公共の場で予告なしに行われる人気パフォーマンス「フラッシュモブ」。先日、スペインで、感動的なフラッシュモブが行われたそうだ。
それは、失業者を勇気づけるために職業安定所でオーケストラ演奏をするというもの。選曲はビートルズの「Here comes the sun(ほら太陽が顔を出すよ)」。演奏に歌声に歌詞に、失業者たちがみるみる笑顔になっていく! その様子が何とも心温まると話題になっている。
現在、スペインでは失業問題が深刻だ。その失業率は25%にのぼる。若年層だけで見ると50%以上にもなるそうだ。職業安定所(以下、職安)には職や給付金を求めて多くの市民が押しかけている。太陽のような明るいイメージが強いスペイン人もこの状況下ではさすがに沈痛な面持ちだ。
その重たい空気漂う職安で突然、一人の女性がクラリネットを演奏し始めた! そして次々と楽器を持った人が演奏を始めた。そこへ女性がやって来る。彼女が歌いだしたのはビートルズの「Here comes the sun」だ。この歌は長く辛い冬のあと、温かい太陽が出てきた喜びが歌われている。歌詞の「Here comes the sun(ほら太陽が顔を出すよ)」や「It’s alright(もう大丈夫)」が何とも心強い。まさに失業者の心に寄り添った選曲だ。
このフラッシュモブに、失業者は顔をほころばせる。一緒に歌ったり、隣の人と抱き合ったり、また、ある人は感激のあまり涙をこらえ……思い思いの方法でこのフラッシュモブを歓迎した。職安の職員たちも書類を置き歌に参加だ。
このフラッシュモブを企画したのは、「Carne Cruda 2.0」というラジオ番組である。失業者たちを勇気づけるために行ったのだという。このパフォーマンスが成功したかどうかは失業者の表情を見ると一目瞭然である。
辛いことの真っ只中にいるとその辛さが一生続くのではないかと感じてしまうものだ。だが、歌詞の通り、どんなに寒くても明けない冬はないのではないだろうか。必ず春はやってくると信じたい。
(文=澤井恵)
参照元: Youtube Carne Cruda、NPR(英語)
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オリジナル記事: 不景気に負けないで! スペインの職業安定所で失業者の前で行われた “フラッシュモブ” が心温まると話題に
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