ケーキのショーケースにこんなものが並んでいるのを発見したら、かなりの人が足を止めてしまうのではないか。たとえ「スイパラのケーキショップがちょくちょく出している商品」と知っていたとしてもだ。
かく言う私がその1人で、スイーツパラダイスケーキショップ(元メイプリーズ)が「赤いきつね」や「ピザ」に見えるケーキを出していることは知っていた。なにせ本サイトで以前に紹介している。だから、「似たような擬態的商品」だということは察しがついたのだが……。
なにこれ? 寿司? おにぎり? しかも寿司は期間限定商品? スイパラケーキショップのヤツ、知らない間にいろんな擬態を覚えやがって……! 気になってしまうじゃないか……!! という気持ちが抑えきれなくなったので、買ってみることにした。
今回、私が購入したのは「にぎり寿司ケーキ5貫セット(税込1080円)」。パッケージから寿司感全開の商品だ。横に小さく「ケーキ」と書かれているが、これが無ければ本物の寿司と一緒に買った時に見分けがつかなくなるだろう。下手したら、開封してもどっちがどっちか気づかないかもしれない。
さて、個人的に5貫の寿司の中でもっとも見事だと思うのは『いくら軍艦』である。他の寿司に関しては「近寄って見たらバレるかも」って気がしなくもなかったが、『いくら軍艦』はそれらの中でクオリティが頭2つくらい抜けている……と思うのは私だけだろうか?
近くで見ても、しっかり『いくら軍艦だ』だ。ただし、包丁で真っ二つにしたら……
やっぱりケーキ。食べてみると、海苔らしきものはクレープの生地をさらに薄くしたような食感で、いくらに見えるものは「ほんのり甘い何か」。当然ながら味はいくらではないものの、食感だけはいくらに似ている。これは何だろう?
正確に何の食材かが私の舌では分からずに申し訳ないのだが、とにかく甘さ控えめの何かだ。そして、比較的に甘さ控え目なのは他の寿司ネタも同じ。こんなにトリッキー極まりない見た目をしているにもかかわらず、味は日本人が好みそうなケーキである。
だから、これを読んでいる多くの人は食べると満足するのではないか? 逆に言うと、「海外のお菓子のように甘味がガンガン効いているものが好き」って人には合わないかもしれないが……。とにかく、見た目だけでなく、味的にも日本的なスイーツと言えるかと思う。
ちなみに日本的と言えば、その細やかさが最も現れているのは『わさび』と『ガリ』だ。
見たところ、よくあるわさび&ガリ。1人前のパック寿司に付いてそうな量だが、食べるとわさびは抹茶系のクリームで、ガリはシロップに漬け込んだ何かのフルーツだった。実に芸が細かい。
・オンラインショップでも擬態ケーキを購入可
なお、スイーツパラダイスのカフェは都内以外にもあるものの、今回紹介したような擬態的商品を取り扱っているのはカフェではなくケーキショップの方。そして、公式サイトを見る限りケーキショップは都内しかない。都内以外の方は残念……と思うかもしれないが、オンラインという手もあるぞ。
サイトを見ると、「ざるそばケーキ」やら「霜降り肉ケーキ」など見るからにクオリティの高い擬態っぷりを見せつけている商品がズラリ。今回紹介した寿司のケーキは今のところオンラインでは見当たらない(2020年7月27日時点)のだが、その事実を忘れてしまうほど見入ってしまう。すごい。
参考リンク:スイーツパラダイス「店舗情報」「オンラインショップ」
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.