日本人であれば誰もが一度は目にしたことがあるだろう “世界名作劇場” シリーズ。名作と銘打つだけあり、いずれも胸アツな作品ばかりだ。中でも、記者が大大大大好きなのは『ロミオの青い空』。はじめて見た時は「こんな世界があるのか……」と、子ども心にショックを受けたことを覚えている。
オンエア当時、アニメの最終回が待てなかった記者。そこで原作『黒い兄弟』を読んでみたのだが、これまた大変な衝撃だった。そんな懐かしの『ロミオの青い空』が2020年9月1日より、YouTubeにて期間限定全話無料公開をしているというではないか。取り急ぎ、第1話を見返してみた感想を聞いてほしい。
・OPを聴いただけで涙
『ロミオの青い空』を見たことがある人もない人も、少なからず同作のOP曲 “空へ…” は聞いたことがあるだろう。「街並 見おろすのさ 一番高い場所で 涙や悲しみなど すぐに消えてしまうから~♪」というアレである。どうでもよいが、記者がカラオケに行った際に必ず歌う曲でもある。
さて、作品を見たことがある身としては、この曲を聞いただけでダメだ。何がダメかと言うと、登場人物たちの今後を思い起こし、涙を禁じ得ないのだ。もうこの段階で見る気力が削がれつつあるが、気を奮い立たせていざ、本編へ!
・冒頭のセリフを聞いて涙
「昔、世界は今では想像もつかないほど貧しい暮しを送っている子どもたちが大勢いました。でもその心は勇気や友情が溢れていたのです。そう、ロミオの心も……」冒頭のセリフである。なんだか明るい未来のある風な、良い感じのセリフだ。
しかし、途中のあれやこれやを知っている者としては「そんな簡単な言葉で片づけないで!」と絶叫してしまいそうになる。ここまで書けば、未見の方もお気付きのことだろう。このアニメ、内容がそこそこシンドイのだ。
・悲惨なラスト
大人になって見ると、余計に心にクルものがある。リアタイ視聴していた時は、ボヤっと違う世界のようにして遠くの方から見ていた。しかし大人になり、なんとなくベースとされている世界や時代のことを理解し、その上で見ると一層苦しい気持ちになるのだ。
登場する主要キャラが子どもたちなので、なおさらだろう。第1話のラストは「え……そこで終わるの???」という、救いようのない終わり方をする。しかし、この苦しみはほんの始まりに過ぎない。いやはや、なんて過酷なアニメなんだ。
・EDが救い
救いとなるのがED曲 “Si Si Ciao〜ロマナの丘で〜” だ。こちらも作品の内容を知っている立場からすれば、心臓がギュっとする歌詞ではあるが、それでも明るいメロディーに取りあえずはホッとする。
とまあ、以上がザックリとではあるが久しぶりに第1話を見た記者の感想だ。「そんなに苦しい思いをしてまで見たくない」と考えるかもしれないが、そうではない。この苦しさを受け止めてこそ、その先に見える景色があるのだ。
なんなら、一生大切にしたい作品のひとつになることだろう。とにもかくにも、物は試しだと見てみることを激しく勧めたい。なんてったって、YouTubeで全話無料公開中だからな!!
参照元:YouTube日本アニメーション・シアター「ロミオの青い空」
Report:K.Masami
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