そのマスクを着けた瞬間は、アイスクリームを頬に当てられたかのようだった。めちゃくちゃ冷たい。それでいて、呼吸は普通に出来る。個人差はあるのだろうが、私の場合は息苦しさなど一切感じない。
良いぞ。すごーく良いぞ。感触が冷たくて、普通に呼吸が出来る。こんなマスクをどれだけ求めていたことか……。欠点だってあるのだが、それを差し引いても十分アリだ。
・保冷剤でキンキンにするマスクシート
その商品は、Amazonで『マスク用シート氷冷感「ヒヤッとシート」』として販売されている(2020年8月24日時点)。名前の通り、マスクではない。マスクを冷やすシートである。購入価格は税込1000円で30枚入りだったから、1枚あたり約33円だ。
その使い方を説明しようと思ったところで、Amazonと説明書では微妙に内容が異なることに気付いた。どちらが正式なのかよく分からないものの、どちらであっても使用時の印象に大きな差はないかと思う。ひとまず今回は、説明書の「使い方」でいこう。
ざっくり言うと、水で濡らしたシートを保冷剤でキンキンにし、それをマスクにセットする流れ。工程的なことを言うならば、こんな感じである。
【マスク用冷感シートの使い方】
1:シートを水で軽く濡らす。
2:凍らした保冷剤とシートをポリ袋に一緒に入れる。
3:ポリ袋ごとアルミ保冷バッグに入れて持ち運ぶ。
4:冷感シートを取り出してマスクにセットする。
5:キンキン。
ご覧のように、マスクを冷やすのではなく、マスクと肌の間に入れるもの(シート)を冷やすのがミソ。今年の6月からマスクを冷やすことに試行錯誤してきた私としては「その発想があったか!」となったのだが……みなさんはいかがだろうか。
・使って感じた “凄さ” と “欠点”
さて、実際に使ってみることにしよう。シートを不織布マスクにセットし、着けてみると……なんというパンチのある冷たさだろう。ユニクロの新型「エアリズムマスク」をそのまま装着したときより、断然ヒンヤリしている。一応ユニクロの方は接触冷感なのだが、勝負にならない。
こりゃすごい。エアリズムマスクは快適さだけを追求したものではないとはいえ、1枚約330円のマスクより冷たいのは見逃せない。
ただし!
それはあくまでも装着直後の話。お察しの方もいるだろうが、この冷たさは長持ちするものではないのだ。どれだけ持つかは気温や湿度などによるから一概には言えないが、私が8月に東京(屋外)で不織布マスクを使って試した体感としては、「冷たさを感じるのは長くて30分ほど」といったところだろうか。
太く短く生きる。『マスク用シート氷冷感「ヒヤッとシート」』とは、そういうヤツなのである。
・時間による変化
いちおう変化を簡単に紹介しておくと、キンキンの冷たさを感じるのは一瞬で、そこから15分ほどは口の周りを水で濡らしたような(悪く言えばマスクがビショビショになったような)冷たさに。そのあとは「まぁ冷たいと言えば冷たいかな?」的なほんのりとした冷感で、30分を過ぎたら “若干湿っているだけのマスク” になった。
もちろん、シートが1枚死んでも保冷バッグの中で保冷剤が生きていれば、連続でヒンヤリを味わえる。別のシートをどこかで濡らし、保冷剤の袋にぶち込めばいいだけ。保冷剤が死ぬまで、それは可能だ。
しかし、シートの連続投下は結構なチカラ技。なにより面倒くさくもあるので、「ヒンヤリタイムは長続きしないから、シートは “ここぞという時” に使おう」くらいに思っておく方が現実的かと思う。
・使った人の意見が割れる
ちなみに、上に挙げた欠点のためか、『マスク用シート氷冷感「ヒヤッとシート」』はAmazonで高評価と低評価でキレイに割れている。おそらく、連続して冷たさを感じられることを期待して購入した人は「思ったものと違うな〜」となるのだろう。
なので、購入を考えている人は「冷たさはあまり長続きしない」点を考慮に入れて決めた方がいい。私としては「時間が短くてもヒンヤリするんだから夏の時期はアリ!」という感じなのだが……。中には、「これなら無くていい」って人だっているに違いない。
どちらにせよ、ひとまず試しに買ってみることも可能な価格設定(1枚約33円)なのはありがたいところ。
なお、そもそも商品自体が合わない人もいるだろうから、異常を感じたときは決して無理なさらず。そのあたりのことが書かれた「使用上の注意」を事前に読んだ上でどうぞ。