日本では到底考えられないことなのだが、中国では服役に関して、驚くべき制度が設けられている。それは「交代囚人制度」というものだ。あまり一般的ではないものなのだが、実際に制度は存在しているという。
交代囚人、つまり服役を命じられた人物が、お金を払って代理人を雇い、自分の身代わりに刑期に服してもらうというもの。中国の富裕層人口は、1パーセントしかいない。そのわずかな金持ちが、お金を使って他人を刑務所に入れるのである。
交代囚人の情報は、あまり中国でも表立って報じられることがない。というのも、なかば「都市伝説」程度にしかしらない人が多いからだ。公になれば、金持ちだけが優遇されているとして、当局や政府に批判が殺到することになるだろう。したがって、誰がどの事件の代理人なのかは、明るみにはならない。
しかし近年はインターネットが普及し、この制度に気付く人が増えている。当事者(法を犯した人物)と裁判所に出廷した人物を比較して、異なる点を指摘する中国ネットユーザーも少なくない。
たとえば公道でドラッグレースをしていた裕福な家庭の20歳の男が、通行人をひき殺す事件が起きた。事故を起こした人物と、出廷した「被告人」は明らかに別人。中国ネットユーザーはそのことをいち早く指摘していたのだが、結局被告人は禁固3年を命じられて服役することになっている。本来であれば、交通死亡事故は死刑を宣告されてもおかしくないのだが、代理人が出廷したことにより、刑期が軽減された可能性があるとのこと。
別のケースでは、有名病院の院長が交通事故を起こした際に、病院に勤める人物の父親を代理人にしたと噂されている。また、交通死亡事故を起こしたバイクレーサーが無免許の人物を8000ドル(約63万円)で雇ったり、摘発された建築解体業者が、刑期一日につき31ドル(約2400円)で従業員を服役させるということもあるそうだ。
実のところ中国において交代囚人制度の歴史は古く、中国刑法の学者アーネスト・アラバスターは1899年に、その報告を行っている。その当時からしばしば利用されている制度だったようである。
この制度がなくならない背景には、中国の激しい格差がある。服役しているだけでお金がもらえるのであれば、請け負う側としては有難いからだ。そして、中国の権威者は「効果的である」と捉えている。なぜなら犯罪当事者は代理人に支払うお金で、経済的な罰を科せられたことになるからだ。
とはいえ、罪に対する社会的な処罰感情は消えることなく、また富裕層にのみ認められた特権であることに違いはない。これからも「暗黙の了解」として、この制度は生き続けるのだろう。
参照元:ODDITYCENTRAL(英語)
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オリジナル記事: 【中国】何でもお金で解決! 刑務所に入りたくない金持ちは「金」で代理人をぶち込む
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