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【プレイレポ】『マリオカート ライブ ホームサーキット』がリアルとゲームの境界を取っ払う! 衝撃の初プレイ感想

2020年10月16日、「マリオカート」最新作が満を持して発売された。いわずと知れたビッグタイトルだが、ゲームの新しい可能性を感じさせてくれそうで、個人的にも大・大・大注目のタイトルだった。

MR(Mixed Reality=複合現実)の技術を使って「実在の自分の部屋」を舞台にレースができるというのだ。実際にプレイしてみたのだが……はっきりいって、度肝を抜かれた。

レースゲームなのでいわゆる「ネタバレ」はないが、序盤の詳細をレポートするので、まっさらな気持ちでプレイしたい方は注意して欲しい。記事を書いておいて矛盾しているが、「予備知識なしに、実体験として衝撃を受けて欲しい」という思いもある。

・『マリオカート ライブ ホームサーキット』(税抜9980円)

このゲームは、実際のカートを走らせる。そのためソフトを購入することは、カートを購入することと同義になる。デザインは「マリオセット」と「ルイージセット」の2種類。

必要なものがセットになったボックスなのだが……デカい。ソフトは同梱されておらず、ニンテンドーeショップからダウンロードする。通信環境にもよるだろうが、筆者は30分弱かかった。

そのあいだに開封の儀だ! 出てきたのはマリオの乗った赤いカート!!

これもデカい! ミニカーくらいのものを想像していたのだけれど、手のひらからはみ出る大きさだ。

カメラがついていて、ここから現実世界を認識するらしい。

側部をカシャンとスライドすると充電口が出てくる。細部までよくできていて、マリオの世界の曲線的な可愛さと、実際に動くマシンとしてのかっこよさが同居している。

ダウンロードを待っているあいだに、ダンボールのゲートを組み立てる。これもデカい!

家具を全部どかして部屋に置いてみたけれど、それでも狭い感じがする。プレイには6帖以上の段差のないスペースが推奨されている。

・ゲーム起動

そうこうしているうちにダウンロードが終わったのだが、シリアルコードなど、購入を証明するものを1度も求められない。「?」と思っていたら、本体に表示されたQRコードをカートに読みませることでゲームが起動した。たぶん「カートを所持している=購入した」と認識するんだな。

準備万端だ。チュートリアルが始まる。Switchの画面に表示されるのは……自分の部屋だ。カートが向きを変えると自分も映る。なんだか恥ずかしい!!

Switchを操作をすると、ラジコンカーみたいにカートが動く。後に解放されるが、カートのスピードは50ccから200ccまで4種類ある。バックするときには、画面上のマリオが後方確認したりして、芸が細かい!

レースの前に、自分でコースを作る作業がある。カートの軌跡をSwitchが認識して、コースにしてくれるのだ。このとき直線的に走れば簡単なコースになるし、あちこちグルグルすれば、はちゃめちゃなコースになるということ。

公式サイトでは家具の下を活用する、障害物を設置する、自分でトンネルを作るなど、いろいろなアレンジを紹介していた。狭い部屋でも楽しく遊べる工夫が満載だったぞ。

う〜む、家具の下かぁ……。大掃除が必要だな。ここはやめておこう。

ゲームモードはいくつかあるが、筆者のようなぼっちプレイヤーには「グランプリ」というCPU対戦モードがある。クッパJr.やクッパ7人衆が出てきて一緒に遊んでくれる。自分の部屋でキャラクターが動いているのってちょっと感動!

コースは全24種類なのだが……演出がすごい!! 同じダンボールのゲートを映しているはずなのに、コースによってまったく違うゲートのように画面に表示される。それもぴったり位置が合っているのだ。

水中にいるような画面になったり……

モノクロの矢印看板のはずなのに、ピカピカ光ってコースをガイドする電光看板になっていたり……

「ナニコレ」としかいいようがない。見慣れた部屋がマリオの世界になる!!

シリーズでおなじみ、バナナ、こうら、キノコなどのアイテムもあって、ちゃんとカートに影響する。敵キャラクターにアイテムを使われると、画面内でそれがわかるのはもちろん、カートも実際に止まったり遅くなったりするのだ。

おもしろいからカートの動きを見たいのだが、実際には画面をちゃんと見ていないとレースには勝てないし「どっちを見たらいいの!?」とジレンマに陥る。まさにゲームと現実の境界線がなくなる体験!!

・対戦もできる

Switch本体とカートをもっている人が集まれば、最大4人で対戦もできるぞ。みんなでわいわいコースを作るの、楽しそうだな。

「カスタムレース」モードでは、コースの形だけでなく、レースに影響する「シカケ」を自由に配置して、オリジナルのコースを作れるという。プレイヤーの創造性をいかんなく発揮できるモードだ。

任天堂はいつも「ゲームの画面から飛び出す遊び方」を提案してくる。『Nintendo Labo』も『リングフィットアドベンチャー』もそうだ。手を動かして、身体を動かして、人と一緒に遊ぶと楽しいよ、と伝え続けているのだ。

・ゲームの未来を感じさせる

ゲームとして見ると、これがめちゃくちゃ普及するかといえば、なかなかに難しいところもあると思う。広いスペースが必要なこと、毎回「コースを組み立てる」という手間が必要なこと、プレイ環境によってコースが偶然性に左右されるので、プロがレベルデザインしたゲーム体験とは異なること、などなど。

Switchの「思い立ったらどこでも気軽にプレイする」というコンセプトとは逆行するところもある。また、練習して技を磨き、ガチでレースゲームを極めたいなら「これじゃない」となるだろう。

けれどもすごく意欲的で、新しい未来を感じさせ、チャレンジングな作品だと思う。自分の操作で実在のカートが動く素朴なおもしろさ、部屋を走りまわるキャラクターに抱く強烈な親近感、実際に起こっていることなのかゲーム画面の中だけのことなのか、わからなくなる不思議な感覚……。

ゲームが自分の部屋にやってきたような新体験。終始「ええーっ!!」と叫びっぱなしだった。ゲームの世界はいったいどこまで進んでいくんだろう? 未来が楽しみすぎる!!

参考リンク:任天堂
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



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