今年度の流行語大賞にノミネートされるかも……それくらいの勢いで『エアリズムマスク』が売れまくっている。2020年6月、ユニクロが販売開始したエアリズムマスクは瞬く間に完売。おそらくいま日本で……いや、世界で1番入手困難な “プラチナマスク” であろう。
あまりにも手に入らないため中にはエアリズムマスクを自作してしまう猛者もいるようだが、これからご紹介する「エアリズムマスクの作り方」は絶対に真似してはならない。当サイトが誇るアホな上司 “Yoshio” が考案した手作りエアリズムマスクは、なんか……なんか違うのだ。
・アホの上司、Yoshio
私(P.K.サンジュン)自身は発売当日に運良くエアリズムマスクをゲットできたものの、地元のユニクロで並んだYoshioはあえなく撃沈したらしい。神様もアホにはマスクを売りたくないのか、それともただ運がないだけなのか? いずれにせよ、アホなうえに運まで無いとは救いようのない男である。
彼がどれだけアホなのかはこちらの記事と動画をご覧いただきたいが「ねずみ講」を「どらねこう」と呼び「ギンギラギンにさりげなく」を「ギンギラギンに限りなく」と言い間違える男は、世界広しと言えど彼だけだろう。人柄も性格も良いプレーンなアホ、それがYoshioだ。
・Yoshio「いいこと思い付いた!」
そのYoshioが事務所にいる全員に聞こえるボリュームで「いいこと思い付いた!」と言い出したから、超めんどくさい。彼の「いいこと思い付いた」が本当にいいことだった試しはほぼなく、誰もが華麗なスルーを決め込んでいた。……のだが、あまりにもブツブツ言っているため、事務所の中で最も人間が出来ている私が反応してあげることにした。
──どうしたんですか、Yoshioさん?
「どうしたもこうしたもないよ! エアリズムマスクが買えないならエアリズムマスクを作っちゃえばいいじゃない!! 俺、画期的なエアリズムマスクの作り方を思い付いちゃったよ!」
──いや、エアリズムマスクを自作してる人なんて結構いますけど……。
「ちょいちょいちょい。俺がそんなことを知らないと思った? 俺が思い付いたエアリズムマスクの作り方は、とにかく画期的なんだ。これを広めたら柳井さんから感謝状が贈られてきちゃうかもしれないぞ……! よっしゃ、ひとっ走りユニクロ行ってくるわ!!」
ユニクロの社長をあえて「柳井さん」と呼び、さり気なく “社会派アピール” するあたりがやはりアホである。事務所を飛び出したYoshioを放っておいても良かったのだが、暴走したアホがユニクロに迷惑をかけたら申し訳ない。というわけで、仕方なく私も後を追うことにした。
・とにかく画期的らしい
店内にいる誰よりもニコニコしたYoshioが手にしたのは、男性用のエアリズムパンツ(ボクサータイプ)である。確かにエアリズムパンツは通気性がよく、サラサラとした肌触りはマスク向きと言えるだろう。ただ、そんなことは多くの人が気付いているハズ。Yoshioの言う “画期的なマスク” とはどういう意味なのだろうか?
「焦るな焦るな。ホント欲しがるよね~! OK、その熱意に免じてヒントだけ教えちゃおう。俺の考えたエアリズムパンツは2分もあれば完成するんだ。道具もハサミだけあればイイ。さらに……おっとここまでだ。ホント聞き上手よね~!! どんだけぇ~~~!」
特に聞いてないことはさておき、軽やかな足取りで事務所に戻るYoshio。さっそくエアリズムマスク作りを開始……するかと思いきや、おもむろにパンツを渡してきた。
「かぶって」
しつこいようだが、彼はアホだ。そしてアホゆえにとんでもなくキラキラした瞳をしている。あまりにも澄んだ瞳にイヤとは言えずパンツを被るYoshioと私──。目元にマーキングを施し、チョキチョキとハサミで切れば……
Yoshio版エアリズムマスクの完成である!
・3つの長所
どうやらYoshioの言うマスクは、“タイガーマスク” 的なプロレスラーが被るタイプのマスクを指すらしい。しかもYoshioによればこのマスクには通常のエアリズムマスクにはない3つの長所があるという。
「まずさ、通気性は絶対にこっちの方がいいよね。息苦しさはゼロ、これならフルマラソンを走れるレベルでしょ。あとは日焼け対策になるのも大きい。美白大国・日本ではむしろこのタイプのマスクが求められてたんじゃないかな?
最後にプライバシーの保護も兼ね備えてるから最強だよね。コレなら個人は特定されないし、もしかしたらまずは芸能界で流行する可能性がある。いや、これ柳井さんから感謝状送られてくるでしょ! 待て待て、その前に特許とか取った方がいいのかな? 忙しくなるゾーーー!」
マスクとして性能を満たしているかはさておき、悔しいことに通気性は抜群だ。さらには彼の言う通り、日焼け対策やプライバシーの保護にも効果があるのかもしれない。問題は羞恥心──。世の中の人がYoshioくらい羞恥心が無いのであれば、もしかしたら彼考案のエアリズムマスクは流行する……のかもしれない。
というわけで、アホの上司・Yoshio考案のエアリズムマスクはそれなりに見どころがあるマスクであった。でもなんか違う……なんか違うんだよなぁ。