中国各地で続いている反日デモ。中国当局が「理性的なデモ行為を」と呼びかけているのにも関わらず、一部が暴徒化して街の破壊や略奪行為が起きている。
そんななか中国のネット上である情報が飛び交った。「略奪や破壊など暴動を扇動しているのは日本人だ」というのである。しかもその日本人2名はすでに逮捕されているという情報まで出てきた。だがそこに添付された写真がどう見ても英国人講師殺害事件で逮捕・服役中の市橋達也受刑者なのだ。
もちろんこの情報はデマ。広州公安が発表したところによると、デマの発端になったのは9月16日ごろに『Weibo』(中国版Twitterのようなもの)に掲載された写真と書き込み。その内容は以下のとおり。
「暴動を先導していたのは中国語を学ぶ日本人留学生2名だ。2名は流暢な中国語でデモ隊に混じり、破壊や略奪など不法行為を行っている。その2人に盲目的についていく者もおり、結果、我々同胞に甚大な損失を与えた。元をたどれば日本人スパイの陰謀だったのだ。市民は決して日本人スパイに騙されてはいけない。デモ行進には理性と品位を。正しく日本製品ボイコットしよう。この書き込みを見た人は拡散してください。国民に注意喚起を!」
……と書き込みされていたという(広州公安もデマ書き込みの存在を認めている)。しかし日本の報道を見ている人なら知っているだろう。この2枚の写真は英国人講師殺害事件で服役中の市橋達也受刑者だ。2枚の写真は整形前と整形後のもの。同一人物である。
中国のインターネットユーザーの間でも「これって日本の犯罪者じゃなかったっけ?」というツッコミが出てきている。しかし外国で発生した事件の容疑者の顔など、ほとんどの人が知らない。このデマ情報は、すでに何千ものアカウントへ拡散している。
この写真と逮捕情報について広州公安は「9月16日に日本籍の留学生を逮捕したという事実はございません」と全面否定。写真についても明らかに何者かによるねつ造と発表した。
そして「インターネットユーザーの皆さんは デマを流さない・デマを信じない・デマを拡散しない を守ってください。このような行為については法的処罰が下されます」と強く警告している。ちなみに当日デモ関係で逮捕されたのは中国人2名だそうだ。
日中関係について、信じられないような情報や画像・映像がインターネット上で出回っている。カッとなって思わず身を乗り出してしまいそうになるかもしれないが、このような情況下だからこそ、情報の真偽について吟味しなければならないだろう。
(文=澤井恵)
参照元:Weibo @広州公安、sohu.com(中国語)
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オリジナル記事: 【中国】反日暴動を扇動してるのは日本人2名との情報が拡散 / 2名の写真はどう見ても市橋達也受刑者
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