丸亀製麺が誇るうどんのプロフェッショナル「一つ星麺職人」。その一人である柳瀬さんには、当サイトも度々お世話になっている。特に前回の記事では、最後の最後で柳瀬さんの口から衝撃的な一言が飛び出し、主に私(あひるねこ)を心から震撼させたことも記憶に新しい。
そんな柳瀬さんから先日、約1年ぶりに連絡があった。なんでも現在発売中の新メニュー・月見『鶏すき焼きぶっかけ』が最高にウマいので、ぜひ食べに来て欲しいという。柳瀬さんがそこまで言うのなら! とお店に駆けつけた私。しかしその結果、やはり今回も “とんでもない事実” が明らかになるのだった。
・再会
秋と言ったら月見。月見と言ったらうどん。うどんと言ったら丸亀製麺ということで、丸亀でお月見するため久しぶりに柳瀬さんが働いている神田小川町店へとやって来た。厨房には慣れた手付きで麺を茹でる柳瀬さんの姿が。
──柳瀬さん、お久しぶりです! 今日は柳瀬さんが激推ししてきた月見『鶏すき焼きぶっかけ(並・税込690円)』を食べに来ましたよ。さっそくですが、このうどんの魅力を……え?
柳瀬さん……なのか……?
「もちろん僕ですよ。アクリル板越しから失礼します。あひるねこさん、どうもお久しぶりです」
──さすが一つ星麺職人、ソーシャルディスタンスの意識もハンパないですね。ただ、このまま話を進めていくのはちょっくら斬新が過ぎるので、こちらで勝手に顔を入れさせてもらいますよ。
「どうぞどうぞ」
──それでは柳瀬さんオススメの月見『鶏すき焼きぶっかけ』について聞かせてください。こちらは温かい月見のぶっかけうどんですけど、鶏すき焼きってけっこう珍しいですよね。
「そうなんです! この商品は香ばしく焼き上げた鶏むね肉、もも肉、つくねと白ねぎを濃厚な甘辛いタレですき焼き風に仕上げています!! それが打ちたてかつ出来たてのもちもち麺と生玉子によく絡むんだ~! お月見の季節にピッタリの商品だと思いますよ!!」
──うわ、何ですかそれ。めっちゃウマそうですね。そしていつも以上にテンションが高い。
「ええ、今回ばかりは僕も黙っていられません! 丸亀製麺のメニューはどれも麺とよく絡み合うように作られていますが、この商品は特にうどんとよく絡む!! 甘辛いタレが、僕が打った麺と最高にマッチしてくれるんです!」
──なるほど~。
「しかも鶏肉と白ねぎは、注文をいただいてから焼き上げるんですよ! ああ、もうこうしちゃいれらない……!! すいません、ちょっと僕、厨房に行ってきます!」
──え!? 柳瀬さん!?
・自由な男
そう言うと柳瀬さんは厨房へ走っていき、いつもの綿棒ではなくフライパンを手にした。鶏油を絡めた鶏肉と白ねぎを焼き上げたかと思うと、そこへ醤油をベースに砂糖、みりんを加えた濃厚なタレを絡ませていく。
ちなみにこの時、元気なベテラン女性店員さんにめちゃくちゃ細かく作り方を指導されていたことも併せて記しておきたい。
こうして完成したのが……
月見『鶏すき焼きぶっかけ』である。
──す、すごい……。柳瀬さんこれ、100%ウマいやつじゃないですか!
「ありがとうございます。まずは玉子を崩さずに、周りから食べてみてください」
・いただきます
おお、これは……。むね、もも、つくねという食感の違う3種類の鶏肉が、うどんに負けないくらいタップリ入っていて食べ応え満点。しっとり柔らかな むね肉にジューシーなもも肉、つくねにコリっとした軟骨が入っているのも嬉しい。まるで焼き鳥がそのまま上にのっているみたいだ。
続いて柳瀬さんに促され……
箸で玉子を……
崩す!
「ほらほら! どうです!! うどんとよく絡むでしょう!? 僕が打った麺と特によく絡むんだこれが!」
すいません、ちょっと黙っててもらえますか?
・納得
だがたしかに柳瀬さんの言う通り、まろやかな玉子が加わることでより濃厚に、そしてマイルドになったタレがうどんとこれ以上ないほどによく絡むのが分かる。まるで黄金に輝いているかのような……。そこを勢いよくズズッ! とすすると、
\(^o^)/ やっぱウマ~い \(^o^)/
・絶品
鶏の出汁の旨み、香ばしいタレがうどんとマッチして激ウマ! 食べる前から薄々気付いてはいたが、この組み合わせは反則ではないのか。そして同時に中毒性も極めて高いと思われる。なぜならこの記事を書いている今、もう一度食べたすぎて激しく悶えているから。どうしてくれんだよ……!
──ところで柳瀬さん、月見『鶏すき焼きぶっかけ』に合うオススメのトッピングがあれば教えていただきたいのですが。
「いい質問ですね。ただ月見『鶏すき焼きぶっかけ』の場合、そのままの状態で完成しているため、個人的には特にトッピングは必要ないんじゃないかとも思ってまして……」
──なるほど、何も入れてくれるなと。
「いえ、そこまでは言ってないですが(笑)、あえて挙げるなら七味ですかね。ピリッとして鶏によく合いますし、それに丸亀製麺の七味は実はオリジナルなんです。辛味よりも香りを楽しんでいただけるように調合されているのでオススメですよ」
──え、そうなんですか? 知らなかった~。
意外と知らない丸亀トリビアに驚きつつ、月見『鶏すき焼きぶっかけ』の魅力を存分に味わい尽くした私。しかしこの後、柳瀬さんの口からまったく予想だにしなかったとんでもない事実が明かされる。覚悟せよ……。
──柳瀬さん、今日はどうもありがとうございました! やっぱり打ちたて茹でたての麺は最高にウマいですね。柳瀬さんが打った麺だから尚更でしたよ! またこちらに月見『鶏すき焼きぶっかけ』を食べに来たいと思います!!
「あ、ごめんなさい。実はこの神田小川町店では月見『鶏すき焼きぶっかけ』は販売しないんですよ」
──えええええええええええええええええ!?
・意味不明
この男は一体何を言っているのだろうか? あれだけ熱く語っていた月見『鶏すき焼きぶっかけ』が、自分の働いている店舗では販売されない……? え、どういうこと? 今までどういう感情だったん? おい、笑ってる場合じゃねーぞ柳瀬さん!
「この件に関しては、僕ももどかしい気持ちでいっぱいです……」
──まあ、あれだけ力説してましたからね。
「僕が一番、月見『鶏すき焼きぶっかけ』に合う麺を上手く打てるのに……!」
──大丈夫ですかそんなこと言って。
・真相
柳瀬さんによると今回は私のため、特別に月見『鶏すき焼きぶっかけ』を用意してくれたらしいのだが、本来こちらの神田小川町店は、同時に発売された新商品『旨辛まぜ釜玉(並・税込620円)』の販売店なんだそうだ。
ここに来てのまさかの新キャラ登場に驚くも、この『旨辛まぜ釜玉』ときたら月見『鶏すき焼きぶっかけ』に負けず劣らずウマいので困ってしまう。特に麺の上にのっている そぼろは、醤油をベースに生姜とニンニクを効かせて甘辛に仕上げられており、店頭では掟破りのニンニク増しも可能とのこと。
・期間限定
アクリル板越しに激しく肩を震わせる柳瀬さんだったが、どちらの商品も激ウマかつ激マストな一杯となっていることは間違いないだろう。共に10月初旬までの販売を予定しているため(販売状況によって店舗ごとに異なる場合あり)、各自忘れずに駆け付けてほしい!
ちなみに柳瀬さん、近隣の店舗にヘルプで出没することもあるらしい。つまりその時なら、柳瀬さんが打った麺で月見『鶏すき焼きぶっかけ』を食べられるということになる。お店を訪れた際は、厨房の中までチェックしてみるといいかもしれないぞ!