シン・エヴァンゲリオン公開延期が悲しすぎるのでペーパークラフトを作ってみた

まさかというか、やっぱりというか、シン・エヴァンゲリオン劇場版の公開延期。全国の劇場が満員になるのは必至だから、感染防止の観点では誰も責められない。 とはいえ残念だ。年末から『序』『破』『Q』を見直し、ポスターに込められ […]


バレンタインに…って、できるかー!! 手づくりチョコ玩具「チョコズキッチン」が鬼畜的に難しい

子ども向けの玩具が最近おかしい、という話題を度々ご紹介しているが、またもや狂気を感じる商品を見つけてしまった。これからの季節にぴったりの、手づくりチョコレート玩具「チョコズキッチン」。子どもの創造性や達成感を育くむ、いわ […]


悶絶するウルトラ難度! 超リアルな「手のり武者」を作ってみた

薄~い金属板でリアルな乗り物や建造物を作れるテンヨーのメタリックナノパズル。とりわけミレニアム・ファルコンやAT-ATなどを展開しているスターウォーズシリーズは、映画のメカニカルな世界観とマッチして秀逸だ。 そんな中、織 […]


昔懐かし自分で着色するプラモデル「風物詩シリーズ」を20年ぶりに作ってみたら…失敗もまた味になる

今やプラモデルといえば、着色済みパーツはもちろん、細かい部分はステッカー完備、カチッとはめこむだけで固定されるスナップフィットと、その「作りやすさ」に驚くことしばしばだ。 しかし少し前までのプラモデルづくりは自分で接着剤 […]


【ガチャガチャ】全長15cmのオオカマキリが常軌を逸したこだわりで怖い! バンダイ「生きもの大図鑑シリーズ」

他のどの昆虫にも似ていないそのシルエットや、ときにはトカゲまで狩って食べるという勇猛な性質から、生物界で独自の地位を築いているカマキリ。このたびバンダイから、日本全域でみられるオオカマキリを精密に再現したカプセルトイが誕 […]


【巨大ジオラマ】夢と浪費の王国・ディズニーランドをご案内します / デアゴスティーニ『週刊マイ・ディズニーランド 』

創刊号につられて定期購読し、未開封の号が積み上がる恐怖におびえたあげく、最終的には数十万円のおもちゃが手に入るという “デアゴスティーニ沼” については以前に記事にした。しかもこの沼「何度でも失敗を繰り返す」という恐ろしい性質をもっているのだ。

もともとジオラマやミニチュアが好きで、かつディズニーも大好きだったので『週刊マイ・ディズニーランド 』というシリーズが出たときには歓喜した。衝動的に定期購読契約してしまったのは必然だといえよう。

あれから13年……今回は家宝なのかタンスの肥やしなのかわからない、壮大なジオラマをご紹介します。

・パークをご紹介

舞台となっているのはカリフォルニア州アナハイムの「ディズニーランド・パーク」。 1955年に開園した世界初のディズニーランドで、ウォルト・ディズニーの手がもっとも入っているパークといえるだろう。

これが東京ディズニーランドのジオラマだったらもっと売れたと思うのだが、大人の事情……権利関係だろうかと邪推している。

ちなみに設置場所はタンスの中である。あまりに大きくて置く場所がなく、引き出し1段分を使って収納しているのだ。ゆえに普段は見えない。なんのために買ったんだ……という心の声にはフタをする。

時間が経ってだいぶくすんでしまったが、「Disneyland」の銘板が輝く。後ろに見えるのは「メインストリートUSA駅」だ。入園すると、お城まで一直線に見通せるのは日本のパークと同じ。

パークのシンボルとなる「眠れる森の美女の城」。シンデレラ城よりも平たいフォルムで、ピンク色が印象的。

そしてもっとも大事なアイテムといえる「パートナーズ像」。2人の固い絆が感じられるとともに、ミッキーマウスがアニメーションの世界を飛び出して、実体をもった存在だと信じさせてくれるブロンズ像だ。この像が大好きというファンも多いはず!

日本でも人気の「ジャングルクルーズ」。緑濃い密林の中に、トラや大蛇、原住民の小屋が見える。細部までとてもよくできている。

指先よりも小さいボートが浮かんでいるのがおわかりだろうか。これらの小物は接着されておらず、購入者が好きな位置に置くことができた。

日本にはないアトラクション「マッターホーン・ボブスレー」。雪山をボブスレーのように走り抜けるスリルライドだとか。ふもとには「サブマリン・ヴォヤッジ」と「ディズニーランド・モノレール」も見える。

この『週刊マイ・ディズニーランド 』もたしか全100号くらいで完結だった。組み立てらしい作業はほとんどなくて、パーツを所定の位置に置いたり、積み重ねる程度。接着もしていないので、動かして内部を鑑賞できるところがたくさんある。

たとえば「マッターホーン・ボブスレー」をカパッと開けると「雪男」が登場。

「ディズニーランド鉄道」のトンネルの中には、恐竜時代が再現されている。普段は見えないところまで作り込んであるのが感動的だった。

日本とはちょっと違う建築様式の「ホーンテッドマンション」では、建物を外すとマダム・レオタの水晶玉があるぞ。凝ってる〜!

・ほかにもギミックがある

実はこのジオラマ、ただ眺めるだけではない。電源ユニットがついていて、LEDライトが点灯するのだ。夜のパークの様子を再現できる。

温かい明かりのともったメインストリートUSA。気候のいいカリフォルニアでは、日本のワールドバザールと違って屋根がない。

さらにパレードモードにすると、カラフルなライトが点灯し、音楽が流れるというギミックつき。

長らく油をさしていないので今は試せないが、Nゲージのようにトレインがパークを1周する仕掛けもあった。素晴らしい出来栄えだ。

・引っ越しがめちゃくちゃ大変だった

1つ1つのパーツは驚くほど小さく、精巧にできている。けれどもすべてを組み上げたときのサイズは幅66cm × 奥行58cm × 高さ21cm。大型スーツケースを寝かせたくらいのサイズがある。そして非常に重い。

筆者はこのシリーズの購読中、2度ほど引っ越しをしている。1度目のときはまだ組み上げておらず、パーツがばらばらの状態だったので苦労はなかった。

しかし2度目の転居時。土台も固定してしまい、ジオラマは現在の姿になっていた。パーツは大小さまざま、数百個はあるだろう。しかも前述のとおり接着しているわけではなく「ちょんとのっている」だけのものも多い。

両手でようやく抱えられるくらいの大きな板に、不安定かつ重量のある置物が数百個もグラグラとのっている状態を想像して欲しい。引っ越し業者に頼んだら、追加料金がどれほどになるかわからない。もちろん初期状態に分解することはできるのだが、もとに戻すことを考えると気の遠くなる作業だ。

筆者は「よし、そのままでいこう」と決断した。玄関は難易度が高かったので、掃き出し窓から搬出。幸いにも1階 → 1階の運搬だったので、可能な限り水平を保って自分の車に積み込み、道路の段差に最大限の注意を払いながら運転した。

結果として大きな破損もなく移動できたのだが、腰も腕も痛くなり「もう2度とやるまい」と誓った。2階だったらたぶん無理。

ムーミンハウスのときも思ったのだが、デアゴスティーニは完成するとすごい大きさになるから気をつけなければならない。パーツの状態で届くと実感できないのだ……。

・歴史は繰り返す

ちなみに『週刊マイ・ディズニーランド 』も創刊号だけ税込790円だが、2号以降は税込1490円と倍額になった。「もうやらない」「絶対にやらない」と思うのに、新シリーズが出ると興味をひかれずにはいられないパートワーク。

目下のところ『ブルートレイン 3車両をつくる』(アシェット・コレクションズ・ジャパン)が欲しくてたまらないのは過去記事のとおり。今日も自制心を保つのに必死である。

参考リンク:デアゴスティーニ・ジャパン
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



全120号『ブルートレイン 3車両をつくる』が欲しくてたまらない! またもや分冊百科の底なし沼が誘惑してくる…

日本で分冊百科(パートワーク)の老舗といえば「デアゴスティーニ・ジャパン」。筆者は過去に何度か定期購読し、ひどい目……ならぬ幸福な目にあってきた。もう簡単には流されないぞ、と固く誓っているのだが、最近になってデアゴと双璧をなす「アシェット・コレクションズ・ジャパン」がすごい商品を投入。テーマはブルートレインだ!

平成27年の「北斗星」最終運行でブルートレインは引退。筆者は鉄道にはまったく詳しくないのだが、オレンジ色の光をこぼしながら夜闇を走り抜ける寝台列車はやはり憧れだった。

気になってたまらないので、どんな商品なのかシリーズガイドを見てみよう。

・『ブルートレイン 3車両をつくる』

分冊百科の創刊号にはたいがいシリーズガイドがついていて、完成したらどういう姿になるか、どんな機能があるか、シリーズの魅力を全力でアピールしてくる。シリーズガイドを見るためだけに創刊号を買っても惜しくないくらいだ。

今回は冊子のほかに「スタートアップDVD」がついてきた。「作り方ガイドかな? なら見なくていいや」と思ったが、さにあらず。シリーズのコンセプトを紹介しつつ、実際に動いている(本物の)ブルートレインの映像も流れて胸アツだった。これは必見!!

全120号、完成した暁には全長185cmの車両が誕生する。人間の身長ほどの大きさだ。ど、どこに置く!?

シリーズ名の「3車両」というのは「機関車」「食堂車」「B寝台車」のことで、運転席では天井の扇風機まで忠実に再現。寝台車には寝具がしつらえられ、上段にあがるハシゴや、ベッドから落ちないようにするガードもある。食堂車には料理が並ぶぞ。

ギミックも満載。Nゲージのようには走らないのだが、まるで走っているかのように車輪が回る仕掛けがある。ガタンガタンという走行音や車内アナウンス、警笛を流すことも可能。ヘッドライトや室内の蛍光灯、読書灯なども点灯するという。どこまで凝っているんだ!

マガジンは「ブルートレイン大百科」「メモリアルギャラリー」「ブルートレイン列車列伝」と、ブルートレインづくし。お腹いっぱいです……。

・創刊号を組み立ててみよう

創刊号は分厚いボックス型だ。表紙をめくると本誌があり、さらに下にパーツがある。購入前にパーツをのぞくことができる、よく見るスタイルだ。

さっそく組み立ててみよう。創刊号のメインとなるEF66ボディ前面はダイキャスト製で、手に持つとずっしり重い。プラスチックとはまったく違う高級感がある。

細かいパーツはABS樹脂なので、ニッパーで切り離す。

接着剤は自分で用意する必要がある。本体は金属なので「多用途接着剤」がオススメとのこと。デアゴスティーニだと、初回は同梱されていて「なくなったら次は自分で買ってね」というパターンが多く、購入の目安になるのでありがたい。アシェットはもう少し上級者向けかも。

さらに精密ドライバーが必要。100円ショップのもので十分だが、作業中に「え、持ってない!」という人もいるかもしれない。

少し苦戦しながらも細かいパーツを接着。木工用ボンドに比べて、接着剤は間違ったところについてしまったときのリカバーが難しい。さらに角度を調整しながら接着、という作業が必要。誰でも絶対に失敗しないスナップフィットではなく、接着位置を自分で決める昔ながらの模型づくりに近いというか、硬派なキットという印象を受ける。

けれど苦労のかいはある! 機械らしい複雑な形状がリアルに再現されて、まだちょっとしか作っていないのに映える!!

ダイキャストのナンバープレート! こ、これもかっこいい!!

理屈なしの機能美がある! しびれる〜!!

乗務員ドアかな? これからヘッドライトがついて、フロントガラスがついて……。

早く「あさかぜ」のプレートつけたいな〜。

作業は10分ほどで終了。全120号なのでほんの少ししか進まない。が、この「もっと作りたい!」「早く先に進みたい!」という物足りなさが大きな罠であることは以前に書いた。ここから底なしの沼が始まる……。

・週刊で全120号完結予定

刊行は2020年9月9日だったので、すでに数号が発売されている。完成までは2年半ほどかかる計算だ。定期購読者には「運転士フィギュア」などの特典あり。毎号250円(税込)を追加する「プレミアム定期購読」にすると、車両を3段にわけて、ひな壇のようにかっこよく飾れるディスプレイ台がもらえるぞ。ふむふむ、これなら185cmのスペースはいらないな……

はっ! また沼にはまるところだった!!

価格は創刊号だけ特別価格299円(税込)で、第2号以降は通常価格1999円(税込)になる。シリーズが終わる頃には総額いくらになっているのか……その悲劇も過去記事に書いたので、お時間があればご覧いただきたい。

けれども、わかっていても惹かれてしまう魔力が分冊百科にはある。創刊号を触っただけだが、今回のシリーズもクオリティはかなりのもの。欲しいなぁ……どうしようかなぁ……。

参考リンク:アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



【ガチャガチャ】渋いっ…! 昭和レトロな「銭湯 ミニチュアコレクション」が懐かしくて涙が出る

吹く風も冷たくなり、お風呂が恋しい季節がやってきた。たまの贅沢の温泉旅館もいいけれど、庶民の生活に根づいた銭湯もまた違った魅力がある。

本物そっくりの精密なフィギュアで知られる株式会社ケンエレファントから、全国浴場組合公認の「銭湯 ミニチュアコレクション」が登場。昭和レトロな世界が広がる、めちゃくちゃ渋いラインナップなのでご紹介したい!

・「銭湯 ミニチュアコレクション」

アイテムは全5種類。カプセル版(税込500円)とボックス版(税抜500円)がある。カプセルはもちろん、ボックスの方もブラインドなので、開けてみるまで中身はわからない。筆者が購入したのはガチャを回すカプセル版だ。富士山カラーなのか、鮮やかなブルーがまぶしい!

開けてみると……「銭湯5点セット」だった! 洗い場に必須の小道具が集まっているぞ!

まずは風呂イスと洗面器。洗面器はごくごくシンプルな白色タイプ。熱気のこもった浴室に、カポーンと響く音が聞こえてくるようだ。

そしてメ、メ、メリット……! 懐かしすぎる!!

パッケージは1980年頃のモデルとのこと。小学校高学年の頃、家族と共用でメリットを使っているって話したら同級生にめちゃくちゃバカにされたの、アレなんだったんだ!? ティモテとか使うのが「おしゃれ」みたいなさ!!

花王石鹸にはちゃんとKaoのマークが掘られている。そうそう、使い始めの一時期にだけ見られる姿!

包装紙で包むことができるんだけど、1953年当時のデザインだそうで、これはさすがに筆者もわからない。

・銭湯といえば富士山

もう1つ開封してみよう。出てきたのは……「銭湯と銭湯絵(富士山)」だ。

タイル張りの湯船に、お湯のクリアパーツをはめ込む。お湯を入れると見えなくなるのだけれど、このタイルの色あせ具合がまた渋いっ!

ちゃんと湯口もある! 水面が波打って、本当にお湯をはっているみたいだ。

「銭湯絵」はシールになっているので、スタンドに貼りつける。「日本に3人しかいないペンキ絵師・中島盛夫氏による銭湯絵を再現」だそう。

いいね〜、雰囲気あるね〜!!

なお、縮尺はそれぞれのアイテムで異なる。後述するように「建物そのもの」まで、同じサイズのカプセルに入っている状態だ。そのため厳密には1つの風景を作るのは難しいけれど、並べてみると昭和レトロな空気感はバッチリ共有している。

・その他のラインナップ

©Meiji

筆者が入手できなかったのは残り3種。まずは “キング・オブ・銭湯” と称されるらしい「大黒湯(東京都足立区)」。建物の外観をそのままミニチュア化している。銭湯らしい長い煙突や、特徴的な屋根、入り口の暖簾(のれん)なんかが忠実に再現されているとのこと。

そして「体重計と脱衣籠」。「株式会社田中衡機工業所の高さ150cmの業務用体重計」だそうで、実在の製品をピンポイントで再現。並々ならぬこだわりが感じられる。針がプリントされたクリアパーツを好きな角度(重さ)ではめ込めるとのこと。実物は150kgまで計測できるんだそうな。

最後の1つは「マッサージ機とコーヒー牛乳」。マッサージ機のメーカーはファミリーイナダ、コーヒー牛乳は明治だ。広くもない脱衣所をどーんと占領するマッサージ機、あったねぇ。

なお、ごくまれにラッキーアイテム「浴場組合公式キャラクター ゆっポくん」が同封されていることがあるらしい。「レアな確率」とのことだから、入っていたらたぶん本当にラッキーだ。

・銭湯に行きたくなる

説明書には温泉よろしく「効果」の欄があって、「楽しい気分になる・遊び心が溢れる・近くの銭湯へ行きたくなる」と書いてある。そういえば、もうずいぶん長いこと銭湯に行っていない。昔ながらの銭湯の価値が見直され、コロナ以前には外国人観光客にも人気だったというから、久しぶりに行ってみようかな?

参考リンク:株式会社ケンエレファント
Report:冨樫さや
Photo:©Meiji、RocketNews24.



【廃墟】世界遺産「軍艦島」ペーパークラフトがかっこよすぎる! 幻の超過密都市を自分の手で作り上げよう

長崎市の南西に浮かぶ「軍艦島」こと端島(はしま)。当サイトでも過去に何度か取り上げているが、世界遺産にも登録され、日本でもっとも知名度が高い無人島かもしれない。

その名から「戦争遺跡?」と思うが、そうではなく炭鉱街の跡地だ。日本初の鉄筋コンクリート高層住宅が立ち並び、福利厚生施設が整えられるなど、当時の最先端都市であったという。

城跡よりも神殿よりも「ここがトイレの跡です」のような市民生活の遺跡に萌える筆者としては、ロマンしかない場所である。そんな軍艦島を自分の手で作れるペーパークラフトに挑戦!

・軍艦島ペーパークラフト

商品は現地の土産物店……ではなくヴィレッジヴァンガードなどのオンラインストアで購入できる。世界遺産に登録されたのは2015年だが、モデルは2011年以前の姿とのこと。

内容はA4サイズのシート3枚+組立説明書1枚。パーツ数は80! なかなか作りがいがありそうだ。

キットは通常版(税込1100円)とレーザーカット済み(税込2200円)の2種類ある。筆者は「軟弱者っ」と自分を罵りながら後者にしたのだが、結果的には正解だった。理由は後述するが、相当の上級者以外はレーザーカット済みがオススメだ。

台紙となるシートには、貼りつけの参考となるように建物名が書いてある。これだけでも地図のようで、たまらない……! マニア垂涎では!? ちょっと興奮してしまう。

・作業スタート

作業は丘の上からスタート。平らな土地の中央部だけ盛り上がるシルエットが、軍艦のブリッジのように見えたのだ。

数十棟を超える建物の中、1号棟は「端島神社」となっている。ほかに寺もあって、宗派を問わず法事を行っていたという。火葬場と墓は別の島にあった。

実際の軍艦島は、所定のツアーに参加することで上陸見学ができる。一般の見学客は神社まで近づけないが、上方に見えた小さな社が、それだったのではないかと思う。

紙は薄く軟らかい種類で、あまり強度がない。クタクタして扱いが難しく、あらかじめ折り目が入っている「レーザーカット済み」はありがたい。ただ、折ったところから紙が割れやすいので、印刷面がはがれないよう注意だ。予算もあるのだろうが、素材はもうちょっとだけ上質な方がよかった。

作業ごとにパーツの印刷位置がまとまっていることや、切り離したパーツにも「〇号棟」などと印刷されているのはよい配慮。

山折り、谷折りを駆使して複雑な地形を作っていく。島中央の小高いところが完成。

続いて平地の部分を作っていこう。病院や小中学校のある島北部から開始。サイコロ状にした建物をひたすら貼りつけていく作業だ。

ほかはすべて「〇号棟」という無機質な名称なのに「ちどり荘」という建物だけ特別待遇。なんだろうと思ったら、教職員宿舎だそう。

次は住宅や公共施設が立ち並ぶ島西部。公民館はもちろん、映画館、テニスコート、プール、パチンコ屋と娯楽施設も揃っていた。一般の見学客は立ち入れないが、もっとも興味深いエリアだともいえる。

閉山は1974年。「実際に住んでいた」という人が存命なくらい最近のことであり、多くの世界遺産と異なるユニークな点だ。医療、教育、娯楽、仕事、島の中ですべての都市機能が完結し、最盛期には東京都心の9倍に及ぶ人口密度だったという。

1つの鉱山で働く人はみな家族であるという「一山一家(いちざんいっか)」という言葉もあるが、離島という閉ざされた空間での命がけの仕事だ。助け合わなければ生きていけないから、ものすごく「密」なコミュニティを作っていたのだろうと思う。2度と戻らない時代というか、ノスタルジーというか、軍艦島にはそんな不思議な魅力がある。

最後に炭鉱関連施設のある島東部。ほぼすべてが直方体のビルの中、三角屋根の建物が珍しい。「第四堅抗巻座」で、ケージを昇降させる巻揚機(=ウィンチ)がある施設だという。

日の光も届かない海底に潜っていくのだから、改めてすごい仕事だ。島のユニークな生活面にばかり目が向きがちだけれど、危険も多く重労働だったろうと思う。

最後に岸壁でぐるりと囲んで、土台に固定する。

完成だ!! 写真を撮りながらだが、細かい作業が多くて5時間近くかかった。

・完成した姿がこちら

海に浮かぶ軍艦島だ。似ているといわれる軍艦は、同じく長崎生まれの「土佐」なのだそう。長崎は造船の街でもある。

ペーパークラフトだからだいぶ簡略化されているところもあるけれども、コンクリートのビル群がいい雰囲気を出している!

迷路のように入り組んだ住宅エリア。この過密ぶりが香港の九龍城砦を思わせる。複雑な廊下でつながれ、ビル内外に商店や郵便局、保育園もあったという。

実際には一般の見学客は決められた「見学通路」「見学広場」しか歩けない。見学できるのは、おもに事務所などがあった島南部だ。現地で見られなかった部分をペーパークラフトで俯瞰(ふかん)できるのは新鮮!

・軍艦島よ、永遠なれ

形あるもの、いつかはなくなる。現在の軍艦島の姿も、どこまで維持・保存できるかわからない。立体模型として手元に置いておけるのはとても嬉しい。作っているうちにまた現地に行きたくなってきた。

廃墟マニアにはもちろん、市民の生活の場としても、独自の文化が育まれたおもしろい場所だと思う。休日はどう過ごしていたのか、ご近所トラブルはなかったのか、などなど興味がつきない。同志の方はぜひどうぞ!

参考リンク:ヴィレッジヴァンガードながさき旅ネット
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



実物大カップヌードルのプラモデルが誕生! その完成度とこだわりにバンダイの本気を見た!!

また1つ伝説が誕生してしまった。超精密な初代プレイステーションプラモデルを世に生み出したバンダイ『BEST HIT CHRONICLE』……時代を代表する有名メーカーとコラボして、ヒット商品をプラモ化する企画だ。

このたび、日清食品のカップヌードルを1/1プラモデルとして発売。“3分では作れない新感覚” をキャッチコピーに、プラモ界の常識を打ち破りにきている。さっそく作ってみたのでご紹介したい!

・作ってみよう

開封すると容器のホワイト、麺のベージュなどに色分けされたパーツが入っている。これだけ見れば、なにかのメカや乗り物のようにも見える。よもや「これから食べ物を作ろうとしている」などとは思うまい。

それでは作業開始。パーツを切り離して組み立てていく。前作と同様に接着剤が要らず、カチッとはめこむだけで固定できるスナップフィットになっている。

カップヌードルの容器といえば、白を背景として、赤やゴールドでロゴがデザインされているのを思い出すが……それらの色分けがプリントやシールではなく、パーツの組み合わせで再現されている! すごい作り込みだ。

「CUP NOODLE」のロゴも同様。赤と白のプラスチックパーツで作っていく。本当ならステッカーで十分なはずなのに、あえて組み立てさせるこの作業。かなりわくわくする。

作りやすさへのこだわりも相当なもので、たとえばよく似た3つの「注意書き」。どれも正方形でサイズもほぼ同じ。ハメ込むときに間違えそうに思うが、裏を見ると凹凸の形が違う。正しくないところには、そもそも入らないようになっているのだ。

カップがだいたいできたら、麺と具材の作成に進む。ここまででおよそ1時間だ。

レゴブロックのように組み合わせて立体的にするのだが、ここでもハメ込みのための凹凸の形が1つずつ異なり、絶対に間違わないようになっている親切設計。その気配りが素晴らしい。

続いてステッカーを貼る作業だ。基本的には前述のとおりパーツの組み合わせで色分けをしているのだが、細かい部分はどうしても再現しきれない。たとえば半濁点(゜)の部分。それをカイナスシールで補う。

ステッカーを貼ることで文字がくっきりと浮かび上がった。しっかりパーツ色に馴染むので、遠目にはシールであることがわからない。

そのこだわりは、いわれなければ気づかないくらい細かいところにまで及ぶ。「U」の上部のごくごく小さなスキマ。これ本当に要る!?

栄養成分表示の部分は、あらかじめ浮き彫り(うきぼり)のように文字が彫られている。それだけでも文字が判別できるくらいの再現度なのだけれど、ぴったりとステッカーを重ねていく。ずれないように貼るのが結構大変!

具材のエビにも一手間かけるぞ。半透明のステッカーで包み込むことで、シマシマ模様を再現していく。

ネギはビニールシートを切って好きな量を作る。もちろん、たまごと謎肉もある。実物から3Dスキャンして金型成形したのだそう。

これらの具材を載せたら完成だ! お湯の注ぎラインまで再現。

カッターでごく簡単にバリを取る程度で、作業時間はおよそ2時間。丁寧にヤスリがけしたり着色したりしたら、もっとかかるはず。お湯を入れて待つだけのカップヌードルとは訳が違った。

・完成品はこちら

容器の前面は取り外して内部をのぞくことができる。麺がちょっと浮いている構造は「中間保持構造」といい、輸送中のダメージを軽減するのだそう。お湯の対流を促す「上部は密、下部は疎」の「疎密麺塊構造」も忠実に再現。

本物のカップヌードルと比べてみよう。本当にそっくり! 上ぶたはシールなので具材が見えなくなると思い、あえて筆者は貼っていない。実際に貼りつけて、ベロの部分のシワシワ感を出せばさらにリアルになると思う。

上から見ると、もう見分けがつかない。

JASマークもばっちり再現!

具材は、なんと本物の方がたくさん入っていた! 逆だったら「見栄を張るな」といいたくなるが、これは嬉しい違いだ。よいよい。

・プラモ界に革命を起こした

カップヌードルを作るという発想のぶっちぎりのユニークさ、作り手に配慮した親切設計、完成した作品のクオリティ、どれをとってもプラモ界の革命児といっていいだろう。

価格は税込2420円。バンダイ公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」では品切れ中だが、Amazonなど大手ショッピングサイトでは在庫もある模様。

1つ助言するならば、プラモを作るときには本物を必ず用意すること。完成後に無性にカップヌードルが食べたくなること請け合いだ!

参考リンク:バンダイホビーサイト日清食品オンラインストア
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



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