家族や親しい人の葬儀。親しければ親しいほどその死は受け入れがたい。特にそれが突然の不幸だったら、故人が今にもひょっこり帰って来そうだと思わずにはいられないだろう。
ブラジルで行われた男性の葬儀で大騒動が起きた。遺体を前に親族や友人が嘆き悲しんでいるところへ、死んだはずの張本人が登場したのだ。さっきまで棺の中にいたはず! 一体どういうこと!? 葬儀場は大パニックになってしまったのである。
事件が起きたのはブラジルのサンパウロ。地元警察からギルベルト・アラウージョさん(41)の家族のもとへ、「洗車場の従業員が殺人事件に巻き込まれた。ご家族かも知れないので、身元確認に来て欲しい」との連絡が入った。洗車場で働いていたギルベルトさんは、4カ月前に家族や友人の前から姿を消し、音信不通になっていた。
報せを受けた兄のジョゼさんが身元確認に向かったところ、安置所で横たわっていた遺体は、銃弾に倒れ変わりはてた姿の弟にしか見えなかった。ジョゼさんは「確かに私の弟です」と言い、何の疑いもなく遺体を母親の家へ運んだ。
ところが、実はこの遺体は、たまたまギルベルトさんと同じ職業の、ゲニバルド・ガマさんという赤の他人のものだったのだ。しかしあまりに二人が似ており、当人も音信不通だったため、誰もがギルベルトさんが殺されたと思い込んだまま葬儀が執り行われた。
そうとも知らず葬儀当日に街をフラフラしていたギルベルトさん。友人に「お前の葬式やってるぞ!」と教えられ、驚いて葬儀会場へと向かった。
死んだはずのギルベルトさんが現れて「オレは死んでないよ! 生きてるよ!」と叫ぶと、参列者は大パニックに陥った。ショックのあまり気絶する人、怖がって逃げ出す人もあり、中には「ほら、やっぱりな! さっき遺体が動いたの見たんだよ!」と騒ぐ人も出る始末で、式場は一時騒然となった。
世の中には同じ顔の人間が3人いるというが、親兄弟にも見分けがつかないソックリさんがこんな形で現れるとは……。発覚が遅れていたらギルベルトさんは戸籍ごと消えていたかもしれない。また間違えられたゲニバルドさんも行方不明扱いのままだっただろう。まったく音信不通の放蕩などするものではない。
参照元:DailyMail(英文)、YouTube FASTESPORTESNOTICIAS
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