家族3人、GoToトラベルで「サンリオピューロランド」に行ってきました / 東京ディズニーランドとの違いについて

つい先日の祝日、私(P.K.サンジュン)は生まれて初めて「サンリオピューロランド」に行ってきました。4歳の愛娘に「行きたい行きたい」とせがまれたら、私としては断ることが出来ません。我ながら娘には甘いと思いますが、娘からは「お父ちゃん怖い」とか言われるのは何故なのでしょう? シンプルに理解できません。

さて、今回のサンリオピューロランドは例のアレ、そう「GoToトラベル」を利用しました。この記事では家族3人でかかった旅費をご紹介しつつ、初めてのサンリオピューロランドの感想を述べていきたいと思います。サンリオピューロランド、結構スゴかったです。

・ホテル付プラン

私は都内に在住しているので本来なら日帰りでも良かったのですが、娘は大のホテル好き。以前、東京ディズニーランドのホテルに宿泊したところ、なんならパークよりもホテルの方がお気に召していました。どうやら「遊園地に行く前はホテルに泊まるもの」的な感覚があるようで、今回も自然に前乗りになった次第です。

で、プランとしては保育園を終えた娘をそのまま電車に乗せ、サンリオピューロランドのある多摩センターまで直行。多摩センターで夕食を済ませた後、ホテルにチェックインして1泊するというものでした。翌日はもちろん朝からサンリオピューロランドです。

ホテル選びやその他のプラン等はすべて妻に任せていましたが、後から聞いたところ、旅行会社に払った金額は3名分のホテル代(朝食付き)とピューロランドのパスポート2枚込みで1万4170円とのことでした。これに娘のチケット代、2400円が加わります。

つまり、合計で1万6570円がかかったことになりますが、 GoToトラベルのクーポン券が3000円分もらえました。嬉しかったのはこのクーポン券が園内のおみやげ売り場で使えたこと。結局はシナモロールちゃんのぬいぐるみに化けましたが、もらったクーポンを迷わず消費できるロケーションはありがたいですよね。

・総額は

お金の話を先に済ませておくと、これに加えて場内の飲食費と雑費、さらには交通費で総額は2万円ちょいというところでしょうか。そこからGoToトラベルのクーポン券3000円分が差し引かれます。

要するに「1泊2日、親子3人サンリオピューロランドの旅」は総額2万円弱、という感じでした。これが高いのか安いのかはわかりかねますが、とにかく娘が大喜びだったので個人的に言うことはありません。ちなみに祝日の大人の入場料は3800円。ぜひ、参考にしてください。

・なかなかスゴかった

さて、42歳にして初めて足を踏み入れたサンリオピューロランドでしたが、いい意味で私の予想を裏切ってくれました。なんとなく「ディズニーランドのサンリオ版」をイメージしていたんですが、なんだかんだ結構違いましたね。以下で私が感じた3つの特徴を述べていきたいと思います。

・その1: 敷地の規模が小さい

東京ディズニーランドはもちろんのこと、としまえんや後楽園と比べても、サンリオピューロランドはかなり小ぶりな施設でした。実はコレ、親としては大変ありがたいことで、施設内の移動距離が短くて済むためそこまで体力の消耗が激しくありません。

まだ娘は「近いからここに行こう」などと計算できる年齢ではなく、無造作に「〇〇に行きたい」「〇〇に乗りたい」とリクエストしてきます。屋根付きの屋内施設だったこともあり、移動による体力の消耗はかなり控えめだったと言っていいでしょう。

・その2: アトラクションがメインではない

私はてっきり「キティちゃんのメリーゴーランド」や「マイメロちゃんの観覧車」的なアトラクションがメインのテーマパークかと思っていましたが、いわゆる乗り物系のアトラクションは数えるほどしかありませんでした。ピューロランドのメインは「シアター」だったんですね。

確認できた限りだとサンリオピューロランド内には5つのシアターがあり、どこかしらでショーやムービーの上映が開催されています。中でも私が衝撃を受けたのは、その名も「KAWAII KABUKI(かわいいかぶき)」──。そう、キティちゃんが座長を務めるサンリオ流の歌舞伎なんです。

後から詳しい人に聞いたところ、この 「KAWAII KABUKI」は松竹が監修を務めているらしく、緞帳(どんちょう)が上がるとキティちゃんが平伏して登場するんですよ。登場キャラもそうですが、練り上げられたシナリオや演者たちのパフォーマンスなど、ちょっと衝撃を受けましたね。これを見るだけで2000円くらいの価値があると思います。

・その3: サンリオ愛がヤバい

ディズニーランドもそうですが、サンリオピューロランドには当然のようにサンリオ愛にあふれる人たちが来場していました。やはりというべきか、若い女性同士のお客さんが多かった印象で、ほぼ全員がキティちゃんやクロミちゃんのカチューシャを身に着けていましたね。

あとは圧倒的に多かったのが子連れの家族。東京ディズニーリゾートのパスポートは8200円、子供でも4900円しますから、子供がメインならピューロランドになるのも頷けるところです。しかもまだうちの娘くらいだとピューロランドの広さで十分なんですね。ディズニーランドを思いきり楽しむだけの体力がまだ備わっていません。

料理のメニューの1つ1つもそうですし、キャストさんたちもそう。園内の随所にあふれるサンリオ愛を感じました。それでも私が「キティたん! キティたん!!」……とはなりませんが、また娘を連れてきてあげたいな、とは思います。あと、懐かしいサンリオのキャラを見つけるのも地味に楽しかったです。ゴロピカドンなんて何年ぶりに目にしたでしょう?

というわけで、私的には「ディズニーと住みわけが出来ているな」「シチュエーションによってはピューロランドもいいな」と感じた初めてのサンリオピューロランドでした。小さなお子さんをお持ちのお父さんお母さんたち、良ければ参考にしてください。

参考リンク:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.



【スマン】沖縄の新名物『黒い濃い人』が思ってたのと全然違った!

「沖縄へ行ったら『嫁ニーさん』にバッタリ会えるかもしれない」と密かに期待していた。『嫁ニーさん』とはテレビのバラエティ番組で一躍人気者になった沖縄在住の『一般人』。

と、思っていたのだが……那覇の土産物屋をのぞいてみると、どこもかしこも『嫁ニーさん』のグッズだらけだった。これは恐らく相当運が良くなければ「バッタリ会える」ことはないだろう。少し残念ではあるが、コロナ禍の景気回復に大きく貢献されているのは喜ばしい。

関連商品の主力は、某有名菓子へのリスペクトをビンビンに感じる『黒い濃い人』である。旅のネタとして1つ購入しておこうか。

・見た目で判断してはいけない

ちなみに結論から先に申し上げると、『黒い濃い人』は “本家超え” の可能性もあるハイクオリティスイーツだった。なぜ先に結論を言ったのかといえば、私は『黒い濃い人』に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだからだ。

だって正直、私の人生において “この手のパッケージと商品名” の菓子がウマかった試しはない。『黒い濃い人』はどう見たって “ネタ商品” の部類であり、よくある土産菓子と同様に『味は二の次』である可能性が高いと思われた。

が……それは大きな間違いだったのだ。私は「菓子を見た目で判断してしまった」ことを深く反省し、先に謝罪しておいた次第なのである。それでは時を戻そうか。

・お子さんもたぶん大ウケ

よく見ると『黒い濃い人』のパッケージには細かい仕掛けが隠されているぞ。

各サイド部分に沖縄を感じさせるフレーズ。

なかなか内容が哲学的である。

8枚入りで価格は800円(税抜)。

中身を食べ終えると……

なんとボックスの下から『濃い人』の顔面が出現する仕組み!

お面のように立て掛けることもできるぞ。う〜ん、凝ってるなァ!

・普通にウマいです

さて『黒い濃い人』の正体は、某北海道のアレと同様『ラングドシャ』である。「黒い」ったって、せいぜい “濃い茶色” くらいかと思っていたら……

黒っ!!!

この黒さは『炭末』によるものらしいが、別に炭の味がするわけではなく、パッケージにもあるように『芋』の風味がかなり強い。沖縄特産『ちゅら恋芋』という品種が使用されているようだ。凝ってる!

個人的に特筆すべきポイントは “ラングドシャの歯ごたえ” 。一般的なラングドシャは「しっとり」「サクサク」を売りにしているものが多いなか、この黒いラングドシャは「パリパリ」あるいは「ボリボリ」としていて非常に斬新である。

ネタとしてインパクトがあるだけでなく「かなりおいしい」ということも判明した『黒い濃い人』。直接聞いたわけではないけれど、『嫁ニーさん』が相当こだわって作り上げたことは間違いないはずだ。沖縄土産の頂点に君臨する日は近いかもしれない?

参考リンク:黒い濃い人
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.



【死ぬ…】GoToトラベルで車で三重に行ったら “地獄” を見た話 / 年末年始などの大型連休が今から心配

2020年10月1日から東京発着も対象となったGoToトラベルキャンペーン。旅行商品の割引と地域共通クーポン合わせて最大50%がお得になるのはやはりありがたい限りだ。

私(中澤)は、特にお得だからと旅行するタイプではないガチのインドア派。だが、10月24日は三重県に行かなければならない用事が前々から決まっていた。そこでGoToを利用して、車で三重県に行ってみたところ地獄を見たでござる

・朝6時に出発

前々から決まっていた用事とは野外ライブ。私はバンドマンなのだが、去年の今頃くらいにこのフェス「Wow!signal」に誘われた。当初は5月の予定だったが、コロナ禍が起き延期され、形を変えて対策を行い、改めて市に許可を取ってようやく開催にこぎつけたのが今回である。

さて置き、売れないバンドのツアーと言えば車移動。これは楽器、エフェクター、物販など荷物が多く自分たちで運ぶため、ライブ場所が駅から離れていると辛いからである。そして、今回の会場も駅から離れた場所。そこで我々は24日の朝6時に集合し、車に乗り込んだ。

・行きで事故が2つ

この時カーナビの到着予定時刻は11時過ぎ。スムーズに行けば、我々の出演時間15時30分の4時間30分前に着く。とは言え、スムーズに行くわけがないのが車である。まして今日はGoToも始まっている土曜日なので大分余裕を持って出発したわけだ。

そして、予想通り、現地に着いたのは12時30分頃となった。途中で事故渋滞が2つ発生しており1時間30分の遅れ。早く出て良かった……。

・三重サイコー

つつがなく出演を終え、一泊して三重県を満喫。ここで素晴らしい店に出会い我々は三重県が大好きになった。こういう発見も旅のだいご味と言えよう。

その店については機会があれば記事にするとして、翌日曜日の昼13時、帰路に着いた我々は充実感で満たされていた。本当に来てよかった。

カーナビで目的地を新宿に設定すると到着予定時刻は18時。もし、高速が渋滞したとしても明日の仕事に響かない時間には着くだろう。いやあ、最高だったね三重県! 笑顔しかない。だがしかし、地獄は新東名高速道路に口を開けていた

渋滞が行きの比じゃない。はるか彼方まで続く車の列、そのスピードは牛歩なみの遅さ。ただでさえ長い静岡が倍の長さに感じる。

・地獄

やっとの想いで足柄SAに着いたのは、到着予定時刻だった18時頃。まだ静岡すら出られていない。だが、SAに入る前、車は流れていた。もう大きいのは越えたんじゃなかろうか? そう思い、交通アプリを見たところ、本当の地獄が始まることを知った。この先の道が……

真っ赤っかや

その距離は先ほどの渋滞の比ではない。東名で帰ったらもう少しマシだったのだろうか? そこで表示範囲を広げてみると全部真っ赤!! GoToトラベル都民解禁とは言え、ただの土日でこれほどとは。

・死ぬ…

この時点でカーナビの到着予定時刻は21時。とは言え、帰らないわけにはいかない。幸い、ガソリンはあったので、大行列のガソリンスタンドを横目に出発したところ……

渋滞25km……

死ぬ……

これまでが生易しく感じるほどの地獄の大渋滞。足柄までは、疲れているにしても普通にメンバー同士で話していたのだが、会話が限りなくゼロになる。今、悟空が元気玉を作り始めたらブチキレてしまいそうだ

・年末年始などの大型連休が今から心配

結局、新宿に到着したのは22時を回った頃。普段なら5時間くらいの三重~東京間で9時間もかかってしまった。普通なら大阪~東京間でも余裕を持って着く時間である。しかも、今回は、そのうち4時間が渋滞だったのだ。まさに地獄。

繰り返すが、今回は3連休などではないただの土日である。それでここまで混んでいるのだから、年末年始などの大型連休が恐ろしくなった。GoToトラベル期間中は車で行かない方が良いかもしれない。

そのうち渋滞にキレて無茶する人がニュースになって、「分かり切っていたのになぜ対策しなかった!」とか政権批判に繋がるところまで見えるほどの交通状況だった。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.



【現地レポ】GOTOトラベルの『地域共通クーポン』を手に入れたが…危うくただの紙切れになりかけたので「マジで大事な注意点」を1つだけ伝える

GOTOトラベルを利用したら、めちゃくちゃ安く旅行できる。──のっけから当たり前のことを書いてしまったが、実際に同キャンペーンを利用して旅行すると、その価格に驚く。触れずにはいられないほど安いのだ。

例えばつい先日、私はGOTOトラベルキャンペーンを利用して高知県まで行ってきたのだが、「1年前なら交通費にもならない」金額でホテル代と飛行機の往復チケット代をカバーできた。おまけに地域共通クーポンまでもらえたのだから、申し訳なさを感じるほどにお得。

ただし、実を言うと私はその地域共通クーポンを危うくただの紙切れにするところだった。危ない危ない……という経験もしたので、注意喚起のためにシェアしておきたい。おそらく、同じような思いをした旅行者は一定数いるのでは? 何なら、すでに紙切れ化させちゃった人も結構いるのでは?

・思わぬ罠

GOTOトラベルは何かと複雑なキャンペーンだが、利用者にとってはそれほど難しいものではない。「旅行代がお得になるんでしょ?」くらいのざっくりとした理解で十分かと思う。なぜなら、現地に行けば分かることがほとんどだから。

頑張る必要があるのは、ホテルと移動手段を決めるときだけ。サイトAのパック旅行の方がお得なのか? それともサイトBのパックの方がいいのか? いや、パックではなく宿と交通手段を別々に取った方がいいのか? と調べるのが面倒なくらいで、それさえ決まればあとは楽しむのみ。

キャンペーンの一環である「地域共通クーポン」もそうで、基本的に宿泊先で受け取ればOKだ(紙タイプの場合)。あとは宿泊施設のスタッフが全て説明してくれる……と言いたいところだが、以前の記事でも述べたようにGOTOトラベルに関して、現場は混乱していると思った方がいい。

つまり、ホテルのスタッフでも「地域共通クーポンが使える近隣のレストラン情報」等について把握しているとは限らない。もっと言うなら、スタッフがよく分かってなくても不思議ではない。私の場合がそうで、受けた説明は「近くのファミリーマートなら使えます」だけだった。

始まって間もない上に色々とややこしいキャンペーンなので、仕方がないこと。そもそも、使えるお店に関しては公式サイトで確認できるから、ホテルのスタッフが知らなくても利用者はそれほど困らない。使えるエリアだって、クーポンにデカデカとプリントされている。これを見れば誰でも分かるだろう。

OK。クーポンに関しては何とかなりそうだから、とにかく街中を歩いてみよう。そう思って市街に繰り出すと、「地域共通クーポン」の対応店舗がそこまで多くないことに気づく。私が高知市内で確認した範囲だと、お土産物店では対応している店が多いようだが、飲食店はかなり少ない。

だったらどうするか? 私のように「お土産を買うときにクーポンを使おう」となる人が多いはずだ。で、お土産をいつ買うかというと、「荷物を増やしたくないから最終日に買う」という人が多いのではないだろうか?

少なくとも私は上のように考えて、しばらくクーポンをキープしていた。そして高知県内の別の市に移動し、そこでホテルにチェックインしたとき……! 気付いたのである。

地域共通クーポンの期限が切れかかっていることに。寿命はあと数時間! てっきり高知県に滞在中は使えるものと思っていたが、最初のホテルをチェックアウトした日がリミットになっている。ってことは、数日後に高知市内へ戻ったときに使おうと思っても、そのときにはただの紙切れ……。

状況を理解した私は焦った。同時に、近くの「道の駅」に駆け込んだ。たしか、この店は地域共通クーポンに対応しているは……ず……よし! いけるぞ! 

こうして、「道の駅」の閉店30分前に店内を物色し、良さげなものを見つくろって発送。ギリギリセーフだったのだが、もう少し気づくのが遅かったら……せっかくゲットしたクーポンを無にしてしまった後悔から、旅行気分が台無しになるところであった。

・もっとも大事な注意点を1つだけ挙げると

というわけで、結論としては「GOTOトラベルの地域共通クーポンを受け取ったら使用期限を必ずチェックして! 特に複数の宿泊施設を利用する予定の人!!」ということになる。

ホテルのスタッフがその点について注意してくれたら誰だって気をつけるだろうが、先に述べた通り現場は混乱している。私のように説明がないケースだってあるだろうから、自分自身でチェックした方がいい。逆に言うと、そこさえ確認しておけば大体OKかと思う。

もちろん、細かな注意点を挙げれば他にいくらでもある。パッと浮かぶだけでも「地域限定クーポンでお釣りは出ない」とか、「クーポンは紙と電子タイプの2種類ある」……などなど。

ただ、旅行前にそれらを全て把握していても、使用期限が切れてしまったらどうすることも出来ない。そうなったときの切なさはハンパないと思われるので、ホテルを何カ所か移動する人はとりわけ注意した方がいいだろう。

・紙タイプにのみ対応している店が多い?

あとは使用可能エリア内の使用可能店舗で使えばいいのだが、「紙タイプか電子タイプかのどちらかにしか対応してない店が多い」って点も割と重要。つまるところ、電子タイプのクーポンしか持ってない人は「紙タイプのクーポンのみ対応」の店では使用不可であり、逆もまた然りということだ。

ではどっちのお店が多いのかというと、私が高知県で確認した範囲では「電子タイプのみ対応」より「紙タイプのみ対応」の店の方が圧倒的に多い印象を受けた。

そして、紙のクーポンがもらえるか電子タイプになるかは、予約段階で決まる。たとえば、「じゃらんnet」や「楽天トラベル」で予約したら紙クーポン、「JTB」では店舗予約なら紙クーポンだが、インターネットや電話予約なら電子クーポン……といった具合。

また、「じゃらんnetでは日帰り旅行の地域共通クーポンは付与対象外」だったりと、どこで予約するかが少なからぬ差を生むのだ。

となると「予約のときにしっかり調べないと!」と気合が入る人は多いだろうが、GOTO適用後のトータル金額やホテルの規模を比較するだけでも結構大変。その上で地域限定クーポンの細かな差を調べたり比べたりするのは、かなりの手間。私の場合、パソコンをベランダから放り投げたくなった

そのような作業が苦にならない人だったらいいが、私のように「面倒くせぇ」ってなるタイプの人は「旅行代理店による地域限定クーポンの細かな相違点」など無視してもいいかと思う。細かな点まで比べ始めるとキリがないからだ。大きな差がつくのは交通費と宿泊費。そこを比較していれば十分ではないだろうか。

なにより、紙クーポンだろうが電子クーポンだろうが、でっかいお土産物店に行けば大体どっちも対応している。「とりあえず現地に行けば何とかなるんだろう?」くらいの気持ちでいる方が、旅行をより楽しめる……ような気がするぞ。

参考リンク:GOTOトラベル「地域共通クーポン」「取扱店舗を探す(マップ)」、楽天トラベルじゃらんnetJTB
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.



【沖縄】カンダバー、モーウィ、カーブチーに長寿草? 聞いたこともない島野菜ぜ〜んぶ買ってランキングにしてみたら … 最下位だけ圧倒的だった

GoToトラベルの恩恵を受けつつ沖縄旅行中。今日は路線バスで糸満市へやってきた。なんでも糸満市の『道の駅』は、トリップアドバイザーが集計した “道の駅ランキング2019年” で堂々の全国1位に輝いたらしい。

相当期待しつつ行ってみると、コレが想像よりスゴかった。ドラゴンフルーツ、パパイヤに海ぶどうなど、東京では滅多に見ない食材が山積みされている。そればかりか「聞いたことすらない」ブツも多数だ。これだけ多いと逆にどれを選べばいいか分からなくなるな。

沖縄食材に関して私は全くの素人であるから、ウカツな選択をすればツウの方に怒られてしまう可能性もある。よってここは知らない食材、ぜ〜〜〜んぶ買ってみちゃうことにしよう。

・道の駅いとまん

那覇国際通りからバスと徒歩で1時間半(車だと約30分)。広大な敷地を有する『道の駅いとまん』は特産品や土産、鮮魚、生花、その他食材といったジャンルごとに建物が分かれている。

野菜や果物を扱うのは『JAファーマーズマーケットいとまん うまんちゅ市場』という独立した店舗だ。平日の昼間だというのになかなか賑わっている様子。

野菜の他に精肉コーナーもある。

お菓子やパン、惣菜も充実しており、こちらも珍しいモノが多数。しかし加工品にまで手を伸ばしてはキリがない。今回は “野菜と果物” に限定し、道の駅いとまんで売られている中から「聞いたことすらないもの」をチョイスするルールとさせていただく。

『きんびにんじん』や『島らっきょう』、『島かぼちゃ』といった島野菜にも心惹かれるが…… “なんとなく想像がつく” という理由で泣く泣く除外。

その結果、生き残ったのは総勢11種類の島野菜たちである。ネットで情報収集しつつ、さっそく調理に取り掛かるとしよう。

・まずサラダ

さて購入した11種類のうち、5種類はサラダに加工できるようだ。

この記事内の調理法について、沖縄の方などから見れば「そうじゃない」と思われる部分もあるかもしれない。重ね重ね私は素人であるため、多少自己流となることをご容赦いただけると幸いだ。

まずヒョウタンにも似た茶色の『モーウィ』。見た目からは芋系の野菜を想像していたが、切ってみるとキュウリっぽい匂いがする。

皮とタネを取って薄切りにし、塩モミしておこう。

次は『サラダヘチマ』。ヘチマといえばスポンジのイメージしかなかったけど、売られている量を見れば沖縄ではかなりメジャーな食材であることが推測される。フカフカとした不思議な感触だ。

スーッと皮を剥くのがなんとも快感。輪切りにし、こちらも塩をふっておく。

続いて『サラダ用グァバ』。グァバもジュース等、加工品の印象が強い。

よく分からないので適当にスライスしておこう。ニンジンくらいの硬さがある。

それから『赤丸オクラ』はその名の通り、鮮やかな赤色が特徴なのだが……

なんと、サッと煮たら一瞬で緑色に変色し、普通の沖縄オクラになってしまった!!! ちなみに沖縄オクラは本州のオクラに比べて丸っこいのが特徴だぞ。

最後の『サクナ』は別名『長命草』と呼ばれ、食べれば寿命が伸びるとも言われている薬草らしい。コレは調理せずそのままいただこう。

盛り合わせればいかにも健康的な島野菜サラダの完成だ!

・そして揚げもの

油で揚げたいのは『うりずん』『島ニンニク』の2つ。

まず『うりずん』についてだが、以前お伝えした『沖縄てんぷら』に関する記事内において、東京ではどうしても『うりずん』が手に入らず断念したという経緯がある。

よって今回は『うりずんの天ぷら』リベンジといきたい。よく洗ってヘタを取り、衣をつけて油に投入。

揚げ時間はごく短めでOKだ。

それから本州で見るよりかなり小ぶりな『島にんにく』はそのまま素揚げ。

・さらに炒めもの

『カンダバー』という、ポケモンかプロレスラーみたいな名を持つ青菜はベーコンと塩胡椒で炒めものにしよう。

アクセントに島ニンニクも入れたら……

中華料理風な『カンダバー炒め』の出来上がり。

・最後はデザート

残った3種類は果物なのでそのままデザートに。

真っ赤な『レンブ』は沖縄のほか、マレーシアや台湾でも栽培されているらしい。

『カーブチー』は小さめのミカンといった雰囲気。皮ごと切ればさわやかな香りが広がる。

最後の『島バナナ』はモンキーバナナに近いものだろうか? 一房300円とは、大きさを考えると一般的なバナナの数倍の価格。鮮やかなグリーンでいかにも南国っぽい。

お皿に並べると……

おぉ! なかなかSNS映えしそうな雰囲気〜!

・いざ実食

それでは11種類の島野菜を食べ比べ、個人的にランクづけをさせていただきたいと思う。全て初体験の食材であるため、あくまでも第一印象だということをお断りしておきたい。

【超オススメ】

・モーウィ

・うりずん

・カーブチー

まず “ウマさ” と “斬新さ” を併せ持っていたのが『モーウィ』と『うりずん』だ。モーウィはキュウリに近い味ながら歯ごたえが段違い。うりずんはインゲン風ながら適度なクセと食感があり、個人的にはインゲンより断然好みである。

また『カーブチー』が思ったより酸っぱくてビックリしたが、顔をしかめるほど強い酸味ではない。「酸っぱいものが食べたいけどレモンは酸っぱすぎる」という人は、カーブチーをかじればちょうどいいのではないだろうか。飲み物に入れたり料理に添えてもよさそう。

【けっこうウマイ】

・カンダバー

・赤丸オクラ

・島ニンニク

『カンダバー』はほんの少しぬめりがあり、ホウレンソウと空芯菜の中間といった感じ。『赤丸オクラ』と『島ニンニク』は本州のものとあまり違いが分からなかった。この3つは変わったものが苦手な人もおいしく食べられるはずだ。

【好みが分かれそう】

・サラダへちま

・レンブ

・サラダ用グァバ

『サラダへちま』を口に入れた瞬間、なんとも言えない “ヘチマ感” が口いっぱいに広がった。このモヤモヤとした食感がダメな人はダメかもしれないが、もしかするとドレッシング等をかければ全然違うのかもしれない。

『レンブ』もまた食感が独特だ。赤タマネギのようにシャリシャリしており、しかし水分が全然ないためスカスカに軽い。『サラダ用グァバ』は非常に硬く、梨などを食べた際の “イガッと感” を100倍にした感じの後味が残る。どれもクセが強く、ハマる人は大ハマりするかも?

・意外なアイツが……

ちなみにただの葉っぱにしか見えなかった『サクナ』だが、これがなんと、完全に葉っぱであった。子供の頃に庭でかじった葉っぱそのもので、少し苦いが食べられないほどではない。「健康によい」と言われたらむしろ全然食べます! といった感じのポジションだ。

そして今回ダントツの最下位は……あまりにも意外なのだが『島バナナ』である。

サトウキビのごとく硬い皮をバリバリとむけば、これまたヤングコーンのごとく硬い果実が出現。食べてみたら……甘みゼロ! 激しい渋味! ガリガリの歯ごたえ! 正直とても食えたもんじゃねぇ……

バナナと油断して何の下調べもしていなかったのだが、ひょっとして島バナナとは料理用の食材なのだろうか? 慌てて調べてみたところ、どうやら島バナナは購入後に自宅で『追熟』させるのが常識だったらしい。

つまり今回購入したグリーンのバナナは、ここから数週間後に食べごろをむかえることになる。私の沖縄旅行は残り1週間……果たして最終日までに島バナナは甘くなるのだろうか? 文化の違いを痛感しつつ、じっとバナナの成熟を待ちたいと思う。

ここでご紹介した他にも、沖縄には多くの謎めいた野菜や果物が存在している。糸満市以外でも多くの道の駅や直売所が点在しているので、現地を訪れた際はぜひ探してみてほしい。

参考リンク:JAおきなわ うまんちゅ市場
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.



【コラム】GoToトラベルに東京が追加されても東京在住者が「じゃあ旅行するか」となれないワケ

旅行代金の2分の1相当を支援してくれるGoToトラベルキャンペーン。2020年10月1日から東京発着もGoToの対象となった。ついにキタか! ならば直ちに旅行だー!!

という気分にはとてもなれない。私(中澤)の場合は。だってだって……

・友達がいない

1人旅が楽しめる人って旅行上級者だと思う。特に旅行が趣味というわけでもない私からすれば、数人でワイワイ羽を伸ばせるのが旅行の醍醐味(だいごみ)。でも、そんな友達はいない

いや、厳密に言うと少しはいる。しかし、数少ない友達も東京で1人暮らしだったり家族がいたりでみんな忙しくなってしまった。旅行に行けるほどスケジュールが空けられない人がほとんどである。

・忙しさ

そして、私もまた、用事がないのに遠出している暇が惜しい。誤解のないように断っておくが、私は決して旅行が嫌いなわけではない。だが、土・日の2日間にねじ込むと疲れる。4連休以上の連休でない限り、「旅行に行こうかな」という気分にはならない。

直近で言うと、そういう気分になったのはシルバーウィーク。旅行はあくまで年数回の特別な機会であり、私のような者がそういう時間を楽しむには心の準備から綿密な計画が不可欠なのだ。

・風説

上記だけでも腰が重いところに、極め付けとして、「今地方に行って大丈夫なんだろうか?」という気持ちが楔(くさび)のように心を打ち付ける。

東京から来たというだけで地方では煙たがられるんじゃないだろうか? いや、それ以前に、東京都民が旅行したらいまだに批判の対象になるのではないだろうか?

なお、地方の現状については、10月1日に速攻沖縄にGoToした亀沢記者が記事で伝えているので、気になる方はご確認いただけると幸いである。

しかし、これは実際がどうかというよりGoToする側の意識の問題だ。コロナ禍初期の報道で東京都民に植え付けられたイメージはそれほど根強い。植え付けたメディアにはこれを解決する義務があると思うし、GoToを推し進める政府も解決しないと前には進めないと思う。

あれから、新型コロナ問題の根本が特に好転したわけではないので東京在住者の1人として私はこう思うのだ。結局出ていいの? それともやっぱりダメなの? と

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.



【今日から】ついに『GoToトラベル』に東京も追加! 速攻で沖縄にGoToしてみたら … 現場は混乱していた

「旅行大好き東京都民」の私は、今日という日を待ちわびていた。ついに『GoToトラベルキャンペーン』対象地域に東京都が追加されたのだ。旅行代金の補助はもとより、個人的には “政府が「行ってこい」と明言してくれた” ことが何より嬉しい。

別にこれまでも「不要不急の移動」が法律で禁止されていたわけではないが、「自粛のヤメ時」が分からなかったのである。そろそろ経済だって回さねばならないし、各自が節度を持ちつつ少しずつ移動を開始していく頃合いなのではないだろうか。

さて、あまりにも待ちわびすぎていた私は、キャンペーン初日の今日に狙いを定めて旅行を計画した……のだが、そこには想定外の落とし穴もいくつか潜んでいた。注意喚起の意味を込めてお知らせしておきたいと思う。

・キャンペーンの注意点

GoToトラベルキャンペーンに東京都も追加されることが「ほぼ確定」となったのは、9月後半になってからのこと。正確には10月1日以降出発の旅行に対するキャンペーンは『GoToトラベル第2弾』であり、9月30日までに東京都を除外して行われた『第1弾』とは内容が若干異なる。

キャンペーンの概要をまとめると以下の通り。

・宿泊は1人1泊2万円、日帰りは1人1万円を上限に、旅行代金の1 / 2相当額を支援する(国内旅行のみが対象)

・うち7割は旅行代金を割引、3割は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与する

・連泊や利用回数の制限はなし

ここで注意したいのが「新幹線や航空チケット単体の申し込みはキャンペーン対象にならない」という点だ。個人で宿泊先とチケットを別々に申し込んだ場合、宿泊代金だけが割引対象になる。

対して旅行代理店等が販売するツアーに申し込むと、チケットとホテル代の合計金額から1日あたり2万円までを支援してもらえるので、一見「それならツアーで決まり」と思いがちだ。しかしよく見ると、どちらがお得かは「ケースバイケース」であるらしい。

・1人はつらいよ

国内ツアー旅行に慣れている人には常識かもしれないが、旅行代理店などのホームページに日程や行き先を入力すると “最安値” が表示される仕組みになっている。試しに「10月1日から那覇6泊7日」で検索すると、航空券とホテルがセットで破格の「2万8000円」と表示された。

が! さっそく購入しようと入力画面に進み、よく見るとコレ “5名1室” の料金じゃないか。今回に限らず私は1人旅派なのだ。改めて “1名1室” の最安を割り出したところ……約4万6000円!

そこからGoToキャンペーンの割引を差し引くと、しめて約3万円という計算になる。ただしこれは「旅行会社が指定する便に乗り、最低ランクのホテルに宿泊した場合」の価格だ。そのため選択肢は “深夜着・早朝発の飛行機” や “得体の知れないホテル” が多い。それを変更すると万単位で料金が跳ね上がるシステムである。

それでも那覇6泊7日とすれば爆安なのだが、どうせならある程度は好みに合った計画を立てたい。そこで、そこそこ納得のいく時間帯の飛行機と宿泊先を別々に探してみたら……GoTo適用で合計約3万円!

よって今回の格安1人旅の場合、 “最低ランクのツアー” と “多少こだわった個人旅行” がほぼ同価格になることが判明した。個人旅行なら途中で計画を変更することもできるし、個人的には「それなら断然後者」との結論に至ったワケだが、こればっかりは好みや状況によるとしか言えない。

少しでもお得に旅をしたい人は、とにかく事前リサーチを重ねるしかないだろう。ちなみに予約サイトによって “GoToキャンペーンの割引を最初から引いた総額が表示される” パターン、 “適用前の総額が表示される” パターンとに分かれている、という点にも注意を払いたい。

・いくぜ沖縄!

さて、早朝5時に起床した私は成田空港へ向かった。なぜ羽田でないのかといえば、費用を抑えるためLCCを利用したからだ。「多少高くてもそういった手間が煩わしい」という人はパック旅行を選ぶべし。

コロナ以降9カ月ぶりに訪れた成田空港は閑散としているが、さりとて「ガラガラ」というほどでもない。私が搭乗した便に関してはおそらく満席である。体感としてはうち7割ほどが10〜30代の若年層。パリピっぽい人たちも多数。

ただ、彼らはフライト中もみなキッチリとマスクをつけ、ソーシャルディスタンスを守っている様子だ。若い人の旅行と聞けば “ドンチャン騒ぎ” といったイメージを持つ人もいるかもしれないが、多分それはごく一部の話なのだろう。

かくして到着した那覇空港も少し寂しげな雰囲気……しかしキャンペーン初日とはいえ平日だ。これは何とも言えない。

観光地の未来は旅行者ひとりひとりの心がけにかかっている。

・混乱する現場

ところで気になる『旅行先で使える地域共通クーポン』についてだが、キャンペーン公式サイトには「旅行業者・宿泊事業者より配布します」との記載があった。そのため私はてっきり宿泊先で受け取れるものと思っていたのだが……

宿泊先の方に尋ねたところ「ウチはクーポンは無いと思う」という答えだった。宿泊料金に関しては確かにキャンペーンが適用されているが、クーポンだけ対象外というパターンもあるのだろうか? そのあたりをツッコんでみると「仕組みがよく分かっていなくて……申し訳ない」とのことだ。

実は私は今回の宿を予約する際、本当は使い慣れた予約サイトを経由したかった。しかし予約フォームに情報を入力していくと、東京都の追加は決まっているにもかかわらず「東京都在住の方はキャンペーン対象外」と表示され、それ以上進めなくなってしまう。

その件について予約サイトに問い合わせると「10月1日から予約できる」との返答。仕方なく宿に直接電話し、他の予約サイトを紹介してもらったのだ。そういった経緯もあり、宿の人をこれ以上問い詰めるのは忍びない。今回は小額なため、私はクーポンを諦めることにした。

ちなみに再び該当の予約サイトを確認してみたが、10月1日正午現在、まだ「東京都民は対象外」との表示が出現する。おそらく現場は混乱しているのだろう。GoToキャンペーンは事前のリサーチがマジで重要だということを、重ね重ねお伝えしておく。

クーポンをもらえないとすると私の今回のプラン、金額的にはパックツアーより少し高くついてしまったのかもしれない。しかし自らの目利きで宿を選び、それが想像どおり素晴らしかった喜びは格別だ。GoToトラベルキャンペーンは来年1月31日宿泊(2月1日チェックアウト)までで対象によって異なる。。各自で自分のスタイルに合った旅をカスタムしよう。

参照元:GoTo トラベルキャンペーン公式サイト
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.



【コラム】とある観光地で数メートルごとに求められたもの…都会とはまったく違う、地方でコロナに向き合うということ

Go To トラベルの東京追加や、渡航中止勧告解除など、コロナ収束を見越した経済対策が徐々に始まっている。秋の4連休も含め、だいぶ日常生活が戻ってきているのではないだろうか。

そもそも都市部では通勤のための満員電車など「避けようがないリスク」もある。誰しも生活しないわけにはいかず、腹をくくる面もあるだろう。

一方で、地方の小さな観光地でちょっと驚いたことがあった。必要なことだと思ったが、たぶん大規模な観光地ではできないし、求められてもいない。どういうことかお伝えしたい。

・数メートルおきに求められたもの

とある重伝建(じゅうでんけん)を訪ねたときのこと。重伝建とは「重要伝統的建造物群保存地区」のことで、歴史的な家並みを街ぐるみで保存している一角だ。

有名なのは金沢の茶屋町や、函館の洋館群など。川越のような大規模なところから、ほとんど観光地化されていない小規模なところまで全国にある。小さなエリアでも人の往来が増すことは確かなので、飲食店や土産物屋が点在していることが多い。

筆者が訪れたのも小規模な地区だったのだが、観光案内所、飲食店、休憩所、土産物屋すべてで氏名・居住地・連絡先の記入を求められた。

それほど広くもない地域で、ぶらぶら歩きながら気になる商店をのぞいていたので、体感としては数メートル歩いては記名……また歩いては記名……という印象だ。すべて感染症が発生したときの連絡先として使うという。

このご時世、立ち寄った先々で個人情報を落としてくるのは、あまり気持ちのいいものではない。なにより面倒くさい。最初はともかく、2軒目、3軒目と続くと「さっきも書きました」といいたくなる。

記名がイヤなのでなるべく店に入らない、という選択肢も出てくるかもしれない。何気なく入店しようとすると、血相を変えた店員がかけ寄ってきて「検温を」と制止されることもあった。

都市部から訪れたなら「やりすぎ」と思われるかもしれない。しかし、これくらいコロナに対する警戒感、緊迫感があるという意味でもある。各店でどこまで個人情報保護を徹底してくれるかわからなかったが、筆者は納得した。周囲を見る限り、記名を拒否する人もいなかった。人口が少なく、新規感染者もまれな小さな観光地ゆえの事情である。

・背景にある事情

よく田舎でコロナになると大変だ、といわれる。筆者が住むのも地方都市。コンビニもファミレスも牛丼屋もあるが、休日にイオンに行くと高確率で知り合いに会うという程度の田舎だ。

とある家族に新型コロナウイルスの感染者が出た。数日と置かず「親の勤務先」「子どもの所属する学校、部活、アルバイト先」などが具体的に人々の口に上った。

もちろん報道はされていないし、SNSなどインターネットで広がるのではない。もしかしたらSNSでも流れていたかもしれないが、筆者の情報源は違った。ルートは「人から人へ」だ。

たとえば子どもが部活動をやっていると、父兄のつながりは他校にまで及ぶ。「〇〇校のサッカー部らしい」などと噂が出れば個人の特定は容易だ。さすがに町中みんなが知り合いというわけではないが「知り合いの知り合い」である確率はかなり高い。

店名を聞けば誰もが「ああ、あそこね」とわかるし、急に店を閉めている様子から知る人もいるだろう。そこで感染が起きたわけではないのに、たぶん「コロナの店」というイメージはずっと消えない。都市部のように毎日数十人、数百人と新規感染者が出るわけではないから、感染者の身辺がとても目立つのだ。

ニュースでは投石や落書きなどのひどい事例も目にするが、当地ではその後、誹謗中傷があったというような話は聞かない。が、見ず知らずの人々に発症の事実が知られているという居心地の悪さは想像に難くない。大げさかもしれないが「もうその地には住んでいられない」というくらいの事態だ。

もちろん「かかる時はかかる」「時の運だ」と楽観視する人もいないわけではないが、“コロナを出してはいけない” という切実なプレッシャーは、都市部のそれよりも遥かに強い気がする。

・地方への旅行

誹謗中傷は論外として、「縁」の濃い小さなコミュニティで生きることには良さも悪さもある。同じ駅を使い、同じ店で買い物をし、どこかが新規オープンすれば誰もがその事実を知っていて「美味しい」とか「いまいち」とか話題にする。

そんな中でコロナに罹患(りかん)することは、その後の人生が一変する出来事だ。治癒すれば終わりではないのが難しい。とはいいつつも、マスクもなくのんびり歩いている地元民もいて、結局は「その人次第」という側面もあるのだが。

山間部はこれから美しい紅葉シーズンを迎える。地方への旅行自体を否定するものではなく、かくいう筆者も早く遠出したくてうずうずしている。

ただ、もし都市部から訪れて「過剰だ」と思うような対応を目にしてもどうかご容赦願いたい。地方ゆえの切迫した事情がそこにはある。お互いに気を緩ませることなく、この事態を乗り切りれればと思う。

執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



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