【ガチャガチャ】ニッチすぎる…!! タコ足配線ができるカプセルトイ「配線の世界」

いまカプセルトイの世界では「家具・家電」が一大ブームだ。実在の有名メーカーの商品をフィギュア化して、大人の鑑賞にも耐えられるコレクションアイテムになっている。

もはやリアルなのは当たり前。もう精密なだけでは満足できない! もっとマニア心をくすぐる商品が欲しいんだ!! と思っていたら、おもしろいものを見つけた。その名も「配線の世界」。家電ではなく配線にフォーカスしたカプセルトイだ。ニッチすぎるだろ。

・「配線の世界」(全5種 / 200円)

エポック社のカプセルコレクション「配線の世界」全5種。今年5月の発売だったので、品切れの際はご容赦いただきたい。ひとつずつアイテムを見ていこう。

まずは炊飯器! 本体はシンプルな構造で、フタが開くなどのギミックも一切ない。他社商品であれば、最低でもフタが開閉するか、取っ手を動かせるくらいの細工はあるだろう。余分な機能はいさぎよくカットした造形になっている。

その代わり2個口タップがついていて、プラグを差すことができる! 緩みもなくカチッとはまり、製作者のこだわりがうかがわれる。コード部分はヒモなので、自由に曲げられる。

続いてドライヤー。こちらも2個口タップつき。可動はしないが手元スイッチがあったり、吹き出し口の塗り分けもされている。

風で吹き飛んでいきそうな、小さな小さなスマートフォン。充電スタンドに差したり外したりできる。iPhoneにも似た白い機体だが、このタイプのスタンドはあまり見ないから架空の機種かな? ガラケーを思い出させる充電器だ。

湯沸かしポット。4つの家電の中で、これが1番凝っていた。フタが取れ、ベースから取り外すこともできる。

ちょっと前まで「ホテルのポット」のイメージだったけれど、いまはティファールとかデロンギとか家庭用の売れ筋もみんなこのタイプなんだね。

本当ならこれらは、家中あちこちのコンセントを奪い合うライバル同士の関係だけれど……

マルチタップがあれば解決!! この6個口タップを加えて全5種なのだ。

すべてのプラグを差すことができる。これぞまさしく「タコ足配線」! 

スマホはともかく、炊飯器&ドライヤー&湯沸かしポットのコンボはさすがにアウトだろう。マルチタップの容量オーバーと思われる。もし安全装置がなければ……発煙、発火、延焼!!

たとえタップがOKでも、電源を入れた瞬間ブレーカーが落ちるヤツだな。

・タコ足注意!!

この企画を出した人は、きっと絡まり合ったコードやずらっと並んだ差込口、プラグの形状なんかにロマンを感じ、商品を作ったのだろう。わかる、わかるよ……。きっと万人に理解はしてもらえないだろうが、こういう発想が大好きだ。

これはおもちゃだからいいけれど、現実にはタコ足配線には気をつけよう。いくら6口、8口と差込口があっても、タップの容量を超える家電をつないじゃダメだぞ!

参考リンク:エポック社独立行政法人 製品評価技術基盤機構
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



【あるある】デアゴスティーニ『週刊ムーミンハウスをつくる』を3年越しで完成させて思ったこと10選

特定のテーマの教材を定期的に刊行する、いわゆる分冊百科(パートワーク)の老舗「デアゴスティーニ」。歴史や自然科学、クラフトからサブカルチャーまで幅広いラインナップなので、1冊くらいは買ったことがあるかもしれません。

……が、最後まで継続したことのある人は少ないのではないでしょうか。筆者は2017年から2019年にかけて、あるシリーズを購読していました。完結号が出たのが昨年秋。創刊号から実に3年のときを経て、先日ついに作り終わったのです。

その道のりは長かった……あまりに長かった。こんなに苦労するのは、きっと筆者だけではないはず。これまでの軌跡を振り返りながら、汗と涙の「デアゴスティーニあるある」をお届けします。

・その1. 創刊号と2号以降の価格差がえぐい

筆者が『週刊ムーミンハウスをつくる』と出会ったのは2017年夏のこと。もとから原作者トーベ・ヤンソンのファンだった筆者は、ムーミンパパが家族のために設計し、お客であれば誰でも大歓迎される「あのムーミン屋敷」が作れるなんて、と心を躍らせました。

創刊号はなんと490円(当時)。もし期待外れだとしても痛くない金額です。速攻で買いました。

そして創刊号は素晴らしかった。「玄関ポーチの階段の土台」と「ムーミンのベッド」を作りましたが感動するできばえ。敬愛するドールハウス作家・村上一昭氏の監修であったことも魅力でした。

しかしこれは他のシリーズも同様なのですが、デアゴスティーニは創刊号だけが「お試し価格」で破格になります。ムーミンハウスも2号以降は税抜1472円。まさかの3倍です。

月にすると6500円ほど。安くはないけれど、カルチャースクールなどに通うことを考えると、出せない金額ではないという絶妙な設定……そしてデスロードが始まるのです。

・その2. 最初の頃は次号が待ちきれない!

分冊百科であるデアゴスティーニは、数年かけて完結に至ります。同シリーズも全100号の予定でした。そのため1号で進む割合はほんのわずか、椅子1脚とか窓1つとか、そのくらいの進み具合です。

作り始めはとにかく楽しい。「もっと作りたい!」「早く次の号が出ないかな?」と待ち遠しくなります。しかも初期の頃は、脱落者が出ないよう「作りやすいもの」「失敗しないもの」がついてくるように思います。亀のような歩みがもどかしい「やる気満々フェイズ」がしばらく続きます。

・その3. 定期購読でホールドされる

シリーズがある程度まで進むと、購読者の数が定まるので、受注販売のような形になります。不特定多数に向けて店頭に並ぶのではなく、自宅やコンビニや書店に届く定期購読にシフトするのです。

筆者は過去の別シリーズで絶え間なく(当時は2週間おき)宅配便が届き、ちょっとした宅配便恐怖症になったので今回はコンビニ取り寄せにしました。

しかし、毎週決まった日にコンビニ店舗に通うというのは、なかなかに拘束感があります。もちろんいつでもやめられるのですが、こういった定期購入や契約は「始めることは簡単だけれど、やめるのが難しい」のではないでしょうか。

コンビニに出向くのが面倒になり、少し時間があるから作業しようかな、と思っても「まだ取りに行っていない」というタイムロスが生じます。破滅への最初のほころびです。

・その4. 上級者に心を折られる

マニュアルは丁寧で、指示どおりに進めれば大概のものは完成します。逆に個性を発揮してアレンジしてもOKです。たとえば色を変えたり、ウェザリング(=風化や汚れの演出)したり、紙で作るべきところをリアルに布にしたりと、創意工夫が推奨されています。

公式でも読者コミュニティサイトを開設し、アレンジ実例を紹介してくれるのですが……その画像を見ると、なんと自分の作ったものがみすぼらしく見えることか!!

ただマニュアルどおりに作ったもの、それも失敗してあの手この手でごまかしているものなんて、見るに堪えません!

最終的に、筆者は既製品に頼りました。金属やガラスの既製品が入るとぐっとリアルになります。欧米ではハウスならハウス、家具なら家具と作家それぞれに専門があって、日本のようにすべて自分で作るのは珍しいそうですよ(言い訳)。

・その5. 思わず関連商品まで買ってしまう

シリーズを購読していると、いろいろな関連商品の販売があります。たとえば道具や画材、完成後の専用ディスプレイケースなどが一般的。

そして本シリーズでは「サブキャラフィギュアとジオラマシリーズ」(全6回 / 送料込1万1340円)というものがリリースされました。本編でもムーミンやスナフキンなどの主要キャラはついてくるのですが、モラン、フィリフヨンカ、スティンキーなど、ファンなら「お!」と思ってしまうサブキャラたち。

「高いお金をかけて作ってるんだから」「せっかくだからコンプリートしたい」という消費者心理を巧みにくすぐります。なんという誘惑!! 抗うことなどできるでしょうか。

・その6. だいたい50号を過ぎると引くに引けない

1年が経過し、折り返し地点。この頃には作り手が慣れたことを見越してか、作業の難易度も高めに。「週末にやろう」「3連休にやろう」などと未開封の号が徐々にたまってくる、という現象が始まります。ためるとハードルが上がる、自明の理です。

「最後まで作れるかな……」という一抹の焦りと不安がわいてきます。しかし、振り返ると作りかけのハウスや家具が山になっている。パーツは断片的に届くので「この号で一段落」という明確な区切りもありません。すでに道具も揃え、相当の時間を費やしてしまっている。

いわゆる「コンコルド効果」です。人はこれまでに払ったコスト(時間や費用や労力)を惜しむあまり、この先もっと損をするとわかっていても引き返せない、という心理に陥るのです……! 

・その7. 恐怖の「好評につき延長決定」

筆者の知る限り、少しずつ組み立てるビルドアップ系のシリーズで、急に打ち切りになったり、後から必須パーツの追加購入を迫るようなことは基本的にありません。(試験販売では打ち切りもある。)

しかし恐ろしいのが「好評につきシリーズ延長」です! 予定した作品の完成後、機能が拡張されたり、付属物が作れたりします。過去にドールハウスを作ったときには、数年越しで本体分が完結した後に「隣にアンティークショップを作りましょう」と違う建物の製作が始まったことがあります。

ムーミンハウスでもそれは起きました。100号で完結の予定が、10号延長して「水浴び小屋」を作りましょうと……!

あなたには経験がおありでしょうか。必死で勉強しなければならないときに限って、部屋の片付けを始めてしまう。それもいつもの何倍もの集中力を発揮して、部屋がピカピカになってしまうという怪現象……。

その頃の筆者は、未開封の本編を放置していることに罪悪感を抱いていました。手つかずの材料が山積みなのにもかかわらず、なにを思ったのか101号を作り始め、超スピードで水浴び小屋を完成させてしまったのです。そのやる気があれば本体できるだろ、というスピードでした。

・その8. 普通に買った方が安いことに気づく

追加シリーズも完結し、未完成ながらも商品の受け取りから解放されて安堵すると、禁断の問いが頭をかすめました。いったい、いくらかかったんだろうかと。

計算してみると、ここまで支払った総額はシリーズ全100号(税抜14万6182円)+追加10号(税抜1万4720円)=17万円以上!! さらに指定の絵の具なども買い揃えています。

これだけあれば、海外ドラマでよく見るような、子どもの背丈ほどもある立派なドールハウスを余裕で買えちゃいます。家具もヴィクトリア調でもロココ調でも買い放題です。

しかも当のデアゴスティーニから、お得な特別セット販売(全100号セット / 税抜12万5000円)まで出ているじゃありませんか!

そう、1号1号はたいしたことなくても、数年間も買い続けるとものすごい金額になるのです! これはたぶんロボットでもスーパーカーでも秘密基地でも同じことが起きているんじゃないでしょうか? 全国の同志よ!!

・その9. でも自分で作るとめちゃくちゃ楽しい

数々の困難を乗り越え、ついに竣工しました。地上4階、地下1階建てのムーミンハウスです。

テラスではコーヒーを飲みながら、家族だんらんをお楽しみいただけます。最初の頃やっていたウェザリング加工が見られなくなっているのは気のせいです。

地下には食料庫があります。冬には深い雪に閉ざされるムーミン谷、冬眠できない人間族のお客様でも安心です。映画『シャイニング』のように豊富な食料が備蓄されています。

なお、読者プレゼントだった「お風呂のスポンジ」を「パン」だと勘違いして食料棚に貼り付けてしまったという失態も見て取れます。

1階には広いリビングダイニングがございます。難しすぎて、同じ号を2回買って作ったシャンデリアが輝いております。

キッチンです。天井から下がっている寛永通宝のようなものは「ハパンレイパ」というフィンランドのライ麦パンでございます。粘土作業があまりに下手で「パンに見えない」と悩んだものの、修正できるスキルがなく投げやりに天井にとりつけた、いわくつきの1品です。

2階にはバスルームと、快適なメインベッドルームがございます。

3階には執筆活動のできる書斎もご用意しております。家族の声が届かない個室ですので、テレワークにも適しています。

屋根裏には子ども部屋がございます。縄ばしごで地上に直結しており、反抗期のお子さんにも便利です。

昨今のアウトドアブームに先駆けまして、テントも付属しております。十分なソーシャルディスタンスを確保できます。

・その10. 何度失敗しても「今回こそは作れる」と思ってしまう

こんなに苦労しても、新シリーズが出るとこりずにまた買ってしまう、それがデアゴスティーニ。なぜなら、そこに夢があるから。「これからあの○○を作るんだ!」というワクワク感は何物にも代えがたい。そしてクオリティの高さは折り紙つきで、完成した作品への愛着もひとしおです。

ええ、筆者はデアゴスティーニを愛しています。これからも新たなシリーズを買うでしょう。

なお、筆者宅の納戸には20年ほど前に購読し、未完のまま保管されている「週刊マイ・ドールズ・ハウス」があります。いつか作ります、きっと……たぶん……いつか……

参考リンク:デアゴスティーニ・ジャパン
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



【ガチャガチャ】自分の限界に挑戦! 超ミニサイズの筆と御朱印帳で書道をしてみた

まったく違う意図で作られた別々の商品が、最初から予定されていたかのようにシンデレラフィットすることがある。このときがまさにそうだった。

ガチャガチャコーナーにあった「ミニチュア習字セット」を見て、せっかく字が書けるのに半紙がついていないのが残念だなぁと思っていたところ、「手のひらサイズのミニ御朱印帳」なる商品を発見。

どちらも優雅な和のテイスト、あつらえたように雰囲気が似ていてサイズ感もぴったり。ということで、数十年ぶりに書道にチャレンジすることにした。

・使った商品はこちら

1つ目の商品はJ.ドリームの「ミニチュア習字セット2」(全5種 / 200円)。日本らしい椿や桜があしらわれた硯箱(すずりばこ)に、小さな墨、硯、文鎮、筆が入っている。

そのうちの筆は「本当に書ける」ことが特徴。墨は残念ながらレプリカで、実際に磨る(する)ことはできない。別途、墨または絵の具をご用意くださいとのこと。

もう1つの商品が、トイズキャビン「手のひらサイズのミニ御朱印帳 弐」(全6種 / 300円)で、こちらも日本らしい風流なデザイン。本物の御朱印帳のようにじゃばら折りになっていて、大きく展開できる。

今やレジャーになっている感もあるが、御朱印とは本来、納経の証にいただく印章。現代では多くの寺社で300円程度を納めると、神職や僧侶の方が墨書きしてくださる。

期間限定の御朱印や、芸術性の高い御朱印で話題を集めているところもあるようだ。御朱印帳そのものも、寺社オリジナルのものや、キャラクターものなど、多種多様なデザインがあって楽しい。

・実際に書いてみる

ガチャマシンの商品写真では、半紙に「夢」という字を書いていた。前向きで希望があり、いい字だ。まずはこれを書いてみようと思う。

いざ……

上手くはないが、なかなか味がある字が書けたような気がする。真っ白い紙に墨汁……ではなくタミヤカラーだが、とにかく漆黒のインクが吸い込まれていくのは気持ちがいい。心が清らかになるようだ。

もっと書いてみたい! せっかくなので、実際の御朱印をお手本にしてみよう。書としても美しい日光東照宮をチョイス。

文字というのはしょせんは道具、内容が伝わればいい……のだけれど、世の中にはアートのように美しい文字を生み出せる人がいるという事実に驚嘆する。

ところで、筆の素材はおそらくナイロンだと思うのだが、1本1本が広がってまとまらない。水を吸わず、むしろ弾くためにカスレもひどい。細かい字はとても書けそうもないので、穂先を切って整えることにした。

では、精神統一して……

なんだこれは……似ても似つかないものができた。汚い。

これはたぶんお手本のチョイスが間違ってる!! 漢字は形が複雑で難しいし文字数が多すぎる。

漢字はあきらめて、1字で意味を表せる梵字(ぼんじ)にする。次なるお手本は成田山新勝寺だ。梵字の読み書きを習った経験はないが、不動明王の「カーン」で合っているだろうか。

心を込めて……

どうだろうか。書き順もわからず、正確性はかなり疑わしいが、雰囲気は出たのではないかと思う!

ちなみに筆者は特別な信仰は持っておらず、仏事もサボりがちな罰当たりなのだが、寺社仏閣にはよく行く。特定の「神」ではないのだけれど、人智を超えた力の存在は信じているというか……。

神仏習合(=神道と仏教の共生)であったり、八百万神(やおよろずのかみ)であったり、「なんでもあり」な日本人のゆる〜い宗教観が好きだ。

・書道はいい

子ども時代、ものすごく字が下手だったので親に無理やり習字教室に行かされていた。下校後すぐに行けば早く終わるのに、いつもグズグズしているうちに日が暮れて、しかも毛筆と硬筆は関係がなく、字はまったく上手くならなかった。

けれど今回、久しぶりに筆を持つ楽しさを思い出した。柔らかい筆と、流動的なインクから作られる線は予測がつかない。まさに偶然の生み出す妙だ。それに比べたら、筆の硬さも出てくるインクの量も決まっている筆ペンなど「予定調和」だといえる。

最初から普通サイズでやればよかったじゃん、という心の声にはそっとフタをし、しばらく書道を楽しみたい。人生には回り道も必要だ。

参考リンク:株式会社トイズキャビン株式会社J.ドリーム
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



飲めそうなくらいリアル、本物そっくりなクリームソーダの食品サンプルをおうちで作ってみた

みんな大好きクリームソーダ。弾ける炭酸とバニラアイスの甘さが絶妙にマッチした魅惑の飲み物だ。しかし今日は喫茶店や洋食店の話ではない。

シュワシュワの泡まで見えるのに、決して飲めないニセモノ……食品サンプルを作ったのだ。それも講師に教えてもらえる体験教室ではなく、誰でも自宅でできるキットで。

作業は大変だったが、自分で作ったとは思えない美しい仕上がりになったのでその模様をお届けしたい。夏らしい爽やかアイテムで、お子さんの自由研究にもいいぞ。

・「触れる図鑑 食品サンプルを作るキット」(税込1650円)

今回使用したキットは、株式会社ライブエンタープライズ「触れる図鑑コレクション」の「食品サンプルを作るキット」。

箱の中には化学実験に使いそうな薬品的なものがたくさん入っている。鮮やかなグリーンの液体はクリームソーダ本体とすぐにわかった。

それ以外にも自分で用意するものが結構ある。クリームソーダを入れるグラスや、複数個の耐熱カップ、そして鍋とコンロでロウを溶かすので、キッチンが汚れないような準備も必要だ。

・作業工程は多い

それでは作業開始。職人さんが本格的に作るときよりはずっと簡便化されているが、それでも工程はたくさんある。時間に余裕のあるときに、心してかかって欲しい。まずは練りゴムで「バニラアイス」と「サクランボ」の原型を作る。

説明書には最初に練りゴムを伸ばしたりこねたりして柔らかくするよう書いてある。粘土細工でもおなじみの作業だ。

しかし、この練りゴム、めちゃくちゃ硬い! とても素手でこねられる硬さではなかった。温めると柔らかくなるようだったので、レンジでチンするカイロで包んでみたりもしたが焼け石に水。

そのため、サクランボはなめらかな球体にならず……

一方でゴムがゴワゴワしているおかげでアイスのひび割れ感はよく出たのではないかと思う。けがの功名だ。

続いて「型」を作る。寒天を湯せんで溶かし、先ほど作ったゴムの原型をそっと沈めたら、あとは寒天が固まるのを待つ。

この作業、ガレージキットづくりにちょっと似ている。ご存じかもしれないが、ガレージキットとは個人でも作れる少数生産の模型キット。例えばキャラクターフィギュアなら、はじめに粘土などで完成形を作る。

筆者がやっていた当時主流だったレジンキャストという種類では、原型を固定した容器にシリコーンゴムを流し込み、今回と同じように型取りをするのだ。型が1度できると、樹脂を流し込んで何度もパーツを複製できるので販売も可能。きれいに成型できたときの感動は言葉では表せなかった。

寒天が固まったら原型を取り出す。……が、寒天がゆるく、水っぽい感じがする。大丈夫だろうか。簡単に崩れそうなので慎重に扱う。

すでに数時間かかったが、実はここまでの作業は下準備のようなもので、本番はこれからだ。

・ようやくロウが登場

食品サンプルといえばロウ。お湯の中にロウを散らして天ぷらを作る手法や、薄く伸ばしたロウを丸めてレタスを作る手法を体験教室で教わったことがある。実際の製品では強度重視でロウから合成樹脂に移行しているのだとか。

耐熱カップでロウを十分に湯せんする。煮立った熱湯や、熱いロウを扱うのでお子さんは注意。

溶けたロウを寒天の型に流し込み、ドキドキしながら待つ。上手く型が取れているかどうかは、ロウを出してみるまでわからない。

緊張の一瞬……

残念ながらアイスのひび割れ感は再現できず、大福ができた。

そしてサクランボは……

ナニコレ

……うん、確かにサクランボの方が、より寒天がゆるくて心配していたんだ……。

なお、ロウは柔らかく、はさみやカッターで容易に加工できるのでリカバリーは可能。余分なところを切り落としたり、まん丸になるように削ったりして……

梅干しじゃー!

が、このクリームソーダはサクランボが頂上のアクセントではなく「沈んでいるタイプ」なので大丈夫だと思う。細かいところは見えないだろう。

・最後の仕上げ

いよいよクライマックス、ソーダ部分を作る。グリーンのロウを湯せんで溶かす。すでにジェル状なのだが、もっとさらさらの液体になるまで加熱する。

グラスに流し入れて、サクランボと、お好みでスプーンやストローを沈める。

ここで救世主となる素晴らしいアイテム登場。アクリルアイスという氷の模型で、多少の失敗は帳消しにできるリアリティがある。

氷を入れたらソーダを足して、最後に大福……じゃなくアイスをオン。

白いロウをわざとザクザクにして「アイスと氷がシャリシャリに溶け合っている1番おいしい部分」を作る。

……なんて簡単に書いているが、実際には固まった頃を見計らって氷を入れる、また固まった頃にアイスを入れる……と階層を作るようなイメージ。かなり手間がかかった。

しかし、しかし、そのかいあって涼やかなクリームソーダが完成!

透明感抜群。筆者の写真の腕では伝えきれないが、きっとインスタ映えすると思うぞ。梅干しもごまかせている!

シュワッとした爽やかな炭酸の感覚が口の中によみがえる。ああ、飲みたくなってきた……。

手間と時間はかかるが、それに見合った完成度! たくさんある食品の中から、よくぞクリームソーダを選んでくれたと言いたい。ずっと飾れる素敵なインテリアができるぞ。

商品は全国のヴィレッジヴァンガード、東急ハンズ、ロフト、キデイランド、雑貨屋、おもちゃ屋、文具屋などで取り扱っているとのこと。多少のミスはグリーンのロウやアクリルアイスがカバーしてくれるので、失敗を恐れずどんどんやってみよう。

作り終わった今、一気に夏がやってきたような気分だ。今年は、あるいは今年も、楽しい夏休みになるといいなぁ!

参考リンク:株式会社ライブエンタープライズ親子の時間研究所ストア(販売ページ)
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.



« 前のページ

  プロフィール  PR:無料HP  米沢ドライビングスクール  請求書買取 リスク 千葉  アニメーション 学校  IID  中古ホイール 宮城  タイヤ プリウス 新品  コンサート 専門学校  中古パーツ サイドカバー  不動産 収益  四街道 リフォーム  トリプルエー投資顧問 詐欺  コルト 三菱 中古  シアリス 効果