この数カ月で、一体どれだけの飲食店が閉店を余儀なくされただろう。すべては新型コロナのせいであることは疑うべくもないが、だがしかし。店内での飛沫感染を恐れる人たちの気持ちもよく分かる。そう、飲食店側もお客側も、我々は等しくコロナの被害者なのだ。
そんな状況を憂う一人の男がいた。当サイトの創設者にして私(あひるねこ)の上司、そして紛(まご)うことなきアホのYoshioである。男は言う。俺の発明で世界を救いたいと──。なんでもそれは100均に売っている商品だけで可能らしい。かくして私も、アホと一緒に世界を救うことになった。
・材料は100均オンリー
それでは飲食店における飛沫感染対策に使用する100均グッズをご紹介しよう。まずは普通のビニール傘。もちろん税抜100円である。
続いてテーブルクロス。布製ではなく透明ビニール製を使う。こちらも税抜100円。用意するのは以上だ。
この合計わずか200円の商品だけで、Yoshioは世界を救うと豪語する。いつもは のび太から射撃とあやとりの才能を取り除き、ダメな方向に海底2万マイル潜水してしまったくらいアホなYoshioであるが、今回ばかりは真剣そのもの。本気の飛沫感染対策を示してくれるらしい。
・作業スタート
なので私としては余計なちゃちゃは入れず、手順を順番にお伝えすることで冷静にYoshioの挙動を見守りたい。まずビニール生地のキャップをすべて外す。これにより金属の骨がむき出しになるので、周囲の安全に注意する。
続いて先端のキャップも外して、
ビニール生地と骨部分を完全に分離する。
次はちょっと細かい作業だ。傘を開く時に固定する部分(上はじき)のちょっと上に、止めびょうというネジみたいなパーツがある。本来、これによって傘が上まで開きすぎるのを防いでいるのだが、ここではこの止めびょうを引き抜く。
そうすると傘が一番上まで開くので、
この状態で、先ほど外したビニール生地を再び骨に取り付ける。これにより、傘が強風で裏返ったような、アンテナみたいな形状になるのだ。
最後に先端のキャップを元に戻せば……
準備完了である。
・次はテーブルクロス
文章で読むとムズそうだが、実際には何てことない作業なのでご安心を。だってYoshioが考えたんだぞ? それを忘れないでくれ。さあ、続いてテーブルクロスの出番だ。先ほど完成した傘の、ビニール生地の端部分に……
テープでテーブルクロスを貼り付けていく。
すると、ちょっとコテージっぽいルックスになる。
今のままだと長すぎるので、下の部分を適当にカットする。
完成である。
テーブルクロスを貼る時は、1周丸々グルッと貼らず、人ひとりの肩幅くらいのスペースを空けておくのを忘れずに。
最後に傘を持ち手が上になるよう天井から吊るす。かける所がない場合は、天井に両面テープでフックを取り付けよう。これがYoshio発案による飲食店向け飛沫感染対策、その名も……
『ASフィールド(絶対安全領域)』……!
・対コロナ傘型決戦兵器
コロナ対策で席と席との間にパーテーションを設置している店をよく見かけるが、Yoshioによるとあれは非常に高価なものらしい。しかし、この『ASフィールド』なら税抜200円で済む上に、周囲をほぼビニールで覆っているため安全性も高い。
無論、同席者とのコミュニケーションも容易だ。
飲食店側は費用を大きく抑えられ、お客は今以上に安心して外食できる。両者にとってのメリットを追求した結果生まれた『ASフィールド』は、コロナ禍以降のスタンダードになる可能性があるとYoshioは語る。
使ってみた感想としては広すぎず狭すぎず、ちょうどいい塩梅のスペースだった。食事に没入できるという意味では、ラーメン店『一蘭』の席の作りに近いものがある。むしろ視界が開けている分、解放感はあちらより高いように思う。
・頑張れ世界
まあ手作り感がエグイという欠点もあるにはあるものの、アホのYoshioにしては画期的な発明ではないだろうか。この『ASフィールド』が世界を救う……のかどうかは分からないが、飲食店経営の皆さまにはぜひ導入をご検討いただきたい。
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.