旅行代金の半額が補助される「GoToトラベルキャンペーン」。新型コロナウイルスの影響で冷え込んだ国内観光需要喚起を目的とした国の施策だが、そこから東京が除外されたことで再び「東京差別」というワードが広がりを見せている。
このワードは、コロナ患者の増加に触発され、東京都民自体を忌避する行動を指すものだ。激しいところで言うと、東京から来たということがバレると家が燃やされてもおかしくないとかなんとか。そこで地方帰省者に東京差別について聞いてみた。
・栃木に帰省中のブッチさん
話を伺ったのは、ビッグウェーブさんことBUTCH (ブッチ)さんだ。行列マニアの間では知られた存在である彼。iPhone日本初上陸だったiPhone3Gの行列の際の名言「乗るしかない、このビッグウェーブに」は、全国のお茶の間にiPhoneの勢いを印象付けたと言っても過言ではないだろう。
そんなブッチさんは、現在栃木県の実家に帰省しているらしい。ちなみに、ブッチさんの故郷は栃木県の中では田舎と都会の中間くらいだという。
──そもそも東京者とかってバレるものなんでしょうか?
ブッチさん「それがバレるんだよ。目立つらしくて、散歩してると、たまに「何やってる人?」って話かけられたりはするんだけど、話したことない人とかもオレが何やってるか知ってたりして驚いた。多分、噂で回るんだろうね」
──出演したCMとかを見たのかもしれないですね。
ブッチさん「そう言えば、母ちゃんが近所の人に「テレビ出てるの見たわよ」って言われたって言ってたな。やっぱり噂は回るね」
──ということはブッチさんが東京から帰って来てるっていうのはもうバレバレ?
ブッチさん「近所の人はみんな知ってると思う」
──何か問題が起こったことは?
ブッチさん「特にないね。逆に、知らないおっちゃんとかに「東京いて大丈夫?」って心配されたことはあるかなあ。でも、オレ、緊急事態宣言とか出る前から4カ月くらい帰省してるから、そう答えたら「じゃあ大丈夫だな」ってなるね。で、結局「こっちはこっちで仕事ないからな。難しいやな」って落ち着く感じ」
──では逆に、4カ月住んでいて、他の東京者が来た時に、そういう現場を見たことはありませんか?
ブッチさん「そう言えば、コンビニに東京ナンバーの車が停まってることがたまにあるんだけど、その時はちょっとひそひそ話みたいな感じになってるね。「あのナンバーは……」みたいな。でも、それくらいかな」
──とのこと。ブッチさんいわく、地元にはお年寄りが多く、基本的には梅雨の話とコロナの話しかしてないらしいが、その温度感はただの茶飲み話的なノリらしい。
そういった意味では東京とさほど変わらないのだとか。少なくともブッチさんが触れ合う範囲では。「みんな不安なんだよ」最後にブッチさんはつぶやくように言った。
「パワーハグ」と──。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.