動物の飛び出し注意を呼び掛ける標識について、「描かれている鹿マークの角は向きが逆では?」という旨のことを前回お伝えした。このマーク、どうやら国連が定めたものであるらしいが、一体全体この鹿はナニモノであるか。
気になって気になって、最近は8時間強しか眠れない記者。睡眠不足を避けるためにも、この謎を解明せねばならぬ。「一番手っ取り早いのは、国連に聞くことだろう」そう思った記者は問い合わせてみることにしたのだが……
・国連に問い合わせてみた
善は急げと、広報センターに電話をしたところつながる気配がない。どうやら、新型コロナウイルス感染対策のためスタッフが在宅勤務をしているらしく、電話に出ることができないようだ。
ふむ。感染症対策は大事だもんな、仕方がない。緊急の場合はメールで連絡するようにと、サイトにアドレスが記載されていた。「そんなに緊急でもないんだけどな」と思いながらも、メールにて標識の鹿の角の向きについて質問を送ってみた次第。
メールを送信してすぐの時こそ、なんと答えてくれるかなあとワクワクしていたのだが、そのうち記者自身その件について忘れていた。ある時ふと、返信が来ていないことを思い出す。「もしかして送信ミスかなんかしちゃったかしら」と、しつこくもう一度送信。
「緊急な内容じゃないでしょう」と思われたかどうかわからないが、1カ月以上たった今も連絡はなし。まあ、答えてくれればラッキーくらいの気持ちではあったので問題なしだ。むしろ、よくわからないメールを送ってしまい申し訳ない気持ちでいっぱいである。
・困ったときの鹿愛護会頼み
しかし、どうしたもんやら。ここは奈良県民の記者にとって身近な存在である “奈良の鹿愛護会” に聞いてみるとしようか。鹿のエキスパートである彼らであれば、何か的確なアドバイスをくださるかもしれない。
思い立ったが吉日で、すぐに電話をした記者。件(くだん)の質問に対し、担当者は爆笑しながらも答えてくれた。
「うーむ、こちらではちょっとわかりませんね。そこまで意識して作られて……いるんでしょうか。申し訳ありませんが、わかりません」
笑いが止まらない感じで、このようにコメントしてくださった。いやいや、めっちゃ笑うやん。結構真剣に尋ねたつもりなのだが、そんなに喜んでいただけて記者としても嬉しいぞ。とは言え、鹿の愛護会をもってしても、あの鹿マークの鹿がナニモノであるかは把握していないらしい。
・『地球博物学大図鑑』を開いてみた
こうなれば仕方があるまい。自分でどうにかするしかない! 取り敢えず、たまたま家にあった『地球博物学大図鑑(東京書籍)』を開いてみる。鹿が掲載されたページを開くと、なるほど地球には色んな種類の鹿がいるもんだ。
チラッと見た感じでは、オジロジカが最も標識のマークに近いだろうか。そう言えば以前、江川資具記者が自身のインスタグラムで、この標識についてオジロジカである線が濃厚と言及していた。
加えて彼が「(オジロジカは)日本にはいないはずなので、White tailed deerで調べると、より情報が出てくる」とも言っていたので、その通りに調べてみると……確かにソレっぽいのが、たくさん出て来た!
なんだか奈良公園にいる鹿と比べて、餌が食べにくそうな角である。バランスが取り辛そうだ。しかしまあ、自分の常識は他人の非常識だなんて言うが、じっと眺めていると世間ではこちらのタイプの角を持った鹿の方が一般的な気さえしてくるではないか。
結局正解については国連の担当者のみぞ知るところだろう。どうにかこうにか、コンタクトを取ることができればよいのだが……。いつの日か、この警戒標識のマークの鹿の正体を暴くことができる日が訪れればと願ってやまない、きょうこの頃だ。
参照元:国際連合広報センター
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
Screen Shot:国際連合広報センター