Amazon最低評価の中国産「サンドピクチャー」が逆にいい味を出していて芸術爆発! ゆっくり砂が降り積もる神秘的な作品です
【困惑】ボトルで砂絵ができる「3Dサンドアート」に挑戦したら…読解不能の謎アートが爆誕した
まずは “曇りなき眼(まなこ)” で完成品を見ていただこう。これは何に見えるでしょうか。
美しいガラスボトルの中に広がる世界。きらめく水中に、夏の午後の一瞬の光景が切り取られているようだ。あなたがピュアな心を忘れていなければ見えてくるはず……北欧の森で遊ぶ妖精が!!
少し説明不足だったかもしれない。「ミラクル3Dサンドアート」というキットで遊んでいたら、別の意味でミラクルが起きてしまったのだ。
・「ミラクル3Dサンドアート」(筆者の購入価格 税込910円)
今をさかのぼること2時間前。筆者は前述の「ミラクル3Dサンドアート」を開封していた。「360°どこから見ても楽しめる立体砂絵」とあり、オリジナルのデザインを立体化できるらしい。面白そうだ。
画材にあたるカラーサンドは13色も入っており、たいがいのものは表現できそう。原色だけじゃなく、茶色やベージュなどのアースカラーが入っているのがありがたい。犬や猫を青で塗る自由さをなくした大人でも満足できる。
行き当たりばったりではよくないから、さっそくコンセプトアートも書いてみた。大きなボトルを使って、建物やキャラクターもいる風景を作るぞ。
どういう仕組みで「立体砂絵」にするのかというと、まずは湯冷ましに吸水ポリマーを溶かして、ゼラチン状のベースを作る。
ベースにスポイトを差し込み、カラーサンドの混ざった水を注ぐと、インクのように砂が残るのだ。弾力があるのでスポイトの穴はすぐにふさがる。すごい!!
・お絵かき開始
説明書には、練習として「木の作り方」が書いてあった。筆者の作品にも木は必須だったのでやってみよう。まずは茶色い砂で幹を書く。
ゼラチン質の中に砂がむにゅっと注入されていくのは、新感覚ですごく気持ちがいい!
……けれど、砂は1カ所に留まらず、四方にじわっと拡散してしまう感じで、なめらかな表面にはならない。しかも余計な気泡が入ってしまった。
なんというか……水の中でジェット噴射したものが瞬間冷凍されたような?
続いて樹冠をソフトクリームの要領で作っていく。
お、これはいいんじゃないかな? リアルにできた。おそらく木や雲のように、もともと不規則に拡散しているような形は上手くできる!
では、建造物を作っていきたい。外壁の色は明るいブルーだ。
なるべく円筒形になるように……と思ったのだけれどハミ出した。一応、余計な部分はスポイトで吸い出して修正できることになっているけれど、そう上手くはいかなかった。輪郭のはっきり決まっているもの、つまり人工物は難しい!
オレンジ色の屋根をのっける。さらに自然豊かな渓谷を表現するために茂みを作った。
最後に画竜点睛(がりょうてんせい)! 作品のキモになる1番大事なところを作るぞ。
できた!!
・北欧の森
完成品をご覧いただきましょう。どこまでも広がる針葉樹の森に……
ブルーの壁とオレンジの屋根。そう、ムーミンハウスです。ムーミンもいますよ。
え、どこにって?
ほら、いるじゃありませんか!!
窓辺に飾ったら、そこはもう北欧の森!! ムーミンはカバだと思っているあなた、彼らは森にすむ妖精(トロール)ですよ。
原作者はあくまで「架空の生き物」と表現し「妖精」とはいっていないらしいですが、この際いいんです、妖精で。
「人は見たいものしか見えない」(By. カエサル)……世界でただ1人、作った本人だけが理解できる奇跡のアートが爆誕した。
・パッケージ写真……
気づいたことがある。商品パッケージには当然のように完成写真が載っている。通常、完成写真というのはメーカーが試行錯誤の末に「1番よくできた状態」で撮影するもので、実際にはユーザーはそこまでキレイに仕上げられない。持てる力を最大限に発揮した、いわば「ベスト」の状態といっていい。
しかし写真を見ると、お世辞にも「アート」とはいえないできばえだ。詐欺ではないし、盛ってもいない。ありのままを見せている写真なのだ!! 商品を企画したメーカーでもこうなのだから、素人がこれを超えることは不可能。
製作過程が面白かったのが救いだ。ゼリー状の物体に、にゅるにゅると砂が注入されていく感触は控えめにいって「快感」である。カラーサンドは余っているので、こりずに別のものを作ってみようと思う。
参考リンク:Amazon(販売ページ)、ムーミン公式サイト
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
【現場レポート】海岸に突如現れたワニのサンドアートがめちゃくちゃハイクオリティで謎を呼ぶ / 青森県
青森県西部に位置する鰺ヶ沢町。普段は静かな浜辺に巨大なワニが現れた。といっても本物ではない。海岸の砂で作ったサンドアートのワニだ。
特別なイベントがあったわけではなく、アーティストのゲリラパフォーマンスでもなく(たぶん)、突如として姿を現した砂のワニ。これが海でよくやる砂遊び程度の作品であれば遊泳客のたわむれということになろうが、本職(?)としか思えない完成度。
数人の若者が作業していたという目撃談があるが詳細は不明で、いったい誰が何のために……と地元で話題になっている。
・鰺ヶ沢海水浴場
現場の様子を詳しくお伝えしよう。舞台は青森県西津軽郡の鰺ヶ沢海水浴場。日本海に面し、目の前いっぱいに水平線が広がるのどかな海水浴場だ。海開きは7月18日とまだ先で、普段は閑静な砂浜といえる。
が、よく見ると遠浅の浜辺に、なにやら砂を掘り起こしたような一角が。
近づくと2匹の巨大なワニが円を描いているのが見える。体長は少なくとも5mはあろうか。
ここ鰺ヶ沢海水浴場に最初の1匹が登場したのは今月3〜4日のこと。あまりの完成度に地域の人を驚かせ、地元メディアによると町で雨よけのシートをかぶせて形が崩れないようにしていたとか。現在はシートは取り払われ、1匹目は少し乾燥して崩れているところも見える。
ところが9日、さらに大きなワニが出現! こちらはまだしっとりした “できたて” の感じが残り、なめらかな表面を見せている。身体の大きさの違いから、夫婦のようにも見える。同じ作者の作品かどうかは不明……だが、この統一感はきっと同一人物だろう。
中央にはコロンとした卵があり、2匹は卵を守っているのかも。地元では卵がかえる、つまり3匹目が加えられるのでは、と期待されているという。
どちらも、とても素人とは思えない完成度。指先や、背中のゴツゴツも丁寧に再現されている。粘土遊びでもよくわかるが、頭に形を思い描くことと、それを立体にすることには大きな差がある。作者は美大生? 工芸家? 原型師?
地域では歓迎ムードで、園児が見学に来たり、犬の散歩中に足を止める人も。現場は誰でも入れる公共の海水浴場で、複数メディアが報じたにもかかわらず、いたずらなどの被害もなく作品が残っている治安の良さにも驚き。
・これからどうなる?
目的は明らかになっていないが、作者のユーモアや遊び心が感じられるのは確か。SNSで話題になると見物客の渋滞など二次的な問題を引き起こすこともあるが、風雨で跡形もなく自然に帰る作品であることも秀逸。温かく見守る地元の雰囲気も微笑ましい。
折しも先週末は強い雨雲が東北地方にまで北上。取材は降雨前に行ったが、2匹のワニも前週までのような形を留めていない可能性が高い。修復される、あるいは新しく作品が追加されることは果たしてあるのか。
夏の訪れが遅く、まだ肌寒い日もある東北地方だが、浜辺ににぎやかな声が戻ってくる季節ももうすぐだ。厳しい社会情勢の最中、ひととき人々を笑顔にしたほっこりニュース。以上、現場からお届けしました。
参考リンク:青森 NEWS WEB、読売新聞オンライン
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.