飲めそうなくらいリアル、本物そっくりなクリームソーダの食品サンプルをおうちで作ってみた

みんな大好きクリームソーダ。弾ける炭酸とバニラアイスの甘さが絶妙にマッチした魅惑の飲み物だ。しかし今日は喫茶店や洋食店の話ではない。

シュワシュワの泡まで見えるのに、決して飲めないニセモノ……食品サンプルを作ったのだ。それも講師に教えてもらえる体験教室ではなく、誰でも自宅でできるキットで。

作業は大変だったが、自分で作ったとは思えない美しい仕上がりになったのでその模様をお届けしたい。夏らしい爽やかアイテムで、お子さんの自由研究にもいいぞ。

・「触れる図鑑 食品サンプルを作るキット」(税込1650円)

今回使用したキットは、株式会社ライブエンタープライズ「触れる図鑑コレクション」の「食品サンプルを作るキット」。

箱の中には化学実験に使いそうな薬品的なものがたくさん入っている。鮮やかなグリーンの液体はクリームソーダ本体とすぐにわかった。

それ以外にも自分で用意するものが結構ある。クリームソーダを入れるグラスや、複数個の耐熱カップ、そして鍋とコンロでロウを溶かすので、キッチンが汚れないような準備も必要だ。

・作業工程は多い

それでは作業開始。職人さんが本格的に作るときよりはずっと簡便化されているが、それでも工程はたくさんある。時間に余裕のあるときに、心してかかって欲しい。まずは練りゴムで「バニラアイス」と「サクランボ」の原型を作る。

説明書には最初に練りゴムを伸ばしたりこねたりして柔らかくするよう書いてある。粘土細工でもおなじみの作業だ。

しかし、この練りゴム、めちゃくちゃ硬い! とても素手でこねられる硬さではなかった。温めると柔らかくなるようだったので、レンジでチンするカイロで包んでみたりもしたが焼け石に水。

そのため、サクランボはなめらかな球体にならず……

一方でゴムがゴワゴワしているおかげでアイスのひび割れ感はよく出たのではないかと思う。けがの功名だ。

続いて「型」を作る。寒天を湯せんで溶かし、先ほど作ったゴムの原型をそっと沈めたら、あとは寒天が固まるのを待つ。

この作業、ガレージキットづくりにちょっと似ている。ご存じかもしれないが、ガレージキットとは個人でも作れる少数生産の模型キット。例えばキャラクターフィギュアなら、はじめに粘土などで完成形を作る。

筆者がやっていた当時主流だったレジンキャストという種類では、原型を固定した容器にシリコーンゴムを流し込み、今回と同じように型取りをするのだ。型が1度できると、樹脂を流し込んで何度もパーツを複製できるので販売も可能。きれいに成型できたときの感動は言葉では表せなかった。

寒天が固まったら原型を取り出す。……が、寒天がゆるく、水っぽい感じがする。大丈夫だろうか。簡単に崩れそうなので慎重に扱う。

すでに数時間かかったが、実はここまでの作業は下準備のようなもので、本番はこれからだ。

・ようやくロウが登場

食品サンプルといえばロウ。お湯の中にロウを散らして天ぷらを作る手法や、薄く伸ばしたロウを丸めてレタスを作る手法を体験教室で教わったことがある。実際の製品では強度重視でロウから合成樹脂に移行しているのだとか。

耐熱カップでロウを十分に湯せんする。煮立った熱湯や、熱いロウを扱うのでお子さんは注意。

溶けたロウを寒天の型に流し込み、ドキドキしながら待つ。上手く型が取れているかどうかは、ロウを出してみるまでわからない。

緊張の一瞬……

残念ながらアイスのひび割れ感は再現できず、大福ができた。

そしてサクランボは……

ナニコレ

……うん、確かにサクランボの方が、より寒天がゆるくて心配していたんだ……。

なお、ロウは柔らかく、はさみやカッターで容易に加工できるのでリカバリーは可能。余分なところを切り落としたり、まん丸になるように削ったりして……

梅干しじゃー!

が、このクリームソーダはサクランボが頂上のアクセントではなく「沈んでいるタイプ」なので大丈夫だと思う。細かいところは見えないだろう。

・最後の仕上げ

いよいよクライマックス、ソーダ部分を作る。グリーンのロウを湯せんで溶かす。すでにジェル状なのだが、もっとさらさらの液体になるまで加熱する。

グラスに流し入れて、サクランボと、お好みでスプーンやストローを沈める。

ここで救世主となる素晴らしいアイテム登場。アクリルアイスという氷の模型で、多少の失敗は帳消しにできるリアリティがある。

氷を入れたらソーダを足して、最後に大福……じゃなくアイスをオン。

白いロウをわざとザクザクにして「アイスと氷がシャリシャリに溶け合っている1番おいしい部分」を作る。

……なんて簡単に書いているが、実際には固まった頃を見計らって氷を入れる、また固まった頃にアイスを入れる……と階層を作るようなイメージ。かなり手間がかかった。

しかし、しかし、そのかいあって涼やかなクリームソーダが完成!

透明感抜群。筆者の写真の腕では伝えきれないが、きっとインスタ映えすると思うぞ。梅干しもごまかせている!

シュワッとした爽やかな炭酸の感覚が口の中によみがえる。ああ、飲みたくなってきた……。

手間と時間はかかるが、それに見合った完成度! たくさんある食品の中から、よくぞクリームソーダを選んでくれたと言いたい。ずっと飾れる素敵なインテリアができるぞ。

商品は全国のヴィレッジヴァンガード、東急ハンズ、ロフト、キデイランド、雑貨屋、おもちゃ屋、文具屋などで取り扱っているとのこと。多少のミスはグリーンのロウやアクリルアイスがカバーしてくれるので、失敗を恐れずどんどんやってみよう。

作り終わった今、一気に夏がやってきたような気分だ。今年は、あるいは今年も、楽しい夏休みになるといいなぁ!

参考リンク:株式会社ライブエンタープライズ親子の時間研究所ストア(販売ページ)
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

カテゴリー アイス, クリームソーダ, 国内, 株式会社ライブエンタープライズ, 模型, 生活, 自由研究, 触れる図鑑コレクション, 食品サンプル

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