ご飯のお供の定番・ふりかけ。これがあるだけで、おかずなしでも白飯3杯くらい余裕だ。そして、ふりかけと言えば丸美屋だろう。のりたまはもはや国民食と言っても過言ではない。
丸美屋のサイトの「ふりかけ袋入り」の項目を見ると、そんなのりたま以外にも15種類のふりかけがラインナップされている。正直、のりたまと味道楽しか食べたことがないのだが、すきやきや牛わさびなど他にもなかなか気になるメンツがいるではないか。そこで、全部食べ比べてどれがウマイかを独断と偏見で選出した。
・ふりかけ袋入りラインナップ
「ふりかけ袋入り」「タレふりかけ」「のっけるふりかけ」など様々なふりかけシリーズを展開している丸美屋。今回食べ比べるのは、その中で「ふりかけ袋入り」にラインナップされている16種類だ。
理由は簡単で、のりたま袋入りがここに分類されていたから。おそらく基本シリーズがこれなのだろう。それではまず、ラインナップされている味を以下にご紹介したい。
磯香のり
ぺパたま
梅ごましお
ごましお
たらこ
しその香
焼肉
牛わさび
海苔わさび
のりたま
しそしらす
すきやき
梅かつお
味道楽
旨味さけ
本かつお
・食べる前の所感
ザッと見て個人的に気になったのは、「焼肉」「牛わさび」「すきやき」の肉ラインである。丸美屋の袋入りふりかけと言えば乾いたサクサク食感が良さだが、あの状態で肉の旨みが出るのだろうか? もし、肉のポテンシャルを引き出せているのであれば、牛肉の旨味と本わさび茎入りの「牛わさび」とか絶対ウマイだろ。
対して、「梅かつお」「味道楽」「本かつお」のかつおラインも気になるところだ。味道楽のかつお力を鑑みるに、主力となってもおかしくないラインである。まさに群雄割拠。
・食べてみての所感
結論から言うと、食べてみてもその群雄割拠っぷりは変わらない。正直、それぞれに個性があり、ちゃんと味がまとまっているためどれを買ってもハズレはないと言える。
・四天王
ただ、今回は「丸美屋ふりかけ-1グランプリ」であるからして、その中でも精鋭中の精鋭を発表したい。何度も食べ比べた後、心に残った四天王は以下だった。食べ比べながらメモしたコメントと共にご紹介したい。
【のりたま】
コクや塩加減などのバランスがめちゃくちゃ良い。味覚の奥を刺激するような深さがあるけど、味が濃すぎるわけではなく、かと言って物足りなさもなく、とにかくバランスが良く飽きない。さすが定番。最初に登場する四天王という感じ。
【すきやき】
マジですき焼き。肉の旨みもちゃんとする上、卵の甘みもある。ふりかけでこれだけ肉の旨みを感じるのは天晴。全体的に甘さに振られた味は、丸美屋ふりかけの中では異質だが、ちゃんとウマイ。パワー系で「のりたまは四天王の中で最弱」って言うキャラ。
【海苔わさび】
海苔の豊潤な風味の中に、ワサビのピリ辛が舌を刺す。ふりかけで最も大人の味。冷酷な皮肉屋で片眼鏡かけてそう。
【しそしらす】
しらすの風味とカリカリした食感がグッド。梅が出すぎてなくてあくまでしらす味が主軸になっているのが、非常にご飯とマッチしている。おにぎりやお弁当にも合いそうで、仲を取り持つタイプ。四天王の愛されキャラ。海苔わさび「やれやれ、しそしらす君にはかないませんね」
──以上、強いて言うならこの4つが味の完成度として一段階高い気がした。補欠に味道楽と旨味さけが続く感じ。なお、念のため、他の12種類についてもメモッていることを下記に残しておきたい。
・他のふりかけの感想
磯香のり……封を開けた瞬間磯の香り。ほどよい塩気で海苔の風味が最大限引き出されている。
ぺパたま……コショウ強め。卵の甘みと絡んでコク深い味。後味はカッカする。
たらこ……スパ王に入っている具のたらこみたいな味。
ごましお……塩分強め。シンプルな味。
牛わさび……わさびは風味つけ程度で、もうちょい利いてても良い。ちょっと味がボヤけてる。
梅ごましお……ごましおに梅の甘みが加わり華やかな味。ただし、お花チップスの食感はふりかけっぽくない。お菓子?
しその香……しその中にお茶っぽい風味。梅昆布茶的な味。
焼肉……駄菓子の「焼肉三太郎」的な焼肉感。ウマイけどそこはかとなく駄菓子。
本かつお……かつおの旨み。シンプルだが安定の味。
味道楽……本かつおに卵のコクが加わり深い味に。ウマイが本かつおの方が味の方向性がハッキリしている気もする。
梅かつお……海苔の風味と梅の風味強し。かつおをもう少し感じたい。
旨味さけ……鮭の豊潤な旨みあり。甘みと鮭の味が深い。
──思ったことをそのままメモっていたため、包み隠さない感想となっているが、前述の通りハズレがなく、どれも味がまとまっていたのは天晴だった。
・最後に
最後に、私が本記事を執筆するまで知らなかったことを1つ。丸美屋の通販倶楽部では、ふりかけが最小5袋セットからしか販売されていない。問い合わせても「1袋ずつは販売していない」とのこと。袋入りふりかけ全てをラインナップしている店もないそうだ。
そのため、コンプリートには1週間の時間を要した。Amazonや比較的丸美屋のふりかけが豊富に揃っているスーパーを探してコツコツ買い集めたのである。通販倶楽部ですら売ってないぺパたまをライフで発見した時は膝から崩れ落ちそうになったものだ。
つまり何が言いたいかと言うと、丸美屋のふりかけをコンプリートして実際に食べ比べるのは当初の想像以上に険しい道だった。逆に言うと、それだけ食べ比べの意義も大きいと思われるので、丸美屋のまだ見ぬ旨みを味わってみようという方はぜひ参考にしていただけると幸いである。