【世界の旅 インタビュー】オーストリア・ファッキング村を訪ねて

【世界の旅 インタビュー】オーストリア・ファッキング村を訪ねて

世界中を旅しつつ、現地の情報を日本に伝えているKuzo氏。彼は、バックパッカーとも観光旅行者とも記者とも違う視点から、現地の情報を伝えています。このコーナーは、そんな彼の「旅の裏話」をお伝えしていこうと思います。

今回は、オーストリア・ファッキング村に行った際の出来事を教えていただこうと思います。旅行時の詳細記事は『Fucking村に行ってみた / 素晴らしく気持ちがいい村』(http://wp.me/s25BsW-224759) をお読みください。それではインタビューをどうぞ。
 
・どうしてファッキング村に行こうと思ったのか?
記者 オーストリアのファッキング村ですが、どうしてこの村に行こうと思ったのですか?
Kuzo まずはじめに誤解がないように言っておくと、英語読みではファッキング村ですが、オーストリアではフッキング村になります。
記者 なるほど。でも、この村の名が「Fucking」だから行こうと思ったんでしょう?
Kuzo 確かにそうですね。ただ、単なる興味本位ではありません。世界大戦中、もともと英語圏の兵士がオーストリアでこの村の名前に気がつき、噂となって広まっていったそうです。
記者 ほう。
Kuzo 現代になり、イギリスやアメリカから「ファッキング村に行こうぜ!!」という若者たちがやってくるようになり、インターネットの力もあって注目されるようになりました。ふざけてファッキング村でファックをするやつらも出てきて地域住民はカンカンです。だけど、素晴らしい自然があふれる村としても知られているんですよ。
記者 なるほど。つまり、ファッキング村という名称だけが有名になり、村の良さが伝わっていないと感じたのですね? だからファッキング村の実態を世界に伝えたいと。
Kuzo カッコつけるとそうなりますが、個人的に非常に興味を持ったのです。ファッキング村として騒がれていますが、そこには人が住んでいるわけだし、ほかに何か見るべきものがあるのではないかと。それを伝えたいと思いました。名称以外に見るものが何かあるはずだと。
記者 何かありましたか?
Kuzo 何もありませんでした。
 
・キミがファッキングに行きたい日本人か!!
記者 どうやってファッキング村まで行ったのですか?
Kuzo タクシーをチャーターしました。拘束時間は4時間くらいで150ユーロくらいだったと思います。
記者 事前にチャーターしていたわけですね。
Kuzo はい。日本人経営の旅行代理店にお願いしたんですが、そこの代理店の人でさえ「なにもないですよ」って言うんですよ。
記者 何もないことに対してお墨付きなんですね。それでも行きたいと思ったわけですか。
Kuzo 絶対に何かひとつくらいは観光ポイントがあるはずだと思ってました。
記者 どうしてもファッキング村に行ってみたかったわけですか。そのときどこにいたんですか?
Kuzo ファッキング村を取材したいと思ったとき、私はイタリアのローマに滞在していました。チュニジアとイタリアを取材している最中で、さらに帰国まで時間がなかったため、オーストリアに1泊だけしてすぐにローマに戻ろうと計画しました。徹底的にダイヤを調べて新幹線と特急を乗り継いで深夜にオーストリアのザルツブルクに到着しました。
記者 ザルツブルクから近いんですね。
Kuzo かなり近いです。急げば自動車で30分くらいですね。到着した日は深夜なのでホテルで寝て、翌朝、チャーターしたタクシーの運転手さんとホテルのロビーで待ち合わせしたのですが……。
記者 したのですが?
Kuzo その運転手のおじさん、「おお!! キミがファッキングに行きたい日本人か!!」とか「いまからファッキングに行くんだよ。ファッキング!!」とか言って、周囲に聞こえる声で言ったりホテルスタッフに話したりするんですよ(笑)。
記者 それはヒドイ。
Kuzo まあ、村の名前ですから、それを不謹慎だと思うほうが間違いなんですが(笑)。まあ、性格は気のいいおじさんでしたよ。
 
・そういう人ばっかり(笑)
記者 実際に行ってみたけど何もなかったわけですよね。
Kuzo そうですね。道路と民家、あとは大自然という感じです。
記者 住民はいましたか?
Kuzo いましたよ。牧場のおばちゃんと話もしました。
記者 なんて言ってました?
Kuzo 観光のためにきたって言ったら「何もないのに観光なんて村の名前が目的でしょ!? んもぉぉーーっ!! そういう人ばっかり(笑)」って笑ってました。
記者 そのおばちゃんの反応だと、観光客がけっこういるんですね。いまだに。
Kuzo いるようですね。べつのおばちゃんはすごく遠くからこっちに向かって「ファァァァァァァァァァーーーック!!」って怒鳴ってきましたよ。
記者 マジギレしている人もいるわけですか。
Kuzo 私は名前以外の良いところを見たくてきたんですが、ファッキング村にファックをしにくるアホが絶えないようで、ムカついてる人もいるのでしょう。
記者 村としては非常に困った問題ですね。
Kuzo 村の名前を変更しようという案もあるようですが、そういう改名の話は出たり消えたりしているようです。
 
・観光地として行く価値はあるのか?
記者 ぶっちゃけ、観光地としてはどうなのですか?
Kuzo そもそも観光地じゃないんですよ。素晴らしい自然に囲まれた大地ではあるのですが、それであればファッキング村以外の村でも同じですから。
記者 わざわざファッキング村に自然を楽しみに行くのはおかしいと?
Kuzo おかしいとはいいませんが、他にも多数の候補があるということですね。本当に、自然しかありません。あとは家と道路です。
記者 ですが、ファッキング村の近くにホルツスター湖というところがあって、そこはけっこう有名です。
Kuzo なんでですか?
記者 なんでも、健康にいい水質をしていて、地域住民の間では重宝がられているようですよ。詳しくは知りませんが(笑)。
 
・日本人は行く価値はありますか?
記者 何もないファッキング村ですが、何もないんじゃすぐに帰ったんですか?
Kuzo 当初は半日くらいいたかったのですが、いても意味がないくらい何もないのですぐ帰りました(笑)。
記者 ザルツブルクに?
Kuzo その日の深夜にローマに戻りましたよ(笑)。お昼頃に列車に乗って、そのままドイツ経由でローマに戻りました。
記者 このファッキング村ですが、日本人は行く価値はありますか?
Kuzo ファッキング村でバカ騒ぎをするために行ったり、ファックをしたりしなければ行ってもいいと思います。ですが、本当に何もないので、オーストリア観光をしていて半日くらい時間があいたときに行くくらいがちょうどいいです。ザルツブルクの中心部から1時間かかりませんから。
 
聞き手: RocketNews24.
Correspondent: Kuzo


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カテゴリー 世界の旅, 海外

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