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ファミコン世代の30代(私)にとって『セガサターン』は比較的新しいハードというイメージだ。しかし調べると発売からすでに26年……立派な「レトロ」の領域だったらしい。ということで『レトロゲーム売り上げランキング』、今回はセガサターン編なのである!
…………が! その取材直後に発令された緊急事態宣言の影響で、舞台となる秋葉原も大変な打撃を受けたことは以前の記事をご参照いただきたい。おかげで記事化までに4カ月の時間(とき)を要したワケなのだが、意外にもこれが「不幸中の幸い」となった。
なぜなら今回ランキング1位のタイトルは “シューティングもの” 。お世辞にも「誰にでもカンタン」とは言い難いシロモノだったからだ……!
・がんばれアキハバラ
シリーズを通してお世話になっているのは、おなじみ秋葉原のゲームショップ『レトロげーむキャンプ』の田中さん。店内には所狭しとレトロゲームが並べられているうえ、田中さんはゲーム機の修理も担当している。ずっとマスクを着用していて辛くないのだろうか?
田中さん「いやぁ、辛いですね(笑)。むちゃくちゃ蒸れます。ただ男性側の意見として言わせていただくと、ヒゲ剃りをサボってもいいのはラクですけどね」
──やはり以前よりお客さんが少ないですねぇ……
田中さん「6月に入って日本人の往来はある程度戻ったんですけど、いかんせん外国人たちがいないのでね。ただ、不思議と高額商品が売れるようになったんですよ」
──ま、まさか!?
田中さん「もしかすると給付金(10万円)が関係しているのかなぁ、って気がしています」
──さすがオタクたち! 気前がイイ!
田中さん「予想ですけどね(笑)」
・トップ5を発表
実はセガサターンは世界累計販売数で見ると「セガで最も売れなかったハード」とされているらしいが、現在は外国人からも絶大な人気を誇っているのだとか。それではお待ちかね、セガサターンソフト “現在の” 売り上げベスト5を発表だ!
第5位:「悩みまして……」
おーーーーーっと!? 1発目から「悩みまして」キタァァァ!!! これはお店のスタッフさん達の間で意見が分かれた時に出現する特殊回答なのだ。しかも今回は5位だけで5タイトルもあるから、話し合いは紛糾したと予想される。以下、五十音順に並べさせていただいた。
『サクラ対戦』
『SHINING FORCE III(シャイニングフォース3)』
『SNATCHER(スナッチャー)』
『POLICENAUTS(ポリスノーツ)』
『街』
う〜む、『サクラ大戦』以外全く知らないぞ。しかもそのサクラ大戦は「新作が出た影響で売れている」らしい。ってことは、知らなかった残り4つがかなり人気とみていいワケで……私のようなレトロゲーム初心者にとって、セガサターンはやはり秘境である。いっそベスト10にしておけばよかったか?
第4位:『NiGHTS(ナイツ)』
ホッ! パッケージが印象的な『ナイツ』がランクインである。田中さんが言うところの「『ソニック』的な横スクロールアクション」である本作は、詳しくない者にも「セガだなぁ〜」と感じさせる圧倒的インパクトがあるよね!
第3位:『ガーディアンヒーローズ』
この日欠品中だった『ガーディアンヒーローズ』は、通常3000円ほどで販売されているらしい。 “みんなでワイワイ遊ぶゲーム” として人気とのことで、なんと最大6人まで同時プレイ可能! 私も昔スーファミの『桃鉄』で、2個のコントローラーを4人で回したっけ……しみじみ。
……とか思っていたら『マルチタップ』といって、複数のコントローラーを接続できるメカがちゃんと当時から存在していたらしいです。
第2位:『ダイナマイト刑事(DEKA)』
──えっ!? なんだか面白いタイトルですね
田中さん「……まぁ……その通りですね(笑)。こちらはゲームセンターからの移植でして、ソフトは常に品薄状態です。セガサターンくらいの時期になると家庭用ゲーム機の性能が上がって、ゲーセンからの移植が増えていった感じですね」
第1位:『パンツァードラグーン』シリーズ
田中さん「うちの店では圧倒的にこれが一番売れています。入ってきたらすぐに売れちゃうんですよ。どんなゲームかというと…… “ドラゴンを後ろから見たシューティングゲーム” ですかねぇ(RPG版もある)」
──どのへんが圧倒的に人気なんですか?
田中さん「う〜ん……なんでですかね? 僕もプレイしたことはあるんですけど……世界観的なところでしょうか? コレ、入荷しては即売れの繰り返しなんです。『 1 』が一番売れますが、シリーズ通して人気ですね。外国人・日本人問わず買っていきます」
──知らないタイトルばかりでしたが、どれも面白そうで迷っちゃいますな!
田中さん「ちなみになんですが、僕は5位の『ポリスノーツ』と『スナッチャー』を推します。この2つに関しては『メタルギア』シリーズの小島監督が手がけたもので、それが人気の一因になっているんです。あくまでも個人的な感覚ですが…… “超” 面白いですよ」
──ちょ、 “超” ですか!?
田中さん「まぁ、子供の頃にプレイした思い出が加味されているかも知れないですが。ちょっとホラーチックなところもあって、ドキドキしながらプレイしたのを覚えています。この2つも買取強化しているんですけど……入荷すると外国人がすかさず買って行っちゃうので(笑)」
・『パンツァードラグーン』を初プレイ
田中さん超推しの2タイトルをあやうく購入しそうになったが、そういえばこの記事は『売り上げベスト5 』なのである。大混戦となった今回はやはり1位の『パンツァードラグーン』をプレイしておくべきだろう。
あいにく『 1 』が在庫切れだったため『 2 』を購入したが、田中さんいわく「ほぼ同じ世界観を味わえるはず」とのことだ。
シューティングゲームが死ぬほど苦手な私だけれど、多分ある程度は進めるよね!? じゃ、がんばりマ〜ス!
結果:10分でゲームオーバー
・リベンジしたい気持ちになる
難しいゲームを前にしたとき「もういい!」と投げ出してしまうタイプの私だが、なぜか今回は違っていた。冒頭で述べた通り時間があったため、1週間を費やしてリベンジを敢行したのである。
これは恐らく田中さんから聞いていたとおり、『パンツァードラグーン』の持つ世界観に引き込まれたためだろう。何というか……悲しげであり、不思議でもあり、壮大なんだよな。「負けてもいいからプレイしたい」という気持ちになる。
「このゲーム、こんなにガタガタだったっけ!?」と驚いていたのは、私がプレイするのを横で見ていた当サイトのGO羽鳥編集長(セガ好きでおなじみ)だ。そう、確かに最近のゲームと比べると『パンツァードラグーン』のグラフィックは “ちょっぴりガタガタ” なのです。
が、しかし! それでもこの壮大さを作り出せたことは、素人目に見ても「スゲェ」んじゃないかと思うのであって。逆に “ガタガタだからこそ良いのではないか” という気すらしてくるワケで……。そういった意味でリメイク版の登場を待ち望むファンも多いのではないだろうか。
ちなみにシューティングゲーム弱者の私は、やはり序盤以降ストーリーを進めることができなかった。しかしながら「誰かがプレイするのを眺めたい」と思わせるほどの世界観を持つこのゲーム、苦手な人もぜひ1度プレイしてみてほしいと思う次第なのである。
さて、お次は『ポリスノーツ』と『スナッチャー』をプレイせねばなるまい。底知れないぜ、セガサターン沼……!
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 レトロげーむキャンプ秋葉原店
住所 東京都千代田区外神田3-14-7 新末広ビルC
時間 11:00〜20:00
定休日 無休
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
【秋葉原で聞いてみた】コロナ期にオススメのレトロゲーム5選はコレだ! ファミコンでできるダイエットが激アツ / そして今お宝ソフトが超 “買いどき” な理由とは…
これまでシリーズでお伝えしてきた『レトロゲーム売り上げランキング』だが、前回の “メガドライブ編” を最後に中断となっている。取材に協力してくれた秋葉原のゲームショップが新型コロナ感染拡大の影響で、休業を余儀なくされてしまったためだ。
しかし一時はシャッター街と化していた秋葉原にも、最近ようやく賑わいが戻り始めているのだとか。じゃあ、そろそろシリーズも再開していいよね? ちょっと急すぎる? 「何事もなかったように “セガサターン編” やってんじゃねぇぞ」とか言われたりして……?
・久々の取材
イカンイカン。どうも自粛の後遺症で何事にも敏感になりすぎているようだ。ひとまず様子を見に秋葉原へ行ってみることによう。お世話になった『レトロげーむキャンプ』を訪れるのも3カ月ぶりである。
レトロゲーム売買ならお任せの『レトロげーむキャンプ』は秋葉原の一等地に2店舗を構えて……………ヒ、ヒィィィーーーーーーーッ!!!!!!!
1店舗なくなってるゥゥゥゥゥ!!!!!!!
マジか……マジなのか……たった3カ月でこんな…………ハッ! お店の人たちは無事だろうか!? た、たたた田中さ〜〜〜〜ん!!!
・意外と普通でした
営業していた別店舗へ店の責任者・田中さんを訪ねると、幸いにもコロナ前と変わらぬ様子でソフトの査定などを行っていた。少し痩せたように見えるのは自粛中に体調を崩したためで、「ずっと座っていたのがよくなかった」と当人は冷静である。
姉妹店の閉店について聞けば「お客さんが減ったし、今は2店舗維持する必要もないかと思って……」という、あっけらかんとした答えだ。緊急事態宣言を受けて店を一時休業していたものの、現在は毎日消毒を行うなどの感染予防をしつつ営業を再開しているとのこと。
・秋葉原の現状
田中さん「休業中は基本的には自宅待機でした。ゲームしたり、映画見たり……生活がガラッと変わったせいか調子を崩したりもしまして、正直もうコリゴリです」
──秋葉原の街は今どんな感じですか?
田中さん「ちらほらとお店が閉店していまして、僕がいつも行っていたタピオカ屋もなくなっちゃいました。現在は生き残ったほぼ全ての店が営業していると思いますが、営業時間は短くなっている印象です」
──売り上げのほうは……
田中さん「緊急事態宣言が明けてしばらくは正直、ほぼお客さん来なかったです。 “なんで営業しているんだろう” みたいな気持ちになりつつやっていました。店を閉めようと外に出ると真っ暗の中、営業しているのはうちだけっていう状態。売り上げはもちろん、全然でしたよ」
6月に入ってようやく日本人の往来はある程度戻った。売り上げも徐々に増え、ここから追い上げ……と思いきや、「買い取り本数は減少傾向です」と田中さん。 えっ、そうなの!?
・今 “買いどき” である理由
てっきり景気低下の影響でゲームを売る人が増加しているものと思っていたが、そう単純なものでもないようだ。買い取りが減っている理由はズバリ「買い取り価格を下げているから」。それはこの店だけでなく、業界全体の現状であるらしい。
田中さん「外国人がいないからです。売れないから買い取りを減らす。外国人から人気のソフトは今どこも下がり気味ですよ。販売のほうも今日もこのあと、価格変更をモリモリとやる予定です」
──つまり逆を言えば、欲しかった人からすると……
田中さん「狙いどきですね(笑)」
──いいですねぇ……! ちなみに、コロナ期に売り上げが伸びたゲームってあります?
田中さん「『ゲームキューブ』が最近よく売れます。これはステイホームが関係していると思いますね。ゲームキューブはみんなでプレイすることに特化したハードで、最初からコントローラーを挿す穴が4つありますから。やはり複数人で遊べるソフトが強いです。
ちなみにゲームキューブのコントローラーは今だに現役なんですよ。『大乱闘スマッシュブラザーズ』とか、ニンテンドースイッチ版でも “このコントローラーじゃなきゃダメだ” って言う人、けっこういるんです」
──このコントローラーをスイッチと繋げるんですか?
田中さん「そうです」
──なるほど……それじゃあ今回の『ステイホームランキング』には、ゲームキューブがガッツリ食い込んでるワケですね!?
田中さん「いや、それは今回ランクインしていないです」
──ズコーーー!
・人気ベスト5を発表
それでは! ここから『コロナ期にオススメのレトロゲーム』ベスト5を発表していくことにしよう。みんなステイホームで様々なタイプの悩みを抱えていることと思うが、きっとピッタリのソフトがあるはずだ。
5位:『桃太郎電鉄』シリーズ(スーパーファミコン等)
ご存知 “桃鉄” こと『桃太郎電鉄』はお店スタッフの猛プッシュによりランクイン。1人から4人まで一緒にプレイでき、難しいテクニックも不要だから家族で遊ぶのに最適だ。様々なハードから発売されているが「やはり王道はスーファミでしょう」とのこと。やはりと言うべきか、年末は特に売れるらしい。
4位:ダンスダンスレボリューション(プレイステーション)
今もゲームセンターで根強い人気を誇るDDRは、分かりやすく「運動不足解消」の需要だろう。発売当時かなり流行ったため流通が多く、専用マットも価格は1000円ほど。
3位:『ダークソウル』(プレイステーション3)
「レトロとは言えないんですが……」と断りを入れつつ、 “かなり長時間楽しめる” と田中さんが太鼓判を押すのがアクションRPGの『ダークソウル』。田中さんいわく「難易度がメチャクチャ高いんです。 “死んで覚える” って感じですね」
2位:『ファミリートレーナー』シリーズ(ファミコン)
えっ!? 何コレ!? この『ファミリートレーナー』シリーズ、なんとDDRと同様 “専用マット” を購入して遊ぶタイプのゲームなのだ! ファミコン時代にこのテのゲームがあったなんて全く知らなかった……! ソフトは全10種類発売されたらしい。
田中さん「飛んだり跳ねたりするゲームです。30年以上前のものなので、マットの反応の悪さがね……味がありますよ(笑)。それが別の意味で運動になるというか。発売当時はそれなりに売れたと思います。僕のまわりでは持っている子、結構いました」
1位:『風来のシレン』シリーズ(スーパーファミコン等)
田中さん「『不思議のダンジョンシリーズ』です。スーファミ、ニンテンドー64、PSPなど様々なハードから出ています。とりあえず一番簡素な初代をやってほしいですね。このシリーズをプレイしたことがある人には物足りないかもしれないんですが、初めてならなかなか楽しめると思いますよ。
このシリーズのキャッチフレーズが『1000回遊べるRPG』。入るたびにダンジョンの内容が変化して、レベルも1からスタートするんです。1つのソフトを長く楽しみたい人にはイチオシですね」
──へー! なんだか『トルネコの大冒険』と似ていますね!
田中さん「そうです。あれも同じ『不思議のダンジョンシリーズ』ですよ」
──あっ、あのスタイルをそう呼ぶんですね……無知ですみません……!
・『ファミリートレーナー』を初プレイ
本来なら1位の『風来のシレン』を選ぶべきところ、気づけば専用マットとともに『ファミリートレーナー』を購入している自分がいた。だってメチャクチャ興味があるんだもん……! ソフトは最もメジャーだという『アスレチックワールド』をチョイスだ。
専用マットはこの日の価格で2980円(税抜)。表裏でA面とB面に分かれており、30年以上前のものとは絶対に気づかぬオシャレなデザインである。
電源を入れるとトップ画面に「マットA」の表示が! とりあえず一番簡単そうな “トレーニング” をやってみることにしよう。
スタート位置で足踏みすると……
キャラクターが走り出すしくみだ! スゴイ! スゴすぎる! もう『リングフィットアドベンチャー』いらないかも!?
障害物の前ではタイミングを合わせて……
前方へジャンプ!
走って……
ジャンプ失敗!
おのれ…………!
サンジュン「懐かしいな〜ウチに昔あったよ」
・エグいダイエット効果
当サイトのサンジュン記者はファミコンブーム直撃世代。「子供のころ流行った」との証言が得られたため、やはりこのシリーズがかつて一世を風靡したのは間違いないのだろう。いやはやカルチャーショックだ。
その後ステージが進むと「横飛び」など様々な動きのバリエーションが追加され、指示は一切表示されないため強烈な難易度となってくる。
1ステージ終わる頃には汗ビチャビチャ、心臓はドッキドキだ。なお画面下を移動するカメが先にゴールしてしまえばゲームオーバーというルール。クリアできるかどうかはさておき、コロナ太り解消にこれ以上最適なコンテンツはないかもしれない……。
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 レトロげーむキャンプ秋葉原店
住所 東京都千代田区外神田3-14-7 新末広ビルC
時間 11:00〜20:00
定休日 無休
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.