また1つ伝説が誕生してしまった。超精密な初代プレイステーションプラモデルを世に生み出したバンダイ『BEST HIT CHRONICLE』……時代を代表する有名メーカーとコラボして、ヒット商品をプラモ化する企画だ。
このたび、日清食品のカップヌードルを1/1プラモデルとして発売。“3分では作れない新感覚” をキャッチコピーに、プラモ界の常識を打ち破りにきている。さっそく作ってみたのでご紹介したい!
・作ってみよう
開封すると容器のホワイト、麺のベージュなどに色分けされたパーツが入っている。これだけ見れば、なにかのメカや乗り物のようにも見える。よもや「これから食べ物を作ろうとしている」などとは思うまい。
それでは作業開始。パーツを切り離して組み立てていく。前作と同様に接着剤が要らず、カチッとはめこむだけで固定できるスナップフィットになっている。
カップヌードルの容器といえば、白を背景として、赤やゴールドでロゴがデザインされているのを思い出すが……それらの色分けがプリントやシールではなく、パーツの組み合わせで再現されている! すごい作り込みだ。
「CUP NOODLE」のロゴも同様。赤と白のプラスチックパーツで作っていく。本当ならステッカーで十分なはずなのに、あえて組み立てさせるこの作業。かなりわくわくする。
作りやすさへのこだわりも相当なもので、たとえばよく似た3つの「注意書き」。どれも正方形でサイズもほぼ同じ。ハメ込むときに間違えそうに思うが、裏を見ると凹凸の形が違う。正しくないところには、そもそも入らないようになっているのだ。
カップがだいたいできたら、麺と具材の作成に進む。ここまででおよそ1時間だ。
レゴブロックのように組み合わせて立体的にするのだが、ここでもハメ込みのための凹凸の形が1つずつ異なり、絶対に間違わないようになっている親切設計。その気配りが素晴らしい。
続いてステッカーを貼る作業だ。基本的には前述のとおりパーツの組み合わせで色分けをしているのだが、細かい部分はどうしても再現しきれない。たとえば半濁点(゜)の部分。それをカイナスシールで補う。
ステッカーを貼ることで文字がくっきりと浮かび上がった。しっかりパーツ色に馴染むので、遠目にはシールであることがわからない。
そのこだわりは、いわれなければ気づかないくらい細かいところにまで及ぶ。「U」の上部のごくごく小さなスキマ。これ本当に要る!?
栄養成分表示の部分は、あらかじめ浮き彫り(うきぼり)のように文字が彫られている。それだけでも文字が判別できるくらいの再現度なのだけれど、ぴったりとステッカーを重ねていく。ずれないように貼るのが結構大変!
具材のエビにも一手間かけるぞ。半透明のステッカーで包み込むことで、シマシマ模様を再現していく。
ネギはビニールシートを切って好きな量を作る。もちろん、たまごと謎肉もある。実物から3Dスキャンして金型成形したのだそう。
これらの具材を載せたら完成だ! お湯の注ぎラインまで再現。
カッターでごく簡単にバリを取る程度で、作業時間はおよそ2時間。丁寧にヤスリがけしたり着色したりしたら、もっとかかるはず。お湯を入れて待つだけのカップヌードルとは訳が違った。
・完成品はこちら
容器の前面は取り外して内部をのぞくことができる。麺がちょっと浮いている構造は「中間保持構造」といい、輸送中のダメージを軽減するのだそう。お湯の対流を促す「上部は密、下部は疎」の「疎密麺塊構造」も忠実に再現。
本物のカップヌードルと比べてみよう。本当にそっくり! 上ぶたはシールなので具材が見えなくなると思い、あえて筆者は貼っていない。実際に貼りつけて、ベロの部分のシワシワ感を出せばさらにリアルになると思う。
上から見ると、もう見分けがつかない。
JASマークもばっちり再現!
具材は、なんと本物の方がたくさん入っていた! 逆だったら「見栄を張るな」といいたくなるが、これは嬉しい違いだ。よいよい。
・プラモ界に革命を起こした
カップヌードルを作るという発想のぶっちぎりのユニークさ、作り手に配慮した親切設計、完成した作品のクオリティ、どれをとってもプラモ界の革命児といっていいだろう。
価格は税込2420円。バンダイ公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」では品切れ中だが、Amazonなど大手ショッピングサイトでは在庫もある模様。
1つ助言するならば、プラモを作るときには本物を必ず用意すること。完成後に無性にカップヌードルが食べたくなること請け合いだ!
参考リンク:バンダイホビーサイト、日清食品オンラインストア
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.