【公式は品切れ】大人気の「お正月小トトロ」をお迎えしたら想像以上の重量級だった
スタジオジブリ過去作の「映画パンフレット」が復刻されてるって知ってる? 当時の空気感が伝わって来てすごく良いです
そっちかぁぁぁ! 『魔女の宅急便』のジジがトミカになったと聞いて想像した姿と実物がまったく違った件
【福袋2023】『どんぐり共和国』の「おたのしみ袋」が今年も最高!! 値段アップで中身のボリュームもアップ! ただし人気過ぎて入手が激ムズ…
ジブリの原点のような宮崎駿作品『シュナの旅』を知ってる? 暗くて苦しくて理不尽…でも生きる力のわいてくる名作
【宮崎】トトロ駅に行ってきた
モヤモヤ解消『ハウルの動く城』が “難しい” と感じるワケ / 2週連続「金曜ロードショー」でジブリ作品放送!!
【福袋2021】『どんぐり共和国』は相変わらずの充実っぷり! 店頭で事前予約制の今年は、たったひとつ落とし穴が…
【あるある】『借りぐらしのアリエッティ』を今改めて見ると思いがちなこと35連発「進撃のハルさん」「神木隆之介の穏やかな声に漂う絶望の香り」など
本日2020年8月28日の金曜ロードショーは『借りぐらしのアリエッティ』だ。今夏の3週連続ジブリのラストを飾る本作は、今年で公開されて10年が経つ。
そんな本作を改めて見てみたところ、まず作画に目を奪われた。絵具特有の味のある背景からは自然の豊かさや光の美しさがあふれ出すようである。出だしからジブリワールド全開だ。
それとは別に今だからこそ思ったこともある。これ、金曜ロードショーで改めて見る人もきっと思うんじゃないだろうか? そこで「あるある」という形でご紹介したい。
【『借りぐらしのアリエッティ』を今改めて見ると思いがちなこと】
1. 媚びてない猫にまずジブリを感じる
2. 一方バッタの可愛さが童話
3. お母さんにローリエ渡すところのアリエッティの表情がジブリ
4. お父さんに漂うラピュタの鉱夫感
5. 人間の家を進む時のRPGダンジョン感はゲームでもいけそう
6. キッチンが怖すぎる
7. 両面テープでクライミングするお父さんカッケー
8. 電源を外した奥に小人の道が続いてるワクワク感がジブリ
9. ゲームだったら人形の家がセーブポイント
10. 響く時計の音に感じるボスステージ感
11. イベント発生
12. 変わる時計の音と感情の読み取れない翔の目が不気味すぎる
13. 脳裏にチラつく数年前に社会現象になったある作品
14. いや、きっと気のせいだ
15. 角砂糖を置く翔の足音に再びチラつくある作品
16. いや、気のせいに違いない
17. 家政婦ハルさんの不穏な動き
18. スピラーの「このくらいいる」がどのくらいか分からない
19. 突然の襲撃にチラつく例の作品
20. 巨大な手の風切り音
21. 家の壁を引き抜く圧倒的破壊にデジャヴュ
22. 気のせい……じゃない?
23. 優しい目で酷いことを言う翔
24. 自虐的な「全部僕のせいだ」が本当に翔のせいでビビる
25.「67億人だよ」の時の翔の魔王感
26. 神木隆之介の穏やかな声に漂う絶望の香り
27. バールのようなものとハルさんの組み合わせの不穏さ
28. み~つけた
29. ハルさん顔! 顔!
30. もはやモロである
31. マジ進撃のハルさん
32. アリエッティを肩に乗せる翔がアルミンを肩に乗せるエレンと一致
33. 進撃の翔
34. 最終的には動きも巨人になるハルさん
35. 後半ほぼ『進撃の巨人』
──というわけで『借りぐらしのアリエッティ』は改めて見ると壁と立体機動装置のない『進撃の巨人』だ。人間目線で描かれるシーンはほのぼのしてるのに、小人目線になると一気に進撃度が増すのである。当時はアニメ版『進撃の巨人』はまだ放送されてなかったし気づかなかったけれど。
それでも、この物語が童話然としているのは誰にも悪意がない点。善意からの行動であっても、見る角度や立場によっては悪になりえる。人間の視点と小人の視点、作中で入れ替わる2つの視点からはそんなことを感じずにはいられない。それだけに最後の翔とアリエッティのシーンは救いだが。
そして、見た後にちょっと世界の見方が変わるところはまさにジブリ。以前見たことがある人も今夜見てみると、小人が新たな世界を教えてくれるかもしれない。改めて名作である。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
【金曜ロードショー】初めて『コクリコ坂から』を見てみた! ゲド戦記で「アンチ宮崎吾朗」になった私の感想をネタバレなしで正直に言うと…
本日2020年8月21日の金曜ロードショーは『コクリコ坂から』だ。2011年に公開された宮崎吾朗監督第2作目のスタジオジブリ映画である。ジブリが好きな私(中澤)だが、実は『コクリコ坂から』を見たことがない。なぜならば……
『ゲド戦記』を見た時に「宮崎吾朗監督作品はもう見るまい」と思ったから。しかし、第2作目が公開されているのに、いつまでも処女作のイメージだけで評価しているのもどうなんだろうと思ったので、『コクリコ坂から』を公開から8年目にして初めて見てみた。その感想をネタバレなしで正直に書きたい。
・ゲド戦記のトラウマ
「コクリコ坂は良い」──。そんな噂は聞いていた。だけど、私が公開から8年も見なかったのは『ゲド戦記』での肩透かし感がトラウマとなっていたからだ。私が『ゲド戦記』を見たのは映画館。スタジオジブリの新作だし、CMの壮大な感じに「待ってました!」と思ったことを覚えている。
しかし、フタを開けてみればポカーン。主人公アレンの行動は意味が分からない。いきなりお父さんを殺して逃げて鬱って。「キレる14歳」「キレる17歳」と呼ばれ続けてきた1982年世代の私でも全く共感できないのである。
そのため、勝手に話が進んで映画館の中で置いてけぼりにされているような感覚に陥った。もちろん、深い意味はあるのかもしれない。だが、それが感覚的に伝わってこないのって映像作品の監督としてはダメなんじゃないだろうか? 解説を読むのが楽しいエヴァンゲリオンとかは謎がめちゃんこ分かりやすく提示されているし。
まあ、つまるところ、私の感覚は宮崎吾朗監督の感覚とはちょっと合わないかもしれない。映画館でそう痛感してしまったため、映画『ゲド戦記』を見て以来13年間触れられなかったわけだ。しかし、この度『コクリコ坂から』を初めて見たところ、そんな『ゲド戦記』との違いを感じた。
・意味が分かる
まず、『コクリコ坂から』は意味が分かる。主人公たちがなぜ辛いのか。なぜワクワクするのか。同じ目線で感覚的に感じることができる。いきなりディスってるみたいな言い方になってしまったが、これはもの凄く重要なことだ。
なぜなら、『コクリコ坂から』が描くのは昭和38年の学生の青春。現代よりも50年以上昔であり、その古き港町の風景はもはやファンタジーですらある。同じ日本でも何もかもが今と違うのだ。
にもかかわらず、今を生きるオッサンにしてアンチ吾朗の私の色眼鏡でも共感できたのである。この時点で少なくとも、ゲド戦記とは違う。
・見どころ
次に、『コクリコ坂から』には見どころがある。それが学校にある由緒ある建物「カルチェラタン」だ。物語の中心でもある古いクラブハウス・カルチェラタンは男子学生たちの巣窟。
特に、ヒロイン・海が入り組んだ内部を進んでいくシーンの、知らない世界が開けていくようなワクワク感はまさにジブリ! 『千と千尋の神隠し』で千尋が神々の世界へ迷い込むシーンや、『耳をすませば』で雫が「地球屋」を見つけるシーンを彷彿とさせる。
・ストーリー
そんなカルチェラタンの取り壊しが持ち上がったことから、女子学生と文化部の男子生徒が団結するのが『コクリコ坂から』のストーリー。学生運動が最盛期を迎える少し前くらいの時期を描いているため、めちゃくちゃだが活気のある学生たちのドタバタ感も『天空の城ラピュタ』とか『カリオストロの城』の頃のジブリっぽい。
・ジブリっぽくないところ
逆に、個人的にジブリっぽくないと思ったのがBGMである。BGMの入り方や選曲にジブリよりも現代的なアニメのセンスを感じた。そのためか、似て非なるものな雰囲気が全編に漂っている気もする。ジブリのオマージュのようなシーンも入るのだが「なんか違う」。ひょっとしたら、この違和感が宮崎吾朗監督独特のセンスなのかもしれない。
・正直言うと
面白くなければ途中でやめるつもりだったが、結局全て見てしまった。正直、「コクリコ坂は良い」と言われる意味が分かったような気がする。ネタバレになるため言えないが、中盤の意外な展開でどうやって終わるのか気になったし。
1つ残念なところをあげるなら、ジブリ飯がいまいちだったこと。次回作『アーヤと魔女』では、ラピュタの目玉焼きトーストやハウルのベーコンエッグなみのジブリ飯の登場を期待したい。3DCGアニメだけど。