少女時代、気になる男子が現れればすぐに「もし彼と結婚したら……」と想像していた。「付き合ったら」ではなく即座に “結婚” だったのは、無邪気さゆえの憧れだろう。結婚ってそんなに簡単じゃないことを知ってしまった現在(いま)の自分が少し悲しい。
そんな少女たちの秘めたる妄想をドーンと形にしてしまったのが『りぼん』8月号である。ウエディング情報誌『ゼクシィ』とコラボした今号の付録はズバリ “婚姻届” …………小中学生には少々刺激が強すぎやしないか?
・進化していた『りぼん』
昭和の時代から少女漫画界のトップを走り続ける雑誌『りぼん』。まぁ私は少しオトナな『花とゆめ』派だったワケだが、それでも『りぼん』作品から受けた影響は計り知れない。岡田あーみん先生が大好きでした。
おそらく20年以上ぶりに手にした『りぼん』はズイブンと分厚い。今月号のメイン付録『夏きら☆オーロラポーチ』によるものだ。付録って昔はシールや便箋だった気がするが、時代は変わったなァ!
そしてもうひとつの付録が『ミニ婚姻届』。よく見ると「実際には使えません」という注意書きがある。なるほど、記入して気分だけ味わおうということか。それなら小学生にも安心である。私もひとつ、昔を思い出して楽しい妄想に浸るとしよう。
さて、まず最初に最も重要な “夫になる人” の名前を記入しなくてはならない。見本には「芸能人や『りぼん』のキャラクターでもOK」とある。それじゃ遠慮なく私のギターヒーロー・SUGIZOさん(LUNA SEA)の名前を記入させていただくことにしよう。妄想なんだからいいよね♪
キャッ! ホントに書いちゃった!!! ヤバ〜イ☆
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虚しい…………!
・身近なカレに懇願してみた
あれっ? 何だろうこの気持ち? 妄想なのに、完全な妄想であることは分かっているのに、ナゼこんなに虚しいのだろう? 妄想といえども本人の許可が必要ということなのか? 確かにSUGIZOさんとは話したこともないし、さすがに突拍子がなさすぎたかもしれない……妄想とはいえ。
こうなっては当サイトの和才記者にお願いするほか手段はないだろう。和才記者は私に原稿の書き方を指導してくれるなど、普段から何かと面倒をみてくれている人だ。結婚の面倒だってみてくれるに違いない。
法的な効力がないことを説明すると、やはり快く名前を記入してくれた。妄想とはいえ和才記者の奥さんに少し申し訳ない気持ちになる……が、優しい和才記者が選んだ女性だ。きっと許してくれるはず!
イエ〜イ! 本人に書いてもらっちゃった!!! ヤバ〜イ☆
……………
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やはり虚しい…………!!!
・使用上の注意点
憧れの和才記者に許可を得たうえ、直筆のサインも記入してもらった。にも関わらず先ほど以上に激しい虚無を感じた理由は……考えるまでもなく、私と和才記者の結婚確率がゼロパーセントだから。
オイオイどうしてくれんだこの気持ち……! 果たして小中学生の『りぼん』読者は、この婚姻届をどう受け止めているのだろう? 虚しさ、感じてやしないだろうか? それとも令和の小中学生はみんな彼氏持ちなのか……?
色々考えてみたところで答えが出るはずもない。心に負った傷を癒すべく、この日会社にいた残りの男性メンバーにも名前を記入してもらうことにした。
このまま帰宅したら落ち込んでしまいそうだったから……!
みなさん、かたじけない……!
その結果……!
なんか寄せ書きっぽくなった!
「編集部のみ〜んなが私の夫だよ☆」っぽくまとめることにより、なんとか沈んでいた気持ちを立て直すことに成功だ。危ないとこやで……! 考えてみれば法的な効力がないとはいえ、ホイホイと婚姻届に記名してくれる陽気な男性が周りにいるって、案外幸せなのかもな。これは私の宝物としておこう。
この仮想婚姻届、一定年齢以上の女性が手を出す際は注意が必要だが、使い方次第では素敵な結末が待っているかもしれない。彼氏がいる場合はこれをキッカケに本物に記入する流れだって十分ありえる。そうでない場合は、来るべき時のためにとっておくのもアリだ。
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.