伊勢丹のショーケースに、日の丸弁当。それは私にとって違和感を覚える光景でした。伊勢丹に対して高級なイメージを抱いていた一方で、「日の丸弁当」はお金がない時に食べるもの……と思っていたからです。
しかし、「日の丸弁当」に対するその思い込み自体が、大きな誤りでした。おかずの量を判断基準にしてはいけないのです。大事なのは量ではなく質。それを知らず、ややナメた気持ちで「日の丸弁当」を購入したために、若干の後悔をする羽目になりました。おそらく、同じような過ちを犯す人も多いかと思いますので、紹介したいと思います。
その「日の丸弁当」は、伊勢丹新宿の地下1階に入っている『米屋(めしや)』で発見しました。どうやら伊勢丹新宿店の限定品らしく、価格は税込648円。正直、値札を見たときは「高い」と思いました。なんなら、ふざけた価格だとさえ思いました。
しかし、だからこそ気になってしまったのです。そこで店員さんに聞いてみると、
「日の丸弁当にはリピーターが多いんですよ」
とのこと。伊勢丹に来て「日の丸弁当」を買って帰る? 想像すると妙な気もしますが、だからこそ通(つう)好みな弁当な気もします。そして、その行為自体、どこか “粋” な気がしなくもありません。
・レンチンご飯と比較
興味が湧いた私は、「日の丸弁当」を持ち帰ることにしました。ついでに、セブンイレブンのレンチンご飯(一膳ごはん / 3パック税込286円)も購入し、比べてみると……
見た目はそこまで変わりません。なんなら、レンチンご飯の方が光沢の関係で美味しそうにさえ見えます。しかしながら、味は「日の丸弁当」の圧勝です。なんとなく予想はついていましたが、勝負になりません。ワンパンKOと言っていいでしょう。
比較すること自体、間違いでした。「日の丸弁当」のお米は、メチャクチャ美味しいです。一粒一粒がはっきりしていて、それでいて適度にもっちりしています。これを口に出来たことで満足したのですが……冒頭で述べた通り、若干の後悔もありました。
・後悔について
原因を簡単に言うなら、貧乏根性が働きすぎたのです。というのも、「日の丸弁当」にはごま塩が付属しています。
「日の丸弁当」は基本的に梅干しとご飯だけですから、ごま塩は貴重なおかず……と考えた私は、その全てをご飯にふりかけました。そしてしばらくご飯を食べ進めたとき、気づいてしまったのです。
添えられている梅干しがめっちゃ良いヤツだということに。つまるところ、良いヤツにありがちな “ハンパないしょっぱさ” を誇る梅干しだったのです。これ1つで、あとご飯3箱くらい食べられそうなほどのパワーを秘めています。
なのに、私のご飯は残りわずか。しかも、ごま塩が一面にふりかけられていて、ご飯自体がしょっぱくなっています。
「なぜ、何も考えず最初にごま塩を全部かけたのか? なぜ、「日の丸弁当」の梅干しのパンチ力(りょく)を、いつも買っている15個入りで298円くらいの物と同等だと思っていたのか? そのミスのせいで、ご飯と梅干しのマリアージュを楽しもうにも、もうご飯が残り少ないじゃないか……」
……と思いながら、梅干しの残りを流し込む羽目になった次第です。みなさんは、私と同じような失敗をしないように気をつけて下さいね。
・梅干しの日
ちなみにですが、本日7月30日は「梅干しの日」らしいですよ。Webサイト『今日は何の日』によると、「梅干しを食べると難が去ると昔から言われてきたことから、なん(7)がさ(3)る(0)」で、制定されたようです。
「梅干しを食べると難が去る」にどこまで科学的根拠があるのかは知りませんが、昔から「病は気から」と言います。難が去ると思って梅干しを食べたら、多少の違いはある……のかもしれませんね。
参考リンク:三越伊勢丹「米屋(めしや)」、今日は何の日
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.