筆者(私)は正規の手続きをしてチェルノブイリ原発の敷地内に入り、その惨状と現実、そして復興のようすを撮影した。そのなかで廃墟となった村や繁華街などをまわり、とても美しい自然あふれる池に行くことになった。
見た目は非常にきれいで癒やされる風景だが、放射性物質によって汚染されているため、この池に入ったり、釣りをしたりしてはいけない。そもそも、許可なく一般人は池の周囲に行くことができない。だが……。
筆者とチェルノブイリ情報センターの女性、そして通訳のナターシャさんが池に行ってみると、ひとりの女性がウロウロしていた。筆者は「何かの調査でここにいるのかな?」と思ったが、そうではなかった。
どうやら、勝手にこの地域に入って魚釣りをしていたようなのだ。誰も釣りなんてしない池だから独壇場なわけで、かなりの入れ食い状態だろう。チェルノブイリ情報センターのスタッフがきたことに気がついた女性は、そそくさとその場を退散。
あせって逃げたためか、そこには水の入ったバケツが放置されていた。バケツのなかには魚が数匹泳いでいる。この行為に対して激怒するチェルノブイリ情報センターのスタッフ。通訳のナターシャさんは「彼女(チェルノブイリ情報センターのスタッフ)はとても怒っています。あの女性が、ここに勝手に入って釣りをしていたから」と話していた。
このあたりはチェルノブイリ原発にとても近いので、ホットスポットがいたるところにある。池の周囲は他の場所に比べて高い放射線量ではないが、それでも立ち入り禁止なのは間違いない。いまチェルノブイリ周辺では、勝手に侵入してくる人がいて困っているという。
Correspondent: Kuzo
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オリジナル記事: チェルノブイリの「放射能汚染濃度の高い池」で勝手に釣りをしていた女性にチェルノブイリ職員がブチギレ
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