なんとイオンシネマから、2500円(税込)で1日中映画見放題になる「ワンデーフリーパスポート」が2020年7月3日〜7月31日の期間限定で登場した。特別料金作品など一部対象外のものもあるが、1日中映画館で映画を見ていられるなんて、夢のような話だ。
そんな夢を叶えるべく、ワンデーフリーパスを使って映画鑑賞の限界に挑んだ結果、己の肉体の限界にも挑むはめになってしまった……。
・限界を迎えるお尻と頭
イオンシネマの「ワンデーフリーパスポート」は、利用日の2日前から窓口販売で購入できる。ライブビューイングなどの一部作品が見放題の対象外、3Dなどは追加料金が必要などの制約もあるが、基本的に最新作も含めて見放題だ。ちなみに、一部のドリンクも飲み放題になるよ。
劇場の上映スケジュールを確認しながら、6月26日に公開された「ランボー ラスト・ブラッド」や、7月3日に公開されたばかりの最新作「MOTHER マザー」も含めた5本を鑑賞する計画を立てた。上映スケジュールの都合上、オープン時間から最後までフル活用しても5本が限界だった。
鑑賞日当日の早朝、窓口でワンデーパスを購入し、同時に本日の鑑賞1本目と2本目の鑑賞券も発行してもらった。ワンデーパス利用中の鑑賞券は窓口でしか発行できず不便ではあるが、店員さんから見やすい座席やオススメの映画を教えてもらえるなど、窓口ならではの利点もあったよ。
システム上、上映開始前の入場券は一度に2本分までしか所有できないらしく、3本目以降は1本見終わるごとに窓口で発行してもらう必要がある。1日をフル活用しようと計画した結果、鑑賞の空き時間が短いときだと15分しかないため、窓口が混まないことを祈るしかない。
・1本目:ランボー ラスト・ブラッド
検温を済ませて入場し、さっそく1本目を鑑賞する。筆者が利用したイオンシネマの椅子はなかなかお硬めな座り心地で、快適に過ごせるのかやや不安が過ぎったが……1本目はなんの問題もなく、満足のいく鑑賞時間を過ごせた。
・2本目:パラサイト 半地下の家族
1本目の鑑賞を終えた後、2本目まで50分もあったため、3本目の鑑賞券を発行してからもイオンモール内を楽しむ時間の余裕があった。ドリンクものんびり選び、生まれて初めて映画館で同日2本以上鑑賞することにワクワクしながら、2本目の鑑賞を開始。じっくり楽しむぞ、と思いきや……
お尻が痛い。途中までは映画の世界に没頭して楽しんでいたのだが、椅子が硬いせいなのか、それとも筆者が太りすぎなのか、ふとしたときにお尻にじんわりと痛みを感じる。とはいえ、まだ「気のせいかな?」と流せるレベルの痛みだ。2本目もじっくりと堪能し、3本目の鑑賞へと向かう。
・3本目:ライブリポート
2本目と3本目の間には30分の空き時間があったが、4本目の鑑賞券を発行し、飲食物を注文していたらあっという間に時間が過ぎてしまった。売店で購入したハムチーズサンド(税込550円)で英気を養いつつ、3本目の鑑賞に挑んだが……やっぱりお尻が痛い!
2本目鑑賞時と比較して痛みが酷くなっているわけではないが、快適な鑑賞時間とは言えなくなってきた。とはいえ、今のところ痛むのはお尻のみ、それも映画の内容に集中できなくなるようなレベルの痛みではない。3本目の鑑賞を終え、少し伸びをしてから劇場を出る。
・4本目:MOTHER マザー
3本目と4本目の間は15分しか空き時間がなかったが、平日だったせいか窓口も売店も拍子抜けするくらいガラガラだった。問題なく5本目の鑑賞券を発行し、ドリンクを手にしながら4本目の鑑賞へ。お尻の痛みにも慣れてきたため、問題なく鑑賞していたのだが……今度は頭に痛みを感じ始めた。
強い光と音を浴び過ぎているのか。それとも見たいものを好き勝手選んだ結果、人の生き死にに関わる内容の作品ばかりになってしまったせいか……。4本目の終盤あたりから、徐々に頭痛が出てきたのだ。おまけに、鑑賞を終えて立ち上がった瞬間こけそうになった。疲労が膝に来ているのか?
これは身体が限界を迎えたサインでは? と思ったものの。これまでと変わらないお尻の痛みや多少の頭痛くらいなら、5本目も問題なく鑑賞を終えられるはず、いけるいける──などと甘い考えで5本目に挑んでしまった。
・5本目:ワールドエンド
本当に甘かった。頭痛が時間とともに、予想しないほど酷くなっていったのだ。
やはり光と音のせいなのか、内心でツッコミを入れながら見ていたせいか、はたまた言語が筆者に全く知識のないロシア語だったせいか、何が原因か分からないが、とにかく頭痛が酷くなっていく。作中人物が「頭が割れるように痛い!」などと叫ぶシーンを見ながら、新手の4D鑑賞かと思ったほどだ。
誤解のないように言っておくが、映画の内容は5本とも全て楽しむことが出来た。出来たのだが──5本目の鑑賞を終え、夜中を迎えた劇場を後にするときには、頭を押さえながらフラついてしまった。映画を楽しんで心が満たされていると気付きにくいが、思った以上に身体は限界だったのかもしれない。
1日中劇場のスクリーンでたくさんの映画の世界を堪能する──そんな夢のような1日を過ごすときには決して無理せず、映画の世界だけでなく、自分の身体にも寄り添って楽しんでほしい。
参照元:「イオンシネマ」公式HP、「ワンデーフリーパスポート」
Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.