はじまりがあれば、終わりがある。しかし何をもって終わりとするか、それは人それぞれだろう。2020年7月20日、週刊少年ジャンプの看板作『ハイキュー!!』が最終回を迎えた。2012年に連載開始し、オリンピックに合わせて(本年オリンピック自体は開催されないが)幕を引いたのだ。
長年作品を見守ってきた記者としては、正直寂しい気持ちでいっぱいだ。しかしながら、読み終えた後は「こんなに気持ちの良い終わり方ある?」と驚くほど爽やかな気分になったので、ちょっと聞いてほしい。
・8年半見守った成長
今一度『ハイキュー!!』について、ざっくり説明すると、高校バレーボールを題材とした漫画である。個性豊かな登場人物たちが切磋琢磨しながらバレー界を盛り上げていく、そんな作品だ。
さて、物語の終わりといえば、どんなにハッピーエンドであろうと胸が締め付けられるものだ。週刊連載作品ともなれば尚更で、毎週見ていた彼らと急に出会えなくなるのだ。悲しくない訳がない。
記者も『ハイキュー!!』の最終回を読む前は激しい焦燥感にかられるだろうと覚悟していた。だって、8年半だよ。時間をかけて、登場人物たちの成長を見守ってきたんだよ。もはや我が子を見守る親の気持ちと言っても過言ではない。
・一緒に成長できた
しかし同作はそんな寂しさを吹き飛ばしてしまう、素敵エンドだったのだ。マジで。なにより素晴らしい点は、登場人物と同じ目線で読者に “未来” を見せてくれたところだと感じている。
高校バレーという枠で完結するかと思いきや、そんなことはない。登場人物たちが大人になっても、それぞれの道を歩みながらバレーでつながっている様子を見事に描き切ってくれたのだ。これが読者にとって、どんなに嬉しいことか……。