新垣結衣さんが出演するニンテンドースイッチ用ソフト『リングフィットアドベンチャー(通称:リングフィット)』のテレビCMを見るたび、お茶の間でため息をついている人も多いだろう。なぜならリングフィットは慢性的な品薄状態。買いたくても買えないのだから。
「自宅で楽しく運動ができる」との噂を聞き、私がリングフィット購入を決めたのは今年5月のことだ。それが約3カ月にも及ぶ死闘の幕開けだなどと、あの時は想像もしていなかったが……ともかくブツを手に入れた今、購入までの戦術や注意点などをお伝えできればと思う。
・正攻法で!
なお、私がリングフィットを購入するべく奮闘した期間は今年の5月初旬〜8月初旬。今後品薄状態は改善が見込まれており、状況が変化していくことをご注意いただけると幸いだ。
現在リングフィットについてネットで検索すると、1万3000円ほどで即時購入できるサイトがいくつもヒットする。定価は8778円(税込)だから当然これらは転売商品なのだが、私を含め「4000円くらいの差なら……」と感じてしまう人も多いだろう。
が、しかし! そういう需要が転売行為を生み、さらなる品薄状態を引き起こしているのはご存知の通りだ。何よりも自分の信念のため、私は絶対に定価以上で購入するつもりはない。できれば皆さんもそうであってほしいと思う。
さて現在までの数カ月間、正規ルートでリングフィットを購入する方法は「ネット抽選」の割合が大きい。ニンテンドーの公式ストアをはじめ、ビックカメラやヨドバシといった家電量販店、ゲーム販売店など多くのショップが抽選を行なっている。
“受付期間は2〜3日、数日後に結果発表” というパターンが多く、とにかく情報を掴むことがカギだ。SNSで「お店に行ったら買えた」「ネットで在庫が復活していた」という報告を目にすることもあるが、相当なラッキーパターンと思っておいた方がいいだろう。
「重複当選しちゃったら困る」との思いから、最初はチマチマと応募するのだが……
笑っちゃうくらい落選したため、 “手当たり次第エントリー” に作戦変更を余儀なくされた。
これだけ多く抽選が行われていれば普通、品薄は解消に向かいそうなものである。しかしサイトに表示される抽選倍率は一向に下がらぬ様子。「やはり転売需要か」と考えると悔しいが、悔しがったって買えないものは買えない。無心でエントリーするのみ、である。
そこからは「朝起きれば即、情報収集とエントリー」の日々が始まった。応募回数50回超。気づけばチャレンジ開始から3カ月が経過していた。そして……とうとう私は……
リングフィット購入を諦めた。
・疲れちゃったんだもん
が!!!!! それからわずか数日後のこと。私のスマホに「当選しました」と電話をくれたのは、いつもお世話になっている『ゲオ』の人だ。
『ゲオ』の抽選方法は少し特殊で、まず購入希望者から一気に申し込みを受け付ける。そこから約1カ月間、入荷があるたびにその中から抽選を行う。つまり1回応募すれば約1カ月、常に当選する可能性があるのだ。私は応募から1カ月近く経過していたため、すっかり忘れてしまっていた。
諦めた途端に手に入るとは超皮肉である。抽選は恋愛のごとく思い通りにならぬもの……とはいえ、もちろん売ってくれると言うなら欲しいぞ! ホイホイとゲオへ行き、店頭で当選番号を告げれば……ついに!
リングフィットと初対面なのだ! イェェェイ!!!
それではさっそく……
姪っ子にスイッチを借りるぞォォォ!!!!!
・えっ?
そう……実は私、肝心のニンテンドースイッチ本体を持っていないのである! 正確にはスイッチに関しても抽選にトライしまくっているところであり、先にリングフィットが当選してしまったというワケなんだ。姪がスイッチを持っていてくれて、本当によかったよ!
さて現在のリングフィット需要に外出自粛の影響があるのは明らかである。中には私と同様「リングフィットで初めてスイッチをプレイする」「いい年して久々にゲームをする」という人も多いはずだが、個人的には初プレイに際し “3つの大きな誤算” が生じた。そのあたりを簡単にお伝えしておこう。
・落とし穴 × 3
誤算①説明書がなくてキツイ
リングフィットアドベンチャーとは『ソフト』『リングコン』『レッグバンド』の3つがセットになったもの……だということすら、私は箱を開けて初めて知った。しかしさらに驚くべきは “説明書がどこにもない” という点である。
結局ソフトを起動させれば操作説明が表示される仕組みだったのだが、それに気づくまでがひと苦労。さらには「まずジョイコン(R)を……」などと当たり前のように専門用語が頻出し、初心者には何が何やらサッパリ分からないのだ。
けっきょく姪(小2)がテキパキと組み立てを代行してくれ、ゲームをプレイできる状態まで設定してくれた。パソコンが登場した頃は私が両親に使い方を教えたものだが……これぞ世代交代。少しショックな気持ちだ。
誤算②テレビに接続しないとキツイ
またスイッチは液晶画面付きの携帯ゲーム機であるため、本体さえあればリングフィットをプレイすることが可能。
……なのだが、いかんせん画面が小さいのである。
リングフィットをプレイするにはそれなりのスペースが必要だ。中にはけっこう複雑な動きもあるため、案内音声に加えて画面の文字を見ながらプレイすることになる。つまり何が言いたいかというと、近眼の私には文字がほとんど読めなかった。
聞けばリングフィット本体にはもともと『スイッチドック』といって、テレビ画面に接続できる機器が付属しているらしい。分かっていればあらかじめ姪に「スイッチドックも持ってきて」と頼んだものを……。視力のいい人なら液晶画面のみでプレイするのも可能だが、正直あまり現実的ではないように思う。『スイッチドック』も必須と言っていい。
誤算③けっこうキツイ
それから最後に、リングフィットで行う運動は思ったより全然激しかった。どれくらいかというと、リアルに想像の5倍くらいである。これは「エクササイズもできるゲーム」ではなく「ゲーム風だけどガチのエクササイズ」だったのだ……。
普段運動に慣れていない人なら5分で汗ビチャ、10分でヘトヘトになるとみて間違いないだろう。
・品薄も含めてフィットネス
……と同時に、正しく行えばジム通いレベルのトレーニング効果があることもまた確か。どことなく『マリオ』っぽさがあってゲームとしても楽しい。「自宅で楽しく運動」と銘打つ商品は過去にもたくさんあったけど、これほど看板に偽りのないモノは初めてである。そりゃ品薄にもなるわけだ。
今のところ購入までに少し苦労するが、手に入れた喜びはひとしお。現在ツイッターなどのSNS上には “スイッチやリングフィットの抽選情報を発信するだけのアカウント” が多数存在しており、私は大いに活用させてもらっているぞ。運動不足に悩んでいる人はチャレンジする価値ありだ!
さて、早いとこスイッチ本体も入手せねば……。
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.