今から20年以上前、テスト用紙を配る際に指をペロッと舐める年配の先生がわりといたように覚えている。私は別に潔癖症ではないからそこまで気に留めていなかったが、ツバで濡れた紙はサッと後ろの席にパスされることもしばしば。先生の指ペロを嫌っていた人も多かったような気がする。
年をとったら手に水分がなくなるため紙をめくりにくい。改めて考えたら仕方のないペロリかもだが、今はあの頃から随分と時間も経って世の中も便利になった。もちろん、指ペロ問題を解決してくれる便利グッズだって当たり前のように売られている。
・便利アイテムはどれくらい便利?
ということで先生の指ペロを思い出しながら購入してみたのが、紙めくりクリームのメクール(税抜249円)と指サックのメクリッコ(179円)である。書類が減っている今の時代、なんとなく効果を想像できたとしてもどれくらい便利に使えるのかイマイチ分からない人もいるだろう。
そこで用紙を20枚キッチリに取り分けるタイムアタックで差別化を図ってみることにしたワケだが、今は新型コロナウイルスの影響もあるので舌ペロを除外。「素手」「紙めくりクリーム」「指サック」の3本勝負で決着をつけよう。
・タイムアタック
まずは素手からチャレンジだ。言うほど時間差はないんじゃないのかな……という予想と謎の自信で挑んだのだが……
普段からあまり紙を使う機会がないため、どこかぎこちなくなってしまう自分がいた。感覚としては1枚、1枚を地道にめくって数えていくしかない。サクサク思い通りにいかないあたり、もしかしたら自分にも年齢の波が来ているかも……と震えながらめくっていく。そしてかかったタイムは……
40秒
遅いのか早いのか微妙なラインだが、1枚あたり2秒はテスト用紙を待っている生徒がイライラしそうなタイム。焦る自分もイヤだし、なんだか昔の年配先生が指ペロでスムーズに紙を配りたくなる気持ちも分かるような気がした。
先生も大変だったんだなぁ……と昔を思い出したことはさておき、続いては紙めくりクリーム先生を使っていくとしよう。ちなみに私は初めて使ったのだが、手がベタベタすることもなく感覚的には素手とほとんど変わらない。しかも、使用後は水で簡単に洗い流せるそうだからスゴい!
めくっているうちに “めくり効果” がなくなったのかスイスイいかなかったため、餅つきのようにクリームを補充しつつ紙を数えていく。とはいえ、明らかに素手より早い。気になる結果はというと……
25秒
素手の半分とまではいかなかったものの、15秒も短縮することができた。素人の私でもこうなのだから、普段から紙に触り慣れている人であれば15秒……いや、10秒の壁さえも越えていけるかもしれない。
んでもって最後は指サック先生の登場だ。まずは人差し指1本だけにはめて数えたところ、なんというか逆にやりづらい。てなワケで、商品に入っていた4つをすべて装着してやってみることにしたらなんと……!!
21秒
まるで手が紙にくっつくかのようで相性抜群! 1枚1枚を早く、そして正確に取り分けることができた。いちいち装着するのが面倒とはいえ、持ち運びは楽チン。指ペロを嫌う人がいること、さらには今の世の中を考えると便利グッズを使用した方が正解だろう。
・指ペロ禁止の会社も
便利グッズは値段も安いため、もはや指ペロの文化は消滅寸前……かもしれないが、実を言うとすでに指ペロを禁止にしている会社も存在する。心霊スポット巡礼ツアーでも知られる三和交通がそうで、2019年11月にネットでもバズったツイートを覚えている人もいるのではないだろうか。もう「STOP指ペロ」の時代が来ているのだ。
もちろん今は新型コロナウイルスの影響もあって、どこであろうと指ペロ厳禁。このままだと指ペロは解禁するどころか封印されたまま、古き良き時代となってしまう可能性だってある。もしかしたら指にツバをつけて書類をめくる先生が懐かしく思えるのも今の世代だけかもしれない。
参照元:Twitter @sanwa_taxi
Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.