「金沢カレー」の火付け役といえば、ゴーゴーカレーである。では元祖は? おそらく知らない人は多いだろう。元祖はゴーゴーと同じく、石川県発祥の「ターバンカレー」である。実はゴーゴー創業者の宮森宏和社長は、ターバンで修行したのちに独立している。
2019年10月、ゴーゴーカレーグループはターバンを統合。その元祖金沢カレーが2020年9月、都内に2店舗を出店していた。一体どんな味なのか? 実際に食べに行ってみた!
・都内に進出
9月14日、ターバンカレーの都内1号店は品川区のゲートシティ大崎にオープンしている。私(佐藤)が訪ねたのは2店舗目。板橋区大山の商店街ハッピーロードに出店した「ハッピーロード大山店」だ。ここは本来だと居酒屋「オードリー」で、12~16時のランチタイムのみターバンカレーとして営業している。いわゆる “二毛作” のお店である。
メニューを見ると定番はロースカツカレーだ。金沢カレーといえばコレである。そしてゴーゴーのメジャーカレーに相当する、トッピングてんこ盛りメニューは「Lセットカレー」だ。
ちなみにゴーゴーのメジャーカレーは、トッピングがロースカツ・チキンカツ・ウインナー・エビフライ。それに対して、ターバンのLセットはロースカツ・ハンバーグ・ウインナーとなっている。今回はコレの大(1200円)を注文した。
・見た目はゴーゴーと同じ
実物を見てみると、さすが宮森社長が修行したお店だけあって、ゴーゴーのルーツを感じるカレーだ。というか、パッと見でゴーゴーとの違いを判断することは難しい。現在は同じ会社なので、似通っているのも無理はない。
ゴーゴーと比べると、カツのサイズはやや小さいかも。
ハンバーグはこちらのオリジナルトッピング。ロースカツの衣があってこそ、濃厚なルウの味が引き立つ──それが金沢カレーのはず。ハンバーグの食感は濃いカレーの味に合うのか?
・控えめで奥深い味
食べてみると、味はゴーゴーより深みがあるように感じられる。どっしりとした旨味とコクがあって、非常に落ち着いた味わいだ。20種類以上のスパイスを使用しているとのことだが、味に華やかな感じはない。どちらかといえば地味な部類に入る。しかし浮ついたところがなく、飽きずに繰り返し食べられるルウに仕上がっている。
この落ち着いた味にハンバーグは合っている。肉汁を携えたハンバーグの柔らかな食感に、コクの深いルウはよく馴染んでいる。ゴーゴーと同じ流れを汲みながらも、少し大人な味を楽しめるのがターバンカレーの魅力なのかもしれない。
冒頭でもお伝えしたように、ターバンカレーは長期的な事業継続が難しくなりゴーゴーカレーグループに統合された。宮森社長が事業とその味を引き継いだのである。ゴーゴーは自社に2つの金沢カレーブランドを抱えた訳だが、今後どうなっていくのだろうか? 上手くすみ分けはできるのだろうか? これからの展開が気になるところだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 ターバンカレーハッピーロード大山店(居酒屋オードリー)
住所 東京都板橋区大山町30-11
時間 12:00~16:00(居酒屋オードリー 17:00~22:00)
定休日 水曜日