2012年7月20日、アメリカ・コロラド州オーロラ市の映画館で発生した銃乱射事件。12名の死者、58名の負傷者を出したこの事件は全米だけでなく世界中を震撼させた。逮捕されたのは24歳のジェームズ・ホームズ容疑者だ。
この残虐な事件に対する被害者と遺族の怒り、悲しみは計り知れない。が、なんと一部の若者の間ではホームズ容疑者に共感し、応援サイトを起ち上げている者がいるという。彼らは自らを「ホーミーズ」と名乗り、ネット上で容疑者を支持する内容を発信している。
20数個はあるとみられるホームズ容疑者応援サイトは、主に「タンブラー」という海外で人気のブログサービスで作られいる。その運営者のほとんどがティーンエイジャーだ。彼らは自らをホームズ容疑者サポーター・「ホーミーズ」と呼び、容疑者の写真をプロフィール写真として使用しているユーザーもいる。
内容はホームズ容疑者への共感を表す文章だけでなく、容疑者の写真を使用したGIFアニメ、パロディー写真、漫画など様々。しかし、一体なぜこんなサイトを作るのか。
「ホーミーズ」であるタンブラーユーザーの一人はこのように語っている。「ジェームズ・ホームズを応援しているけど、彼がとった行動は支持していない。彼の精神状態が正常じゃなかったことに同情するという意味で彼を応援している。みんな彼のことを簡単に非難し過ぎている。おそらくもっと複雑な背景があったはずなのに」
ホーミーズの動機は一概には言えないが、犯罪行為を支持するというより、そうした行為に至るほど追い込まれた容疑者の精神状態に同情、共感するといったものがあるのが印象的だ。
また、タンブラーだけでなく、フェイスブックなど他のソーシャルメディアでもホームズ容疑者に対する共感の声が上がっている。フェイスブックには容疑者のファンページが立ち上がり、800個の「いいね!」が付けられた。なお、こちらは既に何者かによって削除されている。
こうした「ホーミーズ」の活動に、ネットユーザーからは次のような怒りや悲しみの声が多く挙がっている。
「怒ったらいいのか、悲しめばいいのか分からない」
「正直いって、本当にこれは不愉快だ」
「無邪気にこんなサイトを開設して、容疑者を応援できる人がいるなんて信じられない」
一方、ネットメディア「Mashable」に寄せられているネットユーザーのコメントでは、「こんなサイトはほんとに吐き気がする。でも言論の自由があるのは確かだ」というものもあり、「言論の自由」という観点を巡っての議論も起きている。
物議を醸している「ホーミーズ」の活動。こうした面でも、今回の銃乱射事件が社会に与えた影響の大きさを感じずにはいられない。
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オリジナル記事: 【米コロラド州銃乱射事件】「彼の精神状態が正常じゃなかったことに同情」容疑者応援サイト乱立に物議
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