者は、アルコールとマリファナを全く摂取しないか、ごくわずかな量を摂取した。

研究チームが一年半の研究期間の前と後で対象者の脳をスキャンして調べたところ、週二回以上、5杯以上のアルコール飲料を飲んでいた被験者グループは、脳の白質が減少していたという。白質が減少しているというのは、記憶力、注意力、意思決定力が低下する可能性があるということらしい。

一方で、そうした白質への影響はマリファナを調査期間、週に最高で9回吸っていた被験者グループには認められなかったという。

脳の白質は青年期から20代にかけて発達する部分。意思決定力を司るこの大事な部分が悪影響を受けると負のサイクルに陥る可能性があるという。「ティーンエイジャーが脳組織に悪影響を受け、自分を管理する力を失えば、さらに多くの薬物を摂取するようになるリスクが高まるのです」と今回の研究を行った研究者は語る。

また、マリファナ摂取者にはこうした脳組織への影響が認められなかった理由に関しては、まだ具体的なことは分かっていないらしい。

かなり衝撃的な研究結果であるが、今回の結果は決定的なものではなく、更なる研究が必要と研究者自身も話している。遺伝的な要因や家庭環境、その他の薬物の使用量なども考慮して、より深い研究が必要との意見も。

しかし、アメリカではマリファナを危険とみなさない若者は増えており、今回の研究結果もそうした傾向を後押しする要因になりかねない。なお、ティーンエイジャーのマリファナ使用率は上昇中で、ミシガン大学によるある研究では、調査対象の高校3年生のうちの23パーセントが前の月にマリファナを吸ったと回答している。

高まる若者のマリファナ使用率を後押しするかのような今回の研究結果。しかし、当然ながら日本ではマリファナは法律で禁止されている。決して手を出してはいけない!

(文=佐藤 ゆき
参照元:The Huffington Post(英文)
Photo:Rocketnews24


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白血病の娘を救うため医療用マリファナを投与し続ける母と薬物の悪影響を危惧する父 / 両者の意見に賛否

白血病の娘を救うため医療用マリファナを投与し続ける母と薬物の悪影響を危惧する父 / 両者の意見に賛否

白血病を患う7歳の少女をめぐって発生した両親の意見の対立が、いま全米を巻き込む議論へと発展している。娘の苦痛を少しでも和らげるために医療用のマリファナを投与する母と、薬物の悪影響を危惧しマリファナの使用に反対する父。もしも彼らの立場だったら、あなたならどうするだろうか。

米オレゴン州に住むマイケイラ・コムストックちゃんは、2012年4月医師から白血病であると診断された。治療のため化学療法を受け始めたものの、直後から副作用で眠れない日々が続いたそうだ。苦しむ娘を心配した母エリンさんは医療用のマリファナを使用することを決意。以来、毎日マイケイラちゃんに医療用マリファナを投与し続けている。

医療用マリファナには、痛みや吐き気の緩和、食欲増進などの効能があるとされている。現在、日本では使用が認められていないが、アメリカでは州によって合法化されており、オレゴン州もそのひとつだ。

さらに、オレゴン州では、子どもへの投与に関しても小児科医による監視などは特に義務付けられていない。また、量や頻度、投与方法については親に決定権がある。しかし、専門家らのあいだでは、その安全性や特に子どもへの使用に関してはまだまだ研究が必要だという意見も多い。

マイケイラちゃんの場合、医療用マリファナを使い始めてからは、食事や睡眠をしっかりとれるようになったそうだ。エリンさんは、自身の身内が過去にガンを患った際、医療用マリファナを使用して苦痛が軽減されたということもあり、その効能を信じているとのこと。

だが、母親の考えに真っ向から反対しているのが、他でもないマイケイラちゃんの父ジェシーさんだ。彼はエリンさんとはすでに離婚しており、オレゴン州からは遠く離れたノースダコタ州に住んでいる。だが、それでも親として娘を想う気持ちに変わりはない。

「8月に娘に会いに行ったとき、彼女の様子にとても驚き困惑しました。一日中ベッドで横になりビデオゲームに熱中していたのです。まるでクスリで麻痺しているかのようでした」。

心配になったジェシーさんは、娘を専門家のもとへ連れて行き検査してもらった。結果、日常的にマリファナを使用している成人と同等量のマリファナ主成分がマイケイラちゃんの体内から検出されたのである。

その後、彼は医師や警察などにも相談した。警察はエリンさんから事情を聴き、マイケイラちゃんの医療用マリファナ使用に関する書類の検査もした。しかし警察からの報告は、「特にできることはなにもない」というものだった。

「娘の容体は末期ではありません。私は娘が白血病を克服すると信じているし、なによりもマリファナが脳の成長などに悪影響を及ぼすことを危惧しています。私自身は、大人が医療用マリファナを使用することには反対しません。しかし、娘はまだ7歳です。将来的な薬物依存なども心配です」と、ジェシーさんは語っている。

彼らの話はマスコミにも取り上げられ、人々から様々な反応が寄せられている。母エリンさんの考えに賛成する人たちからは、

「化学療法にも他の薬にも副作用がある。白血病に苦しむ少女を苦痛から救うことができるのなら医療用マリファナを使用して何が問題なのか」
「この父親は娘がマリファナを使用するよりも、痛みに苦しんで食事も睡眠も満足にとれないほうがいいってこと?」
「その効果が認められているから医療目的として合法になっている。彼女の判断は母親として当然だと思う」

……などの意見がある。一方、父ジェシーさんの考えを支持する人々からは、

「7歳の子どもにとってこれがベストな方法なのか」
「今は化学療法で苦しんでいるかもしれないけど、そのうちマリファナで苦しむようになる。せめて、医者の監視のもとで投与されるべき」
「確かに医療用マリファナの効果はある程度認められているけど、なぜ年齢制限がないのか。成長期の脳に影響を与えないためにも18歳未満には使用すべきではないと思う」

……など、マイケイラちゃんがまだ7歳であることを考慮した意見が多くみられた。エリンさんとジェシーさん、両者ともに親として娘を想うからこその意見だが、その考え方は正反対だ。みなさんならば、我が子のためにどう判断するだろうか。

参照元:facebook Brave MykaylaMail Online(英文)、YouTube keepinguuptodate


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