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【海外旅行の日】『Airbnb(エアビー)』で体験したヨーロッパ民泊5選 / 海外でいい宿・悪い宿を見極める方法とは?
「エアビー」の通称で知られる『Airbnb(エアビーアンドビー)』は、宿泊施設や民泊などを斡旋してくれるサイトだ。ホスト(物件所有者)とゲスト(宿泊者)が直接やりとりできるシステムが人気となり、現在は世界192もの国で利用することができる。
“ホスト宅の空き部屋を借りる” という宿泊スタイルからは、素敵な交流が生まれることも多い。しかし反面、両者間にトラブルが発生することもあり、過去には大事件に発展した例が複数報告されている。とにかく事前の心構えと見極めが非常に重要なのだ。
最近では海外への渡航制限緩和に関する報道も聞かれるようになり、また海外旅行を楽しめる日も近いのかもしれない。今日は『海外旅行の日』。来るべき時の参考に、私が過去にエアビーを介して宿泊した体験談をご紹介しておこうと思う。
・欧米ではメリット大
私が海外でエアビーを利用する1番の理由は “費用を抑えるため” だ。民泊は宿泊費だけ見るとドミトリーやホステルより若干割高な場合が多いのだが、ここで重要なのが “キッチンや洗濯機を無料で使える” という点。
特に欧米諸国は日本と比較すれば「外食が高く、スーパーで食材を買うには安い」傾向にあるように思う。長期旅行の際など、自炊ができるメリットは大きいのだ。「キッチンあり」と書かれていても実は「電子レンジのみ」だったりするから、宿泊先を選ぶ際は設備によ〜く注目しておくべし。
私がヨーロッパ旅行をするにあたり、宿泊予算は “1泊2000円以下” を目標とした。パリやロンドンなど物価が高い都市だとドミトリーの選択肢しかなかったが、それ以外のエリアではエアビーでそこそこ宿がヒットする。気になる宿を見つけたらオーナーに直接メッセージを送り、予約前に疑問点を確実に全て解決しておこう。
・ポルトガルの電力よわよわ物件
さて、まずご紹介するのはポルトガル第2の都市・ポルトで宿泊した宿である。2LDKマンション内の1部屋。ホストは近所の別宅に住んでおり、顔を合わせなくて済む点は気を使わなくてよい。
魔女の宅急便やハリーポッターのモデルになったかもしれないという、ポルト中心部まで徒歩15分ほどの閑静な住宅街にある。1泊約1300円。
個室はちょっと狭めだったものの……
立派なキッチンとリビングが自由に使える!
ここは1日2組のゲストを受け入れているため、本来であればキッチンやリビングは共用なのだが、私の滞在中たまたま他の予約がなかったらしい。おかげで幸運にも “異国で1人暮らし” という貴重な体験をすることになった。
しかし総合的には大満足だったこの宿で、ひとつだけ “夜中に突然電気がつかなくなる” というトラブルに見舞われる。ホストに連絡するも夜中だから返信がない。マンションの隣人に泣きついた結果、ブレーカーが落ちていたようだ。ポルトガルのブレーカー事情など分かるはずもなく、この時はマジで焦った。
その後もブレーカーは落ちまくったのだが、仕組みが分かれば何てことはない。この一件でホストとも仲良くなることができ、結果的にはいい経験であった。不測の事態には冷静な判断力が必要である。
・スペインで他のゲストとモメる
お次はスペイン南部の都市・マラガ。ピカソ生誕の地として知られる、のどかな海辺の街だ。
ここで2週間お世話になったのは中心部から徒歩で約10分の3LDK。ホストは別宅に住んでいるものの、頻繁にやってきては世間話をしていく陽気なオジサン。1泊約1500円。
部屋は広く、デスクやキッチン完備。シャワールームが3つもある。
市場で買い物し、近くのカフェや雑貨屋の人と顔見知りになるなど、ここでは私がイメージする “ザ・スペイン” そのものの生活を体験することができた。近所の子供と目が合っては「オラ」(こんにちは)、お年寄りにも「オラ」……あぁ、なんて素敵なんだ。
ところが、そんな気分を打ち砕くのは同じ3LDK内の隣部屋に宿泊するゲスト家族。彼らには何度「オラ」と呼び掛けても返事がない。そればかりか私が共用のキッチンを使っていると「チッ」と舌打ちする始末である。
他にも彼らはトイレを汚す、大声で喧嘩をする、廊下で羊を解体して吊すなど、我慢できないほどではない “ちょっとしたストレス” を他ゲストに与え続けた。ゲスト間の距離感についても、事前に可能な限りリサーチしておくのがオススメ。
・グループ利用はもっとおトク
ここまで私の1人旅についてご紹介してきたが、一般的なホテル同様、エアビーも “複数人で宿泊したほうが割安” である。
友人と2人で訪れたのは映画『ゴッドファーザー』の舞台として知られる、イタリア・シチリア島。中心部を少し離れると生活感あふれる街並みが続く。
広くて綺麗な1LDKマンションを貸し切って、1人あたり1泊約2000円。
キッチンにはコンロが4口。衣類乾燥機もあって申し分なし! 快適すぎて普段の1人旅が非常にショボく思えてしまう。グループ旅行は麻薬だ。
友人と2人、スペインのテネリフェ島にも滞在した。こちらはリゾート地のビーチ沿いということもあり、宿泊料は少しお高めの1人1泊約3200円だ。「たまには贅沢を」と自らに言い聞かせて震えながら決済完了。
分譲マンションとみられるこの宿は過去最大級の豪華さである。立派すぎて眠るのが惜しいほどだったが、考えてみればビジネスホテルより全然安いんだよなぁ。
さらにグループ旅行には “食費や雑費が抑えられる” というメリットもある。1人だと食べきれない食材も、2人でなら思い切って買えるのだ。
1人旅は気楽なところがいいけれど、楽しいのは断然グループ旅!
・ヤンキーハウスで眠れない夜
最後に、残念ながら少し嫌な思い出となってしまった宿もご紹介しておこう。ポルトガルの首都・リスボン中心部から歩いて20分ほどの4LDKマンションは、そこに住むご夫婦がホスト。 “他人の住む家に泊まる” ホームステイパターンである。1泊約1500円。
この宿を決める際に少し悩んだのは “宿に対する口コミが極端に少ない” という点であった。しかし3件ほどある口コミは高評価ばかりだし、ホストからの返信も礼儀正しい感じだったため予約を決断。
到着してみるとホストは20代とおぼしき若夫婦である。インテリアや備品がヤンキーテイストであることや、家じゅうにお香のような匂いが充満していることには多少驚いたが、宿泊するうえで困るわけでもない。
……が! 問題は夜だった。
深夜23時頃、突然鳴り響く爆音で目覚めた私。その曲がシャキーラの『ヒップス・ドント・ライ』であったことは置いておいて……この若夫婦、リビングに10人ほど連れ込んでドンチャン騒ぎをしているのだ。騒ぎは明け方まで続き、なんと私の1週間の滞在中、毎晩繰り返された。
若夫婦がパリピであることに一切の文句はないが、仮にもここは宿泊施設ではないのか? おまけに私が大枚叩いて現地購入した『キッコーマン 濃口醤油』を冷蔵庫に入れておいたら、翌日ビンは空っぽだ。こっそり失敬するにしたって、限度ってもんがあるだろ?
様々な安宿を経験してきた私でも、1週間オールナイトパーティー状態はさすがに我慢の限界である。抗議するとホストは一応「ゴメンネ」と謝ってくれた。しかし翌日以降も騒ぎが収まる様子はない。注意喚起の意味を込めて私は言葉を選びつつ、「騒音が気になる人は要注意」との口コミを投稿したのだが……
なぜかあれから1年近くが経過した今も、私の口コミはサイトに反映されていないのである。これがどういうカラクリなのかは不明だが、とにかく我々は様々な角度から口コミを読み取り、自己判断しなければならないということだ。
・まずは経験してみよう
私の経験上、エアビーの口コミ欄は「あまりにも高評価ばかりの宿は逆に要注意」であるように思う。例えば「部屋がボロかった」という口コミがあったら、今いちど宿の紹介文を読み返しみてほしい。最初から「古い家です」と注意書きが添えられている場合がほとんどだ。建物の画像が “盛られている” ケースも滅多になく、つまり安宿を選んでおきながら「ホテルより設備が悪い」と文句を言うゲストもいるということ。
そんなワケだからエアビーでアタリの宿を見つけるコツは「良い口コミも悪い口コミもしっかり読み、あとは自分の経験と直感を信じるのみ」なのである。個人的な感覚として「ホストの人柄がよい」という口コミが複数ある宿はアタリの可能性が高い気もするが……ハズレても責任は取れないので悪しからず。
また「Wi-Fiの調子が悪い」等といったトラブルはどの国でもかなりの高確率で起こるが、そういった場合「ちょっと見てもらえますか」などと日本式に頼んでいたのでは、1週間待ったって何もしてくれない。「超困っているから今すぐ来て!」と数時間おきに連絡し続けるのが正解だ。
何が起きるか分からないのが民泊。アタリもハズレもあるのが民泊。だから民泊は面白い。初心者のうちはハードそうな物件を避けて、相場の平均くらいのところで経験値を稼ぐといいかもしれないぞ。
エアビーでは民泊以外の施設やイベントなどの仲介も行っている。詳しくは公式サイトをチェックしてみてくれ。