【衝撃】バンドメンバー、新聞に載ってしまう / 知人男性「そんなことするヤツじゃなかったんですけどね……」
【コロナ禍】売れないバンドマンだけどイギリスの夏フェスにステイホームで出演してみる
終息の目途がつかない新型コロナウイルスの猛威。現状ではいつ終わるのか、いや、そもそも終わるのか、想像すらつかない状況が世界で繰り広げられている。売れないバンドマンである私(中澤)もライブは飛びまくり。夏フェスも中止が相次いでおり、音楽業界にもコロナ禍は深刻だ。
そんなある日、イギリスから夏フェス出演の誘いがあった。って、マジかよ!? またイギリスのフェスに出れんの!?
・昨年のイギリスでのフェス出演
そう、昨年2019年、私がギタリストとして所属する『si,irene』はイギリスでフェスに出演した。UKインディー界の大御所バンド・The Wedding Present(ザ・ウェディング・プレゼント)主催のフェス「AT THE EDGE OF THE SEA」である。
イギリス有数の海浜リゾートであるブライトンの海辺で10年以上開催されているこのフェス。出演した際のレポートは以前の記事をご確認いただけると幸いだ。
・配信フェスへ
とは言え、現在はコロナ禍真っただ中。イギリスも3月のロックダウンがようやく緩和されてきたところである。これを受け、「AT THE EDGE OF THE SEA」が今年は配信フェスの形式となった。バンドがステイホームで演奏を重ねた映像で出演するのである。
そこで、ザ・ウェディング・プレゼントのフロントマンであるデイヴィッド・ルイス・ゲッジから「お前ら興味ある?」的なメールが送られてきたのだ。
・覚えていてくれたことが嬉しい
日本では全くと言っていいほど受け入れられていない我々。それだけに、フェス出演の際も、本場イギリスで通用するだなんて甘い考えは持ち合わせていなかった。昨年の出演は奇跡であり、本当にザ・ウェディング・プレゼントの懐の深さに甘えさせてもらっただけだと思う。
正直、一生に一度の出来事だと思っていたのだが……まさか覚えていてくれたなんて。そう、誘われたことの前に、覚えていてくれただけでも嬉しい。すまない、少し泣く。
・すったもんだがありまして
実は、si,ireneは昨年ボーカルが抜けている。にもかかわらず、バンドが続いていることの理由の1つは、デイヴィッドのように忘れないでいてくれる人がいるから。
だからあなたも、もし好きな人やアーティストがいるなら、その気持ちを覚えていて欲しい。解散や死が終わりなのではない。忘れられた時が本当の終わりなのだから。
・私の6畳間とキティちゃんTシャツが世界に配信
というわけで、我々は即答で「Yes」。それぞれが自宅での演奏を録音&録画して、バンドでミックスした映像をイギリスへ送った。これで終了。ちなみに、私は住んでる6畳間で寝間着で着ていたキティちゃんのTシャツのまま映っているのだが……
昨年は楽器を持って飛行機で2日、往復約15万円かけて行ったことを考えると感慨深いものがある。テクノロジーすげぇッ! もちろん、行けるなら行って生音を聞いてもらいたいという気持ちもあるけれど。
なお、「AT THE EDGE OF THE SEA」はザ・ウェディング・プレゼントのYouTube、Facebook、インスタグラムなどで配信される。7月21日現在、発表された出演者は25組。基本はイギリスのバンドかと思われるが、トルコやスウェーデンから出演するバンドもいる。
もちろん、日本からは我々だけ。はたして、ボーカルが変わって、また違うバンドになっている我々はイギリスのリスナーに受け入れられるのか? 気になる方はご参加いただけると幸いだ。
参照元:AT THE EDGE OF THE SEA
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.