仲間同士のおしゃべりのような文章が大量に流れるFacebook。あるデータによると、Facebook上では一時間に3000万件もの情報が投稿されているという。日常の些細な出来事に関する文章は、読み手の頭をすぐに通り過ぎてしまうものと思われるかもしれない。
しかし、最新の研究によるとFacebookの文章は記憶に残りやすいという。一般的な本の文章よりも1.5倍、人の顔よりも2.5倍も記憶に残りやすく、その差は平均的な記憶力を持つ人と健忘症を患っている人の差に等しいのだそうだ。
カリフォルニア大学サンディエゴ校とウォーリック大学の研究者はFacebook上の投稿と一般的な本の文章を比較して、記憶の残りやすさの違いを研究。その結果、Facebookの文章の方が記憶に残りやすいことが判明したという。
日常の出来事などが大量につづられるFacebookの投稿は、読み手の記憶に残りにくいだろうと予測していた研究者にとって、今回の結果は予想を裏切られるものだったようだ。では、なぜFacebookに書かれる文章が記憶に残りやすいのか。その理由はFacebook上の文章は話し言葉に近いからである、と指摘している。
Facebookは仲間同士でおしゃべりするようなトーンで書かれることが多く、文法やつづり、句読点の打ち方など書き言葉特有の形式やルールはそれほど重視されていない。このような話し言葉に近い文章の方が、脳が受け入れやすく、記憶に定着しやすいのだろうとのこと。
「過去5000年間の細心の注意をもって書かれてきた文章は異例なもの捉えることもできます。現代のテクノロジーによって、書き言葉は文学が発達する以前の、気楽で個人的なコミュニケーションのスタイルに戻りつつあるのです」と研究者は話す。
ネットの普及によって、誰でも書いたものを発信することが可能になった結果、文章の質が落ちたと言われることもある。が、記憶の残りやすさに関してはネット上の文章は文学を越えているようだ。
つまり、あなたが何気なく書いたFacebook上の投稿も読み手にとってはしっかり記憶に残っていると思った方がよさそうだ。投稿する内容についてはより慎重になった方がいいのかもしれない。
(文=佐藤 ゆき)
参照元:Mashable(英文)
photo:flickr English106
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オリジナル記事: SNSへの投稿は慎重に!「Facebookの文章は本の文章よりも記憶に残りやすい」という研究結果
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